学パラ(そもそも遊戯王は学園ものなんですが…笑)ネタメモです。だらだら連載中にて。 070930 バクラ総受け予定の学パラ どみのだおし(1) 校舎の屋上に大の字で寝そべり、見えるのはど真ん中に照る太陽と、時折それを隠してくれる白い雲、そして一面の青空。 視界の端に映るのは錆びたフェンス。そこに背もたれる知り合い一名。(自分も人のこと言えないが、)髪型から服装から風紀を乱しまくっている。だが、片手にアンパンマ○のパン、もう片手でイチゴミルクをストローで吸っているという視覚的ギャップ。 「……あづ」 バクラは直射日光を受けてじとりと汗ばむ額をぬぐった。長い銀髪がぱさりと横に垂れる。 何となく、だらだらと過ごしてしまった昼休み。 キーンコーンカーンコー… 予鈴が鳴る。バクラは一気に不機嫌になってチッと舌打ちした。 まだ昼食を食べ終えない闇マリクは、予鈴など聞こえないとばかりに、もそもそとアンパンをかじる。 「オイそこの6歳児、予鈴鳴ったぞ」 「しょーだな」 「しょーだなじゃねぇよ。さっさと降りれ」 「サボる」 「はぁ?」 「次の授業はサボる……リシドだから」 「ああ、世界史か」 「ん……」 担当教師の名前が出て、バクラはマリクのサボる動機に納得した。 「じゃあオレ様もサボるかな」 感化されたわけではないが、バクラも起きあがりかけた体をぱたんと倒した。 「きしゃまは次の授業何だよ」 「ペガサスの英語」 「あぁ…あいつは、うざいなぁ」 「うざいどころじゃねぇ。あいつのデースマース発音聴いてると…むかつきで吐ける。いっぺんあのふざけた目玉くりぬいてやりてぇよ」 「やっちまえやっちまえぇ。俺が許すじぇ」 071005 海バク中心になるかもしれない学パラ どみのだおし(2) マリマリ編 「あー、やっぱりここにいた」 屋上にやってきたのは1人の女生徒だ。…いや、女生徒の制服を着ているが、中身は男である。だがその女装には、まったく違和感がない。 彼の名前はナムという。 「何か用か」 「リシドに、マリクを連れてくるように言われて。あとバクラにも伝言」 「はぁ? あのハゲがか?」 「違うよ、廊下で生徒会長とすれ違ってさ、バクラに会ったら『至急、生徒会室に来い』って言えって」 「ゲッ…」 バクラの顔がらしくなく、青くなる。 それを見たマリクがおもしろがって茶化した。 「ひゅー♪ 彼氏からの呼び出しじゃねぇか、こわいこわい…(笑)」 「……ほんと怖えよ」 バクラは素直に本音を言った。 ナムがつかつかと歩み寄って、座り込んでいるマリクの腕をとる。 「じゃあ、行くよマリク」 途端、マリクの機嫌は悪くなる。というか、拗ねた態度になる。 「……いやだ」 「駄々こねないの、ほら、立って」 「やだあー」 マリクは首をぶんぶん振って拒絶する。もう少しで泣きそうだ。 マリクは、ナムには本当に6歳児のような態度をとる。(少なくとも、悪友のバクラには年相応の言動をする。) マリクとナムにはややこしい経緯がある。 マリク・イシュタールという名は、本当ならナムのものであった。実際、一年前まで、ナムはマリクとして、男子生徒の格好でこの学校に来ていた。 高2になる直前の春、生き別れた双子の闇マリクと再会し、そこで、マリクの肩書きを闇マリクにすべて譲り、自分はナムという女の子に扮して、童実野高に新しく転校してきた。 担任のリシドが元イシュタール家の使用人だったこともあって、闇マリクがマリクにすり替わり、マリクがナムとして新しく受け入れられるのは簡単だった。 もともと女顔であるのを、綺麗に化粧して色づけているナムの変装は完璧で、一部の親しい友人をのぞき、他の生徒はみんなナムを「おちゃめでカワイイ女の子☆」として見ている。 「2年になって、マリクが髪型と性格をイメチェンしたなぁ」「そうだな、ところで新しく転校してきたナムちゃんって可愛いよな〜vvv」クラスメイトの反応すらこんな感じだった。 これにはバクラも感心せざるおえない。 --------------------------------------------------------------------- マリマリの性格が原作完全無視になっている件。