Review No.V-017

Ride on Wave
Manami Komori

インターチャネル
NECA-30138(インターチャネル)

マミ姉へ
 以下のレビュー文中で、 『Ride on Wave』 に収録されている曲の歌詞を
 数ヵ所引用させていただいております。
  『Ride on Wave』  を聴いて感じたことを表現するための必然性のある引用ですので、
 ご理解頂きますようお願いいたします。

小さな希望の風は、世紀を超えて!

  『Ride on Wave』 ・・・ このタイトルは、少なからずマミ姉のラジオリスナーに驚き・不安・違和感を与えたことでしょう。
  「波に乗る」 というのは、 時として (悪い意味で) 調子づく」「流される」 というニュアンスを含む ことがあるからです。 「マミ姉どうしちゃったの?」 というようなお便りが『ラジコミ』へもありました。そのときのやり取りの中でマミ姉は、 『Ride on Wave』「時代の波を乗り越える」 という意味であり、さらには 反語として 「流されないで」 という想いを込めた と答えていました。その答えを聞いて、私はいちおうは納得しました・・・が、やっぱり 『Ride on Wave』 だけで、そこまでの意味を汲み取るのは難しいですよ、マミ姉。
 ・・・というわけで、ラジオでのマミ姉の言葉を聞き逃してしまった人のために、マミ姉の想いをこのページに書き留めておきますね。


実は・・・

 久しぶりすぎるオリジナルアルバムのため、逆にあまり期待していなかったんです。なんだか、ここのところいろんな活動で忙しそうだったので、あまりパワーを込められないのでは?と勝手に推測していたもので。ところが、数合わせの曲がないことで、 『Ride on Wave』 が手抜きなしのアルバムであることがわかり、うれしく思うと同時に、ホッとしました。
 以上、私のホンネの独り言でした。


 それにしても、2曲目の 『Horizon』 の中に 「奇跡は待つんじゃない おこすもの」 という歌詞を見つけたときは驚きました。なぜって、 『こころが元気になる31のヒント+』 のレビューで、私自身の言葉として 「奇跡は待つものではなく、つかむもの」 と書いたことがあったからです。 もしかしたら、マミ姉が心に留めておいてくれたのかも・・・ というのは、私の都合のいい解釈でしょうか?
 さて、アルバムタイトル曲の 『Ride on Wave』 も元気の出る素晴らしい曲ですが、私としてはやはり 『アイノホシ 〜Love the Earth〜 ですね。マミ姉の曲で心が強く揺さぶられるような感覚を覚えたのは、 『YELLを君に!』 『I Love You』 以来です。 いくつもの悩みを抱えながら生きている 「人」「はいつくばって 生きるボクら」 と、ストレートに思い切り良く表しているところに感銘を受けました。
 「自然との共生」というと、環境問題とからめて世界的な取り組みを提唱したり、抽象的な小難しい言葉を持ち出したりして、必要以上に難しいものとして語られることが多いように思います。そうではなくて、 「大空をゆく はるかな鳥」 「大地にひらく 小さな花」 に思いを寄せることで、自然の中の一員として生きていることを再認識すること、そのこと自身がすでに 「自然との共生」の一つの解 ではないか と思うのです。

 この曲は、「自然との共生」の他にもいくつもの主題を含んだ、マミ姉の想いあふれる曲なんですが、私は 「音楽は解説するものじゃない」 と思っているので、これ以上は語りません。普通の言葉で綴られた 『アイノホシ〜Love the Earth〜』 を聴いて、みんな幸せになってください。
 歌詞の中からもう一つだけ言葉を引用させてもらって、 「いつか咲こう 必ず咲くよ」 ですよ。なにも大輪の花を咲かすことだけが人生における「成功」ではありません。 精一杯の努力で咲いた花はどんなに小さくても輝いています。 あきらめずに、みんな頑張って!



P.S  タイトルコピーとして書いた 「小さな希望の風」 とは、 「リスナーみんな」 のこと なんですよ。こんな先の見えない時代に希望があるとしたら、それは小さな、本当に小さなものかもしれませんが、一握りの優しさ、思いやりを確かに心に持っている「リスナー」一人一人だと思うのです。 さらに 「小さな希望の風」 マミ姉自身 をも指しています。マミ姉は、今も 私たちリスナーと同じ「普通の人」 でいてくれています。 マミ姉が運んでいる「希望の風」も、実は小さなもの。 それが大きく見えるのは、きっとたくさんのリスナーが後押ししているからなんでしょうね。

(2005/10/30)

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