杏遊日記 

apricot MS540-5133-17B model:M3543-A1C0、 MT82778-0, serial No.496908

Sure Path BIOS Ver. 1.3(1981-1995)、IBM Corp,

Apricot5436 Bios Ver. 5.07 (17th  May 1996) 1985-1996 ApricotCorp.

Ver. 5.09 (12th Nov.1997)  upgraded : 2000/07/15

【購入時仕様】

○ 電源: AT-146W LiteOn Electronic PA-4151-9E

○ CPU:Pentium133MHz、P55C、 I/O:3.3V, Core:2.9V

○ M/B:Triton430HX ,  HDD-I/O :E-IDE(PCI)

○ メモリ(EDO): DRAM(72pin、32/36bit, 60ns) 16MB x4 = total 64MB

○ キャッシュメモリ: COASt1.4規格 パイプラインバーストSRAM 160pin、DIMM-256KB 

○ グラフィックボード: Cirrus Logic-GD5436

○ サウンドボード: オンボードSB16 (SoundBlaster)

○ MODEM: SUNTAC MS288DS-ISA 2.8KB

○ CDROM: SONY CDU77E、x4 

○ HDD: Quantum FB1700(IDE) 1.7GB (Master)  

【改良内容】

1.CPU:アクセラレータ(ACK6-2-400A:ユニテック電子) 400MHz

2.グラフィックボード増設:モデルCの例から可能と判断。カタログにはModel-C:GA-968V2/PCI (ACCELA64VGA/968V?) と記載されているが、MS540(5133-17BS)GD5436に対してはサーチの結果、決定版はHP-PS8でPCI:Revision2.0の制限がある。( I/OデータのGA-PII8/PCIもOK。)

3.HDD:3.2GBの増設。これは4.0GB以上はチップセットがサポートしていないとの事でQuantum FB-SE3.2G(IDE)、DBI-V3200(メルコ)あたりが対応。

4.MODEM:PCI、56KB-V90にアップ。

5.CDROM:現行4倍速から16倍速以上へ交換。(結局さらに交換し40倍速になった。)

6.セカンドキャッシュ:DV-SCA512K(I/Oデータ)PB-SRAM512KBへアップしたいが、出物なし。

7.サウンドカード:AWE64Gold(Creative)に増設(オンボードSB16切離し。)

8.SCSIカード: LHA-521UA(ロジテック)、AHA-1520B(アダプテック)等

9.OSはWindows98へのアップグレード。

10.電源ユニットをATX-300Wに交換。(変換ケーブルMA-079,アイネックス)

11.LANカード導入。INTEL82557 10/100BASE。

  

実施過程】

 

 Win95マシンの「初期標準機」である133MHzPCを、Win98用までにどの程度アップグレードすることができるのか非常に興味をそそられ、トライすることにした次第。

後から振り返ってみれば、グラフィックボードの切り替えが山場だったわけだが、PC組み立て経験も無く、試行錯誤の連続で、HPサーチとネット上のボランティア・アドバイサーからの情報がとても貴重だった。

 

 まず本機購入以来空いていたPCIボードの動作確認かたがた、MODEM交換をトライ。現行品はサン電子(株)製のISAボード(SUNTAK MS288DS)なのでボードは抜くだけ。最初から空いているPCIボードに新しいボードを装着した。 購入品はPARADISE WaveCom56K (CW56LU-PCI Lucent Technologies製モデムチップセット、Win95/98/NT4.0、56Kbps受信/31.2Kbps送信)で中古屋で衝動買いしたもの。東海理化電機(株)が扱っており、¥2980とちょっと高いが「永久保証」等とラベルが貼ってあり日本語の表記があるので,輸入版山積み品の¥1980よりは高品質と踏んだ次第。インタネット検索してみるとドライバ更新サポートしているので早速DL。

このボードはハーフサイズなので、電源に近いほうのPCIハーフスロットへ装着。再起動すると新しいPCIにデバイスがありますとか表示され、ドライバセットアップに入ってオリジナルドライバCDでとりあえず設定。再起動するもドライバ設定にはexeファイルが選定されている。ここで新しくダウンロードしたファイルを解凍、実行。手順的には最初にインストールした旧版をアップデートする形で再設定され、ドライバはdllファイルが選択された。

しかしCOM5なんかができていたりして、ちょっと妙。委細無視してとにかくModemデバイスの中のドライバだけは設定確認して、IE5.0接続トライ。プログラム/アクセサリ/ダイヤルアップネットワークから、新しい接続として登録。あとからCOM5なんかが出来ているのを消去したりCOM1も使用止めにしたり再開したりするうちに最適化されたようだ。

ついでにキャノンプリンタドライバが外れていたので、新しいプリンタ設定から更新した。たまたま購入した雑誌の付録CD最新版があり(disk7まである!)次々と要求に対して設定をいれて無事終了。  

