YUTAのモスクワ留学はちゃめちゃ通信
2003年12月
 ドゥローバ・サーカス」と呼ばれているサーカス劇場へと行ってきました。

ここのサーカス劇場は今年で創立90年もの歴史があるのにも関わらず、観光客にはあまり知られておらず、ガイドブックにも載っていない穴場的場所のサーカス劇場です。

チケットは一番安い席で40ルーブル(約160円)の席のチケットを購入しました。

 会場内に入ると、お客さんはほとんどが家族連れ遠足で来ている小学生くらいの子供たちばかりで、僕たちはただでさえ外国人と言うことで目立つのに、子供ばかりの劇場に大のおとな3人で観に来ていたのでむちゃくちゃ目立ちました。子供たちが不思議そうな顔でずっと僕たちを見ていました
 ここのサーカスは以前HPで紹介しました(6月号と11月号を見てください。)2つのサーカス劇場と比べると規模的に小さく、空中ブランコなどの派手な芸もないので多少見劣りはしますが、ラクダやカバやカラスの芸などといった他のサーカス劇場では見られない動物の芸がいくつもあり、これはこれで味があって面白かったです。
 また、ここの劇場のピエロが僕の一番のお気に入りです。まさにピエロになる為に生まれてきたような顔をしたおじさんが劇場内の空気を盛り上げていました。

最後に登場したのが猛獣のクマで、これにはいろんな意味で驚きました。あまりに人間のような仕草をするので僕ははじめこのクマはぬいぐるみで、中に人間が入っているのだろうなと思っていたら本物のクマでした。そして一番前の観客席からステージまではわずか1メートルほどしかなく、そのステージで猛獣のクマが首輪なしで芸を披露していました。後ろの席でよかったです(笑)。

 これでモスクワにあるサーカス劇場3つすべて制覇しました!
 今年は世界的に見ても温暖な気候のようですが、ここモスクワでも12月に入ったのにも関わらずこの時期にしては暖かい毎日が続いています。雪も降りはしますがすぐに溶けてしまい、未だ積もってはいません
 そして滅多に見ることが出来ない「」が外の景色一面にできていたので思わず外に出て写真を撮りました。あたり一面真っ白でとてもきれいでした。

この日はとても晴れており、日が当たると「」が輝き、よりいっそうきれいでした。

 来週あたりからぐっと寒くなってくると思いますので体調管理には十分気をつけようと思います。こちらで風邪を引いてしまうと治りにくいので・・・。
 僕はモスクワに来てから様々なロシア音楽を聞き、数多くのコンサートに足を運びましたが(9月号や10月号などを見て下さい。)その中でも一番オススメのロシアのグループがあります。それは、「КИНО」(キノー)です。「КИНО」(キノー)はロシアのロック音楽を語る上で欠かすことのできないグループです。 

 「
КИНО」(キノー)はボーカルでギタリストでの“
ビクトル・ツォイ”(1962年6月21日生まれ)をリーダーとして1981年に結成されました。“ビクトル・ツォイ”は在ソ朝鮮人で、アジア人の顔つきをしています。彼は他に俳優、画家の顔も持っています。КИНО」(キノー)は、ペレストロイカ期にロシアの若者の間で絶大な人気を得て、彼らの間でカリスマ的存在となりました。

しかし1990年の8月15日にリーダーの“ビクトル・ツォイ”が日本講演前交通事故で他界してしまいました。その時、彼はまだ28歳という若さでした

 彼が亡くなったことによりバンドは解散してしまい、「КИНО」(キノー)は伝説的バンドになりました。

 バンドが解散して10年以上経ったにも関わらず、現在でも
彼の顔がプリントされたTシャツを着ている若者たちを街でたくさん見かけます。それほどКИНО」(キノー)は今でもロシアの若者たちの間で絶大な人気があります。

モスクワにある旧アルバート通りを少し進み、路地を左に曲がると、「KИНOの壁というものがあります。この壁には亡くなった“ビクトル・ツォイ”へ向けてのファンからのメッセージが一面に書かれています。

 壁に書かれているメッセージを読んでみると、「私達はあなたを忘れない。」、「あなたは私たちの心の中にいつもまでいます。」などと書かれており、その中でもさすが偉大な詩人プーシキンを生んだ国だけあり、「神(ビクトル・ツォイ)は天に帰った。」、「日の出とともにあなたはあります。」のような詩的な言葉も見られました。
 また壁には“ビクトル・ツォイ”の写真が貼られており、壁の中央には彼の為にファンが花を捧げる場所があります。ですが、捧げられている花はバラの花1本のみであとはすべてタバコが捧げてありました。この際、タバコはすべて少し折り曲げて捧げられていました。
 捧げるのは花ではなく、タバコ、それも一本のバラの花のまわりにタバコを捧げるあたりがいかにも「КИНО」(キノー)のファンらしい光景でした。僕もこれに習い、「СОЮЗ」(ソユーズ)という結合、同盟を意味するロシア製の銘柄のタバコを、これまた同じように少し折り曲げて彼に捧げました。この際、タバコに僕の名前と今日の日付、そして出身国の「日本」とロシア語で書き込みました。

僕がこの壁を見ている間も多くの若者がこの壁の前にやってきては各々に彼に対して壁にメッセージを書いたり、記念写真を撮ったりしており常に人が絶えませんでした。中学生くらいの女の子2人組みはКИНО」(キノー)マフラーに、カバン、バッジを身に付け、かなり気合が入っていました。

 また、毎年6月21日の“ビクトル・ツォイ”の誕生日にはこの壁の前にファンの若者たちが集まって彼を追悼し、「КИНО」(キノー)の曲を演奏します。このことでも分かるように今でも「КИНО」(キノー)と“ビクトル・ツォイ”はロシアの若者の心の中に生き続けています

КИНО」(キノー)が解散して10年以上経つのですが、今年2枚組みのベストアルバムが2枚同時に発売されました。もちろん僕は買いました!

