


初めてのスクール。午前中、見学している間、参加したくて仕方がなかったまいはついにたくさんのワンコの中に
入ることが出来て、喜びを炸裂させた!
レッスンの前、ほとんどのワンコがリードを外してもらって、お友達を挨拶をしたり、走り回ったりしている。
興奮したまいは右へ左へ飛び跳ね、突っ走ろうとする。
あまりの暴れように先生が言ってくださった。
「ラブちゃんは他のコと喧嘩したりしないだろうし、リードを外してあげてもいいですよ」
確かにまいが他のワンコと喧嘩した事は一度もない。たとえ、相手に噛まれても逃げるだけだ。
リードを外すとまいははじけた。
うっわーぃ!!
いきなり全力疾走。グラウンドを狂ったように走り出す。行く手に人が立っていようとワンコがいようとお構いなし。
あっ!ボールだ!!
まいにとって、ボールは全部、自分のもの。初対面の相手だろうと遠慮なく、ボールを一緒に追いかけ、取り合う。
だが、まだボールを追いかけているうちはよかった。
次にまいの目に入ったのは地面に置いてある水の入った小さなバケツ。それぞれの飼い主さんが、ワンコの水飲み
用に置いているものだ。おあつらえ向きに取っ手までついている。
「うわーっ!まいちゃんがバケツ持って走ったぁ〜!」
「こりゃあーっ!!まい!!」
水をまきちらしながら、バケツをくわえて爆走するまい。
ようやくその捕獲に成功し、バケツを取り戻すまいの母。すでに汗だくである。
さらに目を離したすきに、今度は・・・
「うわっー!まいちゃんがブラシを持ってる〜!!」
「こりゃあーっ!まい!!」
デッキブラシの柄をくわえ、スタコラと走るまい。お利口な他のワンコが何事かと注目し、中には一緒に走り出すコも・・・
新参者のくせに秩序を乱しまくるまいとまいの母である。
レッスンが始まると今度は吠え続ける。
家では滅多に吠えないのに・・・興奮すると吠えるのは悪い癖である。特に興奮しているのに拘束されると激しく吠え続ける。
何度かスクールへ通っても、まいの爆走と吠えまくりは変わらない。
休憩時間になっても、まいの行動に恐れをなした私がリードを外さないでいるとまた吠え始める。
困っている私に先生が言った。
「放してやって、遊ぶのに満足したら、マシになるかもしれませんね」
「でも、今度は何をしでかすか・・・」
まいが満足するまでにここの備品は全て破壊されてしまうだろう。
「じゃあ、すぐ捕まえられるようにリードをつけたまま放したら?」
訓練用の革リードを外し、古いリードに変えてまいを自由にしてやった。
「うわーっ!まいちゃんがっ!!」
「こりゃあーっ!!まいっ!!」
13 まい、乱入!