プラモデルで再現してみる

 これは、谷甲州黙認FC青年人外協力隊の年会報「こうしゅうえいせい空海」の原稿用に、谷甲州の作品「軌道傭兵4 BC弾頭撃墜」のクライマックスシーンを模型で再現するというテーマで制作した物である。
 使用したキットはハセガワの1/72スケールF-16C、ある意味定番ともいえるキットであり、これといって手は入っていない。
この巻のクライマックスシーンは、F-16からのASATUを発射するというものであり、架空兵器であるASATUをスクラッチした。ちなみに、ASATUというのは、80年代に開発されたAGM-69 SLAMをベースに2段目のロケットと弾頭部分を加えた空中発射式対衛星ミサイルASATの改良型と本文にはあるのだけど、ASATとの違いは改良型として推力を高めているという記述があるのみ。そんな訳で、ASATの資料を調べた上で手持ちの資材からスクラッチした。
 最初は、同スケールの対艦ミサイルをベースにと考えていたのだが、対艦ミサイルとの比較だと直径でほぼ1.5倍もあり改造は不可能である。勿論、模型屋で売っているプラパイプの改造なども不可能。そんな訳で、1/48スケールのF-15Eに付属していたCBU-68クラスター爆弾が、直径7ミリ一寸と設定より若干大きいものの使えるサイズということから、これを2つ繋ぎ合わせた上で、パテ盛りと整形でミサイルの形を作り、プラ板で作った安定翼と合わせる。また、ミサイルのサイズが大きいだけにノズルも目立つ為胴体部分の内部空洞にパテをと一緒にプラパイプを突っ込んで作成。ちなみに、下の写真が、F-16主翼用の増槽やF-2用のASM-2対艦ミサイルと比較と、塗装したもの。
 ここで気が付いた事は、本文にある「胴体下に懸架された」という装備が不可能であるという事。つまり、胴体下に装備すると胴体下の殆どをミサイルが占領してしまい、首脚が出ている限り装備が不可能であることが判明したので、残念ながら、ASATは主翼下への装備となった。
 そして、機体の塗装については、本文の「塗装は暗いグレーで部隊マークなどもめだだない色で塗りわけられている」・「整備員たちは、国籍マークのないF-16に興味をもったが、誰もそのことについて話そうとしなかった」という二つ文より、グレー単色で最低限のマーキング以外は無しというシンプルな物に決定。ただ、そのままではあまりにも素っ気無さ過ぎるので、ラインのデカールはそのままで貼る事に。
 そんな訳で、下が完成した物と背景の写真を合成した完成画像である。
高度を上げるにつれて、空の青さが次第に深くなっていった。進路と上昇角を指示するレベッカの声が、単調にひびく。機体が急角度で上昇をつづけているために、操縦席が今にも後方に脱落しそうな錯覚にとらわれる。
(軌道傭兵4 BC弾頭撃墜より))


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