正門がだめなら、裏門に行こう。
団蔵は裏門に向けて駆け出した。


はぁ、はぁ、はぁ…
団蔵は学園の塀沿いを走っている。
だがその足取りはふらついていて、実質早歩きほどの速度しかない。
森から学園までの距離を全力疾走していたのだ。もう体力が限界なのは当然。
なのに、正門から裏門までは何キロもある。
団蔵は裏門へ回ろうとしたのは間違いだったと、早くも後悔していた。

そして団蔵はさらに悔やむことになる。
裏門にも鍵がかかっていたのだ。

「そんな…」
団蔵は裏門の扉に手をついて膝を折った。
しばらくそこから動けなかった。
息が苦しい。足だってガクガクしている。頭がキーンと鳴って痛い。
「せんぱい…」
今頃彼はどうしているのか。身を案じた。
潮江先輩なら山賊相手に負けないだろうか?
楽勝してもう学園に向かっているかもしれない。
……いや、山賊は多かった。地の利もあっちにある。
もしかしたら捕まってしまったかも。
捕まって、もう学園に戻ってこなかったら?
そんなの、そんなのの方が、よっぽど一生悔やんでも悔やみきれないじゃないか。
そうだ、自分はこんなところで休んでる場合じゃない。
団蔵は気を奮い立たせて、立ち上がった。
そしてもう一度考えた。
潮江先輩を助ける方法。




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