大原・金毘羅山 

 

三千院の庭園に石楠花が咲き誇り、

石塔が見事に調和している。

新緑の季節ならではリズム感。

                         

山 苔の絨毯の上では石灯籠も

こうした重厚な風情が似合う。

足元には丸石の童子がそこかしこに。

不思議な存在感。

 

住むとはこう言うことなのかもしれない。

真冬や真夏の現実が無ければ・・・

人為的刺激とは対極の世界。

 

 

 
 

石楠花の季節だから味わえる世界。

紅葉や雪景色も良いけれど・・・

 

 

寂光院の本堂は庭と共に良い香りを放っている。

建礼門院の趣向なのか、

はたまた後世人の思い入れなのか。

洗練された造作の美しさには

ため息が出てしまう。

 

翠黛山への道の途中では

大原の山里がはるか足もとに

新緑の額縁の中で

鮮やかに息づいている。

金毘羅山からの眺望はなかなかのもの。

はるか南に京都市街を臨み

左手の比叡山からの連なりも

彼方に一望のもと。

 

金毘羅宮も朽ちていたけれど

この江文寺跡石碑は

まさに諸行無常を語りかけている。

ただ周囲の風物には

何か厚みが感じられる。

 

 

 大原バス停を11:00過ぎに降りて三千院の庭を楽しんでから、とって返し寂光院の道をたどる。少し上手に左の尾根に取り付き口があるが、暫く登るとフェンスに遮られ、入口には「通ったら閉める事」と注意書きが留めてある。道は若干荒れているものの上り一本なので迷うことはなく40分ほどで、まったく眺望の無い翠黛山ピークを踏むことができた。焼杉山からの尾根筋に沿って南下しながら登る北側の斜面には石楠花が所々に満開で点在していてゴールデンウィークの北山らしい。金毘羅神社はかなり傷んでいて残念だけれども表敬参拝してさらに奥のピークを目指す。金毘羅山では南側に眺望が開け、彼方に京都市街が青くかすんでいる。新緑の中の素晴らしい景観を堪能して15:00に帰路につく。「江文峠から鞍馬」の道標に従ってしっかりした道をひたすら下ると琴平新宮社に到着。霧雨が降りかかる中をさらに下るとバス道との交差点が江文峠で、そこから左手に舗装道路の下り道を40分ほど歩くと「野村の岐れ」バス停で、今回の山旅は終了。16:00。