Review No.V-006

ビー・ステーション
Be St ation


小森まなみ
ベストアルバム

KICS 747(キングレコード(スターチャイルドレーベル))

おなかいっぱい、胸いっぱい、小森まなみ!


今までありがとう・・・そして、これからもよろしく!

 大げさなようですが、 このベストアルバムは 小森まなみ (以下、マミ姉) の存在意義 と言っても過言ではありません。 この歌に込められたメッセージを伝えるために、マミ姉は生きてきた のです。そして、そのメッセージを受け止め、どれだけ多くの人が救われたことか! 人生をドロップアウトしてしまうか、もうちょっとだけ頑張ってみようか迷っているときに、ラジオから流れてきた耳慣れない声・・・歌も歌うというトークジョッキーのたった一言が、電波に乗って明日を見つめる勇気を運んできます。
 どちらかというと非科学的なことは信じない私ですが、マミ姉の魔法の声だけは信じたいと思います。かわいいだけじゃない、不思議な力を持ったマミ姉の声を一度耳にしてみてください。

 それでは、曲目紹介にいってみましょう。 『YELLを君に!』 は別枠で述べるとして、ここではその他の曲について。
 ベストアルバムということで、全16曲中13曲は今までの10枚のアルバムの中から、マミ姉が選んだ曲で構成されています。残り3曲がこのアルバムのために作られた新曲です。その中の 『あした元気になあれ』 1曲聴けば、マミ姉がどんな人かわかると思います。そう・・・そんな人なのです。こんな光輝く心を持った人がいるんですね。
 あと、必聴なのが 『魔法のシグナル』『I Love You』『魔法のシグナル』 では、普段のマミ姉からは想像もつかないような大人の女性の歌声が聴けます。念のため言っておきますが、マミ姉は声以外はちゃんとした(?)大人ですので、そのへんお間違えのないように。 『I Love You』 については、 『Presage』 のレビュー文のほうを見てください。

 本当に 「おなかいっぱい、胸いっぱい」 になりそうなベストアルバムですが、いちばん マミ姉らしいなと思ったのは 『大好き!』 『HERTZ -電波の天使たち-(New Version) の2曲が入っていること 。この2曲は、 ゲストヴォーカルになんと 「マミ姉のラジオ番組のリスナー大勢」 を起用 (?) しているのです。こういった前代未聞の「リスナー参加曲」を2曲もベストアルバムに入れるあたり、リスナーを大切にするマミ姉の気持ちがよく表れていると思います。そのうち1曲はラストを飾る曲 (本当の最後は新曲の 『ストローク〜青のむこう』 ですが、この曲は全体の「締めくくり」の意味合いが強いので、別格と考えていいでしょう) ですし。



YELLを君に!
    小森まなみ

傷ついた心に舞い下りた天使

Courage 〜クゥ・ラージュ〜
KICS 565(キングレコード((スターチャイルドレーベル))

元気をくれた「天使の歌声」、みんなに届け!

  未曾有の大災害となった阪神・淡路大震災。あれだけ衝撃的な事実を目の当たりにしたにもかかわらず、次第に震災の記憶は風化しつつあります。 そこで・・・
 今、私の手元には 『Courage 〜クゥ・ラージュ〜』 というタイトルのCDがあります。その中に 『YELL (エール) を君に!』 という曲が収録されています。この曲は、ラジオのパーソナリティ、歌手、声優他、多方面で活躍されている 「小森まなみ」 さんが震災後の神戸での体験をもとに、 被災者への応援歌 としてみずから作詩した曲です。
 湧き出づる泉の如く、自然にあふれてきた言葉で綴られた歌詞は、どんな名作詞家にも生み出せない力強さを持っています。悲しい出来事だからこそ、ノリのいい曲に乗せて精一杯のメッセージを伝えたい。そう思って作ったのではないでしょうか?

「グリシンあみの」私的記録

 僕が当時住んでいた東大阪市は 震度4 でした。被害はほとんどありませんでしたが、激しい振動で飛び起きたのを覚えています。 ほとんどの電車が止まってしまい、いつもと違う駅から3駅分歩いて出勤したこと。道路のアスファルトにヒビが走り、ガラスが散乱していたこと。コンビニの品物がほとんど売り切れてしまっていたこと。そして、 神戸の映像を目の当たりにしたときの衝撃 ・・・。電車で1時間あまりの街が、まるで空襲に遭ったかのように変わり果てていました。
 21世紀に震災の教訓を伝えていく意味でも、 『YELLを君に!』 をできるだけ多くの人に聴いてもらいたいです。

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