← 2人の設定を変にこだわってみたんですが、趣味丸出し…いやいや、少し好ましくない設定をしてしまいました。結構シリアスです。不快になる方もいると思いますので、マリマリ裏設定は別ページにしときます。 ■どみのだおし マリマリ裏設定 どみのだおしのマリマリはナムマリになるかも 071023 学パラ どみのだおし(3) 竜蛾編 昼休み。教室はわいきゃいと騒がしい。 その中で、窓側の席に座る羽蛾はいつも弁当を1人で食べていた。 いた、というのは過去形で。今は珍客がやってくる。 「羽蛾〜!」 3種類のパン+ペットボトルを両手にかかえて1Aの教室に入ってきたのは、2Bの竜崎だ。 「一緒にメシ喰おうや」 言って、羽蛾の返事も待たず、空いている前の席に後ろ向きに座る。 「毎日、毎日、お前は…」 ベリッとパンの袋を開ける竜崎をじとりと見やり、羽蛾が低い声を出す。 「購買のすぐ近くだからってこっちくんな。自分の教室で食えよ」 2年が1年の教室にいるのは異色だ。それがいつも1人でいる男子生徒の名前を呼びながら陽気に飛び込んでくるのだから、一瞬でもクラスメイトはこちらに意識を向ける。 羽蛾は(なんで俺が恥ずかしいとか思わなきゃいけないんだ…)と理不尽な気分になる。 「ワイは羽蛾と昼一緒にしたいから来とんの。何やったらこっち(竜崎の教室)来るか?」 「なんで俺が」 「せやから、ワイがここにおるんやって」 ニヒヒとした笑顔をこちらに向けて、竜崎が羽蛾をなだめる。 羽蛾はその屈託のない笑顔にいつもほだされてしまう。 一緒に食べるからといって、2人の間に会話はない。少なくとも羽蛾が弁当を食べ終わるまでは。本当に、ただ一緒に食べるだけ。 羽蛾が「食べてる時に人と話すの嫌なんだよ」と前に言ったことがある。(本当は、しゃべりながら食べることができない。どうしても遅くなる。) そんなつまらないことを律儀に守ってまで、どうしてこいつはここで昼休みを過ごすのか。羽蛾にはよくわからない。 こいつは3年の城之内たちとも仲がいい。あいつらの輪の中に入ったほうが、よっぽど楽しそうなのに。 まぁ、どうでもいいけど……そんなことを考えつつ、無言でもそもそと弁当のおかずを食べていく。 羽蛾が弁当を半分にさせたくらいに、竜崎は3個目のパンをぱくんと食べ終わった。 羽蛾の弁当に目を向けて、「あ」と何かに気付く。 「タコさんウインナーや」 指さした先には、弁当の隅っこにちょこんと盛られているタコの形をしたウインナー。 言われて、羽蛾は渋い顔をする。 「俺これキライ」 「なんで」 「赤すぎるだろ、この色」 いかにも着色料べったりといった感じで、食べる気がおきない。 「おいしかったらええやん」 竜崎はウインナーをじーっと見たまま。 羽蛾がいぶかしみつつ尋ねる。 「…ほしい、のか?」 「うんv」 景気よく答えて、もうもらえるものと思った竜崎が口をあーんと開ける。 「……」 これは、なんだ、自分が箸を使って食べさせるのか? おそるおそる、羽蛾が竜崎の口にウインナーをほうりこむ。 すると、おいしそうに もぐもぐとかんで、こくんと飲み込んで、 「あんがとさーん」 「…///」 にっこりーと幸せそうに笑う竜崎に、羽蛾はまたほだされるはめになる。 --------------------------------------------------------------------- 竜蛾っていうかただの友達?ほのぼのい2人が好きです。 アニメで一緒にハンバーガーとか食べてた2人は一体どんな会話してたのかしら。 お見合いみたいな雰囲気だと思った私は、もうなんか救えないフィルターかかってます。 071025 学パラ どみのだおし(4) 海バク編 5限目が終わった後の小休みに、3Aの生徒会長・海馬瀬人が3Bの教室にやってきた。 「バクラ」 「…何デスカ、社長」 快くない相手に捕まったバクラは、(4限目とまとめて5限もサボればよかったぜ…)と内心舌打ちする。 「なぜ俺の呼び出しに応じなかった。ナムはお前に伝えたと言っていたが?」 「そりゃー申し訳ないことを。