団蔵はいまだ落ち着けなかったが、必死に考えた。 正門は開かない。遙か遠い裏門に回る時間も惜しい。 塀を越えられないだろうか。 この場所の高さじゃとても無理だが、グランドの方の塀を、先日誰かが壊していたことを思い出す。 まだ修理されていなかったら、どうにかのぼれるかもしれない。 団蔵はその場所まで走った。 幸い、塀はまだ壊れたままだった。 団蔵はそこから学園に入った。 整わない呼吸。広いグランドに人気はない。 どこに行こうか、団蔵は一瞬迷う。
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