


ある日、まいの左目の上のおでこの辺りの毛が何となく薄いような気がした。
ちょうどフィラリア予防薬をもらいに行く頃だったので、D動物病院で聞いてみたが、
「よく分かりませんねぇ。何か怪我でもしたんじゃないですか?」との答え。
怪我って感じじゃないけどな・・・釈然としないまま様子を見る事に。
そのうちどんどん毛は薄くなり、左側のおでこはピンク色の地肌が見えてきた。
口の端も毛がなくなってきた。
そんなある日、スクールで、お友達のお父さん、お母さんが
「まいちゃん、アカラスちゃうの?うちと同じ」
と教えてくださった。確かにそのコもまいと同じ部分の毛が薄くなっている。
そこで、今度はこの間、酔い止め薬を処方してもらったO動物病院へ。
「アカラスじゃないかと思うんですけど・・・」
検査の結果、やはりアカラス症(アカルスとも言う、日本語では毛包虫症)と判明。
顕微鏡の映像をモニター画面に映して見せてくださった。
細長いニキビダニが大量に映っている。
このニキビダニというのは草むらや山でつくマダニなどとは全く違うダニで、
毛穴に寄生し、顕微鏡でしか見えないほど小さい。
大抵は感染している母犬から授乳期に子犬に感染し、ほとんどの犬の毛穴に寄生しているが、普通はそれほど
増殖することもなくひそやかに暮らしているらしい。
が、体力のない高齢犬、子犬、病気の犬などの場合、このニキビダニが異常繁殖し、
毛が抜け、重症になると死にまで至るという。
体力のない犬?まいが?こんなに元気なのに?
考えられるのはまいが先天的に免疫機能不全である可能性だ。
先生は何度も私にたずねた。
「かゆがってませんか?」
「いいえ、全然・・・」
「おかしいですね。すっごくかゆいはずなんですけど・・・」
「全くかゆがってません」
「それはおかしいです。これからはちゃんと気をつけて見てあげてくださいね」
まるで、私がぼんやり飼い主とでも言いたげな先生の口調にムカッ。
帰ってインターネットで調べてみると・・・
アカラスの初期の段階では脱毛は目の上や口の周囲など局所的で、かゆみも全くないと書いてある。
狂うほどかゆくなるのは症状が全身にまで広がるほど重症になってからだそうだ。
うーむ・・・なんだか、あの先生もいまいち信用出来ないなぁ。
本屋さんに置いてある「犬の飼い方」みたいな簡単な本でも書いてある病気なのに・・・
私が「アカラスだと思うんですけど」と言わずにいたら、ちゃんと分かったのかな?試してみればよかった。
でも、指示された治療は私が調べたのと同じだった。全身を薬浴。シャンプーの代わりに薬で全身を洗い、そのまま
水で洗い流さずにドライヤーで乾かすという方法。
この薬がかなりキツイ薬で(調べてみると農薬と同じ成分=殺虫剤)、目に入ったりすると危険なので、あらかじめ、
犬の目に軟膏を塗らなくてはならない。もちろん、人間の方もゴム手袋着用だ。
眼球に軟膏なんか塗れるもんだろうか、とドキドキしたが、意外にもまいはおとなしかった。
が、ちゃんと塗れているのかどうか・・・不安である。
この薬浴を2週間ごとに5回行い、検査をして、ニキビダニがいなくなっていればOK、まだ残っていれば、さらに薬浴続行
となる。気の遠くなる話だ。
何か他にしてやれることはないかと調べまわり、もしも免疫不全が原因なら、少しでも体質を変えてやろうと食事療法も取り
入れることにした。免疫機能の改善に効果があるのはニンジンにキノコ類。近所の犬友達(薬局)の奥さんが、心配して
「スクワラン(深海サメの肝油)」を一瓶を下さった。これが、非常に高価な健康薬品(人間用)。お肌にいい成分で、化粧品
なんかにも含まれてるアレ。
さらに自分でも「まいたけパウダー」を購入し、毎日食べさせることにした。これも高価かった!
でも、かわいいまいがハゲチョロになってしまう事を思えば、これくらいどうだってのよ?
本人(犬)に自覚症状が全くなく、かゆがってもいないのが救いだが、獣医さんもあんまりアテにならんよなぁとムカッムカッ。
14 アカラス症闘病記