最近耳が遠くなっていけねぇ」 バクラはあらぬ方向を見、額に汗を浮かべながら海馬の怒りを受け流すことに必死だった。 だが海馬の方はバクラをしっかりと見て、断固として自分の言い分を曲げない。 「貴様は帰宅部だったな。放課後、生徒会室に来い」 「…いや、今日はちょっとオレ様、用事が…」 「ほう?何の用だ?」 「えーと…ちょっとエジプトに里帰りしたいなーなんて」 「日帰り旅行にしてはハードだな。やめておけ」 「えー…」 「あまり手間をかけさせるな。あのことをバラされてもいいのか?」 「!?」 『あのこと』と海馬が持ち出した途端、バクラの顔色がサーッと青くなる。 「そうなったら、困るのはお前だろう?」 ニヤリと、海馬が悪い顔で笑う。 バクラはとうとう降参した。 「わかったよ…行けばいいんだろ、行きゃあ」 バクラの従順な返事に満足した海馬は、「ふぅん」と、そのままくるりと自分の教室に戻った。 071216 学パラ どみのだおし(5) 本御編 ■スマイルピエロ 長くなりそうなので別ページ。ちょくちょく更新したいです。 071227 学パラ どみのだおし(6) 海バク編(2) ぺたしぺたしと、北校舎の廊下を歩いている。 「あーだるい」 授業が終わった放課後。バクラはさっさと帰るつもりだった。だがしかし、のっぴきならない事情に脅されている。従うしかない。 『放課後、生徒会室に来い。さもないと、あのことをバラすぞ?』 生徒会室の前に立って、もう一度ため息。 大人しく従えば脅迫は破棄される。だが、別の心配が出てくる。 「ここに来て、ろくな目にあったためしがねぇ…」 そう、きっと今回も簡単に帰れない。 恐ろしく気が重いが、それで引き下がるバクラではない。 ドアに手をかけると、ノックなしで声もかけず、ガラッと扉を開ける。 「社長ー、オレ様が直々に来てやったぞ」 海馬はドアの正面にある広い机に座って、最新のノートパソコンに向かって何かの職務をしていた。 童実野高校生徒会長・海馬瀬人のその容姿は17歳に見えないほど大人っぽい。(だからバクラは彼に「社長」というあだ名をつけた。褒めているのかけなしているのか…) 「今忙しい。そこにかけて少し待て」 バクラは不満な顔をした。「自分から呼び出しておいて」 「なら口頭で伝えるものを先に言う。よく聞け、貴様の外見と奇行についてだ」 カタカタと、指を動かす速度も落とさず、目をパソコンに向けたまま、海馬は淡々とバクラに言う。「貴様の服装、髪型、学校での行い、そのすべてが著しく学校の風紀から逸脱している。早急に身なりを正せ。これは生徒会長権限による命令だ」 「外見と奇行ぉ?そんなん、マリクやナムだってそうだろうが」 「マリクにはハンディがある。ナムは女生徒だ。俺の担当からは外れる」 「男だって知ってるくせによ…」 海馬の洞察力は伊達じゃない。ナムが元マリクで、女になりすましている男だということは、とっくに知っているはずだ。それなのに。 「ふん、そんなに自分だけ目をつけられるのは嫌か」 「そりゃーな、気分悪ぃってんだよ」 「それでも行いを改める気はないか」 「ごめんだね」 この類の注意など、今までにいくらでもされている。だがバクラは自分のくたびれた服装も、長い銀髪も、千年リングを悪用しての闇のゲームも、人に言われてやめたことは一度もない。そして、これからもそのつもりだ。海馬の忠告など本気にしなかった。 「それに…俺の髪は、社長だって気に入ってるだろ?」 バクラは自分の自慢のプラチナブロンドを手で梳いてみせた。 さらりと絹糸のような銀髪は窓からの光を受けてきらりと光り、また元通りになる。 「社長って銀髪に弱いよな。ほら、前に英語のペガサスに言い寄られて、まんざらでもない感じだったし」 「あれは苦手なだけだ」 「ほーう、どうかねぇ」 「……もう一度聞く。素行を改めるつもりは?」 「ない」 きっぱりとNOと断る、怖いもの知らずのバクラに、海馬が二撃目の攻撃を用意する。 「では、貴様もナムのようになってもらおうか」 「は?」 「そこ、テーブルの上に包みがあるだろう」 「おう」 「開けてみろ」 ガサガサ 「……オイ、これは何だ」 「貴様にくれてやる」 「いらねぇよ!!」 バクラは叫んだ。 