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ゴールデン・ウィーク恒例の馬術競技会「みっきぃ・ホース・ショー」が兵庫県三木市のホースランド
パーク三木で行われた。
今年もエントリーしていた私は早朝から山陽道をひた走った。ただし、今年は後ろのカーゴスペースに
かいじゅうが入ったクレートが積んである。そう、今年はまいを連れての参加だ。
次第に緊張が高まっていく。
競技のためではない。
後ろで眠っているかいじゅうが到着地で目覚めた時、一体、何をやらかすか・・・胃が痛くなりそうだ。

馬は割と犬に対して平気だ。大抵の乗馬クラブで、犬が飼われていたり、会員が連れてきたりしている
からだろう。もちろん、間近で吠えられたり、飛びつかれたり、追いかけられたりすれば、論外だが、普通
に距離を置いて、ゆっくりと歩いている分にはほとんど問題ない(絶対とは言えないので注意)。
犬の方もあまり馬に興味を示さないようだ。たまに興奮して吠えたり、追いかける犬もいるが、無理に近づ
けたりしない限り、どうでもいいやという顔をしている。
まいも馬なんかどうでもいい。全然、興味なし。でも、競技会にはいっぱい人がいる。
馬に乗っている人には動物好き、犬好きという人が多い。つまり、まいに構ってくれようとする人がとっても多い。
これで、まいにハイパーテンション状態になるなという方が無理な話。

それでも、ホースランドパーク三木は敷地が広いので、かいじゅうが少々暴れても大丈夫。
おまけに競技の合間に同じ競技部のメンバーが代わる代わる「ぼくもまいちゃんと散歩してきていい?」とリードを
持って、辺りを走ったりしてくれたので、さすがのかいじゅう犬も私が競技に出る頃にはほどよくお疲れになっていた。
持つべきものはかいじゅうの相手が出来る友人だよなー。
さて、自分の競技である。
当然ながら、自分が馬に乗っている時はまいの面倒を見られない。しかも、まいを預かってくれる競技部の人達も
私や他のメンバーの騎乗を応援するために馬場のそばにいることになる。
私はごっつい骨とごっついガムを彼らに渡した。
「食べてる間はおとなしいから。触ったり、おやつを取り上げても全然怒らないから。とにかく食べさせといて」

待機馬場での準備運動は数十分前から始める。
まだ障害も飛び始めないうちにまいはガムを食べ終わっていた。
落ち着け・・・まだ、骨がある。
あー、こんなにガムと骨を食べさせて、明日のウンチはどうなるんだろう?
脈絡のない思考が頭を駆け抜けていく。
出番が近づいてくる。
まいは・・・あぁ・・・骨もほとんど食べ終わってしまった・・・お願いだから、馬場へ乱入だけはしないで。吠えまくらないで。
暴れないで。柵を壊さないで・・・!
本馬場に近い方の待機馬場へ移った時、まいの周りには子供が数人集まっていた。
あぁ・・・頼むから、馬場へ乱入しないでよ。

自分の走行を終え、再び待機馬場へと戻ってきた私が見たのは何とも心温まる風景だった。
子供達が丸く輪になってしゃがんでいる。その中の1人、いや、1匹がまいだ。しゃがんでいる子供と座っているまいの
大きさはほぼ同じ。
1人の女の子が他の子の前に石や棒を並べている。ままごと?
まいも前に石を並べてもらって、嬉しそうに笑っている。軽く口開いて、ちょっとだけ舌が見えているあの表情だ(みなさん、
分かりますよね?)
子供達とまいは何の違和感もなく、一緒に遊んでいる。
子供達はまいが犬だなんて、意識してないようにも見えた。まるで、こんなセリフが聞こえてきそう。
「あんた、なんで、尻尾あるん?」

今回はちょっとほのぼのしたお話。
もちろん、まいは今もかいじゅうだ。次回以降、かいじゅう路線を再び爆走!
ご心配なく(?)
10 あんた、なんで尻尾あるん?