「平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれるであろう」
マタイによる福音書５章９節
主イエスは「平和をつくり出す人たちは、さいわいである、彼らは神の子と呼ばれる」と言われました。この言葉は、考えれば考えるほどきつい言葉であると思います。もし主イエスが、せめて「争いを好まぬ人たちはさいわいである」と言って下さるなら、私たちは安心できるのかもしれません。誰だって争いはきらいです。争いはできるだけ避けて通ろうとします。ちょうど雨のあとに残った水たまりを避けるように、安全で平和な道を歩こうとします。それでよいのだと言って下さるのなら、安心できるのです。しかし、主イエスは、そうではない、平和をつくる人になるのだ、と言われるのです。争いを避けて通る人ではなく、平和をつくる人こそさいわいなのだと言われるのです。
この御言葉を語られた主イエスは、私たちの罪のために十字架にかかり死んで下さいました。そして神さまと私たちの間に平和を築いて下さったのです。その平和があるからこそ、私たちは生きることがゆるされたのです。私たちはそのことをしばしば忘れ、争いの中に身を置いてしまいます。しかし神さまとの平和を与えられている者として、私たちもただ争いを避ける生き方ではなく、争いの真っ只中で平和を作り出す生き方をしなければならないのです。
私たちのまわりには争いが絶えません。しかし、私たちのそのような平和に生きる生き方が争いを無くしていくのです。無意味にみえる努力であっても、一人一人の平和に生きる生き方が世界を変えていくのです。私たちの小さな業を、必ず主は祝福し導いて下さいます。そのことを信じ、日々の歩みを続けてまいりたいと思います。
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