包みに入っていたのは新品の制服だった。ピンク色の、女用だ。 持ったまま固まっているバクラに海馬は作業を終えたのか、ノートパソコンをぱたんと閉じて立ち上がる。 「着ろ」 「ふっざけんな!!オレ様にナムみたいな女装癖はない!!」 これもまた断ろうとするバクラだが、海馬はそれを許さなかった。 「着ないのなら…『あのこと』を直接校長に話すが…?」 「!?」 「PTAも黙ってはいないだろうな。それでもいいんだな?」 曖昧な物言いだが2人の間には十分に通じる取引だった。 教室でそうだったように、『あのこと』と言われた途端、バクラの威勢が目に見えて衰えた。 しまいには苦々しそうな顔をして、自暴自棄になって怒鳴った。 「あ゛ーもう!…着りゃいいんだろ!?着れば!!」 080319 どみのだおし 海バク編(3) 【前回までのどみのだおし】 日頃から態度の悪い不良生徒・バクラに、公正明大な生徒会長の海馬はバクラに女装するよう命じた。弱みを握られ、脅されたバクラはしぶしぶ了承してしまうのだった――。 ソファーの後ろに回って、バクラは海馬の用意したセーラー服にごそごそと着替える。 黒い学ランを脱ぎ、白いシャツを脱ぎ、日焼けをしていない細い上半身が露わになる。 銀髪もあいまって、白い肌は病弱な印象すら与える。当の本人は驚異的な体術と何だかよくわからないオカルトパワーを持っている、不良グループすら恐れる存在だというのに。黙っていれば、なにもしなければ、あとヒャハハとかキチガイみたいな高笑いをしなければ、まるでAクラスの模範生・獏良了(バクラの兄)そのままになる。 「ふん…そんなに、あんな化け物が可愛いか?」 馬鹿にするように海馬が言うと、バクラがキッと鋭く睨みつけてくる。 「化け物ってゆーな!ゾークはオレ様の大事なペットだ!」 「大事なペットなら家で飼えばいいだろう。こそこそと学校で飼育して、挙げ句弱みを握られる始末だ」 バクラの唯一の弱みとは、ゾークを校舎裏ので内緒で飼っていることだった。 「そりゃ飼いたいけどよぉ……宿主が、許さねぇんだよ」 バクラは小さい頃にディアバウンドという名前の白い精霊獣(このパラレルワールドでは犬猫と同じカテゴリーに分類されます。)を飼っていたが、獏良の大切なジオラマをぐちゃぐちゃに壊してしまったことがある。それ以来、兄の獏良はペットを飼うことを断固拒否している。 可愛がっていたディアバウンドも、隣んちの遊戯のペットたち三幻神とケンカして死んでしまった。それ以来、バクラたちの家にペットはいない。 その件で、バクラは遊戯、特に闇遊戯(通称:王様)を憎んでいる。 雨の中、ダンボールに捨てられた邪神ゾークを見た時、そういうオカルティックなものが大好きなバクラは放っておけなかった。 かといって宿主(獏良をバクラはそう呼んでいる。)のプラモやフィギュアのちらばる家に持って帰ることもできず、仕方なく学校へ忍び込んで、校舎裏の大木のあなぐらにゾークを入れ、密かに飼いはじめた。 しかし、餌(生肉)を与えているところを、巡回中の生徒会長に見つかったのが運の尽き。 風の谷のナウシ○のごとく、大木を背に「なんにもいねぇよ!なんにもいねぇっつってんだろ!?」と否定してみるも、ゾークがあなぐらからひょこっと出てきたものですべてが台無しになった。 バクラが海馬に頼むから誰にも言うなと下手に出ると、それ以来、海馬は何かにつけてそのことをちらつかせてくる。 弱みの一つや二つがなければ、問題児バクラは誰の言うことも聞かないので、(名言:「俺に指図するな!」「俺に 「校内で危険な生物を育てるなど、言語道断だ。退学にならないだけありがたいと思え」 「うるせぇ、俺はゾークを立派な大邪神に育てて、王様に復讐してやるんだよ!」 バクラは闇遊戯に(原作ほどではないが)怨恨があるらしい。 「だから特に遊戯たちには黙っておいてくれよな。あいつんちの三幻神に合体されてホルアクティでジュゼルやられたら、今のゾークじゃひとたまりもねぇんだよ〜」 「貴様の言っていることが何一つ理解できん」 080614 どみのだおし 竜蛾編(2) ■竜蛾+ペガサス先生 犬吉さんへのさしあげものです。ペ蛾っぽく!笑 |