КИНО」(キノー)の曲はお世辞にもとても良いとは言えず、初めて曲を聴く人には単調なメロディーと低音の“ビクトル・ツォイ”の歌声とっつきにくいかもしれません。ですが、聴く者の心に訴えかける彼の歌声は曲を何回か聴いているうちに次第に伝わってきます。

 もしロシア人の知り合いが出来ましたらКИНО(キノー)知ってる?」と尋ねてみて下さい。必ず「おっ!!なんで知ってるの?? 」と驚かれます。この話題をする事によってロシア人との関係がより一層深くなると思いますよ!

9月号と11月号に載せていますロシアにおける「日本文化フェスティバル2003」と同様の催しとて「日本の心・日本音楽フェスティバル」と題した日本音楽のコンサートが行われました。以前HPで紹介しています9月号の「日本文化フェスティバル」は1日きりで、11月号の「日本映画フェスティバル」は5日間で終了したのですが「日本音楽フェスティバル」は9月7日から12月23日までの期間で定期的にコンサートが行われていました。僕は最終日である12月23日にコンサートへ行ってきました。入場料はなんと無料でした!

場所はチャイコフスキー国際音楽コンクールで有名な「コンセルヴァトーリヤ」でした。ここはモスクワ音楽院のコンサートホールであり、ロシア音楽の殿堂と言うべき場所です。ここのステージで演奏することは全ての音楽家たちの夢でもあり、また世界中からやって来た音楽家の卵たちがこの音楽院で学んでいます。僕の友達もここでオペラを学んでいます。

コンサートホールは大小2つホールがあるのですが、フェスティバルは小ホールの方で行われました。

日本音楽の紹介と言うことで、琴、三味線、尺八、和太鼓の演奏が行われました。僕はてっきり日本から演奏者がやって来て日本音楽を演奏するものかと思っていたら、日本音楽を学んでいるロシアの人達が演奏を行うと言うものでした。しかし演奏は日本人も顔負けの上手さでした。着物を着たロシア人女性たちが琴と三味線を上手に演奏し、ロシア人男性が演奏した尺八の腕はほんとに見事でした!和太鼓は女性が叩いていたのですが、とても力強くカッコよかったです。

演奏中、周りのお客さんを見回すと何人か目をつぶっている人がいたので退屈で寝ているのかなーと思っていたら、よく見てみると目を閉じ耳を澄ませて音楽に聞きいっていました。これには驚きました。ほんとに寝ている人もいましたが(笑)。

ここロシアで行われる「日本文化フェスティバル」へと足を運ぶたびに日本にはたくさん素晴らしい文化があるのを改めて感じさせられます。しかし、それに気づいていない日本人がたくさんいる(特に若者)なとも同時に感じます。留学する前まで僕もその一人でしたが外国に来てからというもの日本文化への興味が強くなりました

コンサートホールで偶然となりに座ったロシア人の男性は大学で日本語を専攻していたらしく多少日本語が話せたのですが、彼は日本語を学んでいる一番の理由は日本の文化が大好きだからだと言っていました。

僕が思うに外国の言語や文化を学ぶにおいて一番大切な事は、自分の国のことをしっかり理解しておくことなのだと思います。

 ロシア正教のクリスマスは1月7日なのですが、12月の方のクリスマスには全く何もしないというわけではなく、ちゃっかりデパードなどでは11月末からクリスマス商品を売り出し、クリスマスパーティーもイヴの24日には至る所で行われました。街の雰囲気はすでにクリスマスです。

モスクワでショートトラックのロシア選手権が行われたので行ってきました。ロシアの選手だけでなくアメリカ、イアリア、カナダなどの選手も出場していました。

 僕は初め間違って関係者用の入り口から入ってしまい、選手の控え室を通ってリンクサイドの関係者席で一緒に見ていました。入り口に警備員がいたので普通は止められるはずなのですが、その時僕はスポーツウェアのようなものを着ていたので警備員もてっきり僕を選手だと思ったのではないでしょうか?

 運良く(笑)関係者席で見ることが出来たのはとても面白く、初めて間近で見るショートトラックはとても迫力があって、やはりテレビで見るのとは全然違いました

30分くらいこの関係者席で見ていましたが、さすがにもう観客席の方に移動しようと思い、観客席の方へと行くとお客さんはなんとたった5人でした。それも一番多い時の人数で少しずつ減っていきました。僕も1時間ほどで帰りましたし。

 お客さんは少なかったのですが、テレビ局が来ており、選手やコーチのインタビューも行われていました。

12月も残りあとわずかなのですがここモスクワは思った以上に暖かいです。当初の僕の予想ではもうこの時期には雪が降り積もっており、気温もマイナス10度近く下がるものだと思っていました。ですが実際は雪はあまり降っておらず、積もっても次の日には溶けてしまいます。気温も日によってはとても寒い日もあるのですが、たいていマイナス1度か2度くらいでさほど寒くないです。これなら北海道と同じくらい、いや北海道の方が寒いかもしれません。やはり近年問題になっている地球温暖化が原因のようです。

ASIAZACCA
Copyright (C) 2001 ASIAZACCA. All Rights Reserved.(禁転用)