 次にグラフィックボードをトライ。何となく秋葉原のジャンク屋に行ったところWHP-PS4があって、¥3980-、即購入。満を持して増設を敢行したが、第一回目は惨敗。まずWin95の上でグラフィックドライバを初期標準のものに置き換え、次にボード上のグラフィック切り替えジャンパ切り離し設定した後に、PCIボードを差込み、再起動して要求されるままにドライバー導入設定すれば良いはずなのだが、safeモードで立ち上がるものの再起動すると、win95からハングアップ、なにか文字が少し表示される。なんのことはない、Win98のドライバをいれていた。

もとのドライバに戻すのは、safeモードでコントパネルから、オリジナルCD中のユーティリティ部分をFDにコピーしたものを用いて、とりあえずもとのグラフィックレベルには戻った。

その後一日かけて、いろいろやってみたがハードをインストールしただけで拡張BIOSメモリの競合が数箇所生じて、削除してもだめ。PCIリビジョン2.0の設定で正しいはずが、認識せず、2.1でつながったが、やはりP&Pbios用システム拡張ボード用メモリエリアと競合してだめ。マニュアル設定をいろいろやっても、CRT全面緑色とかゼブラ模様とかが描画されるのみで、らちがあかず。基本に返って、グラフィックBIOSのアップデートから挑戦。  

 M/B-BIOSではないと言え、やはり、こわいので内容を見るとDOSコマンドで書かれてあり、チップチェックコマンドだけを走らせて見ると、ID認識も5436で問題無く、大丈夫そうなので走らせた。特に何事も無く5.07は5.09にアップデートされた。何が変わったのか良くわからないけれど、画像描画で隅のぎざぎざが滑らかになっているような感じもする。気のせいかも。グラフィックボード切り替えによるP&P-bios拡張メモリの競合はどうも納得がいかない。このWHPはPS8で実績があるわけだから、なにかアプリコット側での問題のはず。P&Pbios用システム拡張ボードが3つもできているのが気に入らない。P&P-biosドライバを見ると、bios.vxdとなっているが、PC内に存在しない。

とりあえず,関係ないがDirectXを拾ってきてバージョンアップ。ベンチマークで見るとメモリ運用が改善された様子。 

 気分を変えて、HDDの増設とCDROMのアップグレードを先行。

探し求めていたQuantum 3.2GBのものは、SEではなくFB3200AT-IDEがあったので、とりあえず購入。¥4980也。スレーブ設定にしてベイに装着。BIOSで無事認識したので、Fdiskでdrive2として順次コマンドに従って区分け。何回か後戻りして確認したりして設定。途中でCDROM.のドライブをF:として間を空けて、HDD-D:,E:が作成された。右クリックからフォーマットで難なく終了、Scandiskも問題なし。

続いて、CDROM.の差し替え。Sony CDU511F(ATAPI,x16) ¥2780-。スロットインとどちらかちょっと迷ったが、クリーニングディスクが挿入しやすいのでトレイタイプ。 入手品はジャンパがスレーブ設定になっていたのをマスターにして、これもすんなり設定された。ヘッドクリーニングを済ませて、オーディオCD、アプリCDをそれぞれチェック。 ドライバ状況はインタネットで検索確認。

 

 次にサウンドボード、AWE64(ISA)の挿入。もとのModemカードが装着されていたISAスロットにセットする。ドライバはダウンロードして解凍したが、かなり小さいのでなんとなく安心。競合解消を狙って、あらかじめP&Pbios用システム拡張ボード2つを削除して、かつBIOSでもいくつかのIRQやメモリエリアをdisableにした上で装着し、SWオン。当然、BIOSでPCIエラー発生。再度enableに設定しなおしてsave。ドライバ設定はあらかじめHDD上に展開しておいたフォルダーを指定して実行、OK。うまく競合なしに設定された。恐る恐る外部スピーカに接続してCDをかけると無事サウンドが流れ出た。気をよくして添付のCDからサウンドソフトのインストールを行ったがこれがトラブルの元凶。音はまったく消え、恐ろしいことにメモリ不足を連発するようになりハングアップ。 システムモニターで見ても実質メモリのゆとりはかなりあるのに、アプリを同時に二つ開けない。なお悪いことに終了時にハングってしまい、終了できないつらさ。

原因は設定ファイルにあると見て、sysファイルやiniファイルをコピー保存しておいた原ファイルのものに戻す。

sysytem.iniを戻したところ、無事に元の正常状態に戻った。しかしCDROM.が認識されない。 これはconfig.sysをCDROM.記述のある昔のものに戻したら解決。CDROM.を差し替えるとWin95がiniファイルを初期化してしまうらしい。

 

IRQ:            

03:通信ポート(COM4)

04:通信ポート(COM1)

05:-           

06:FDD        

07:プリンタポート   

08:システムCMOS   

09:Modem      

10:CreativeAWE64  

11:Creative Labs IDE コントローラ

 もろもろのドライバ設定、PCI設定等について、Win95よりWin98のほうが改良されているらしいので、ここに至ってついにWin98へのアップグレードを決意。もろもろのデバイスドライバーは片っ端からWin98用をダウンロードして備える。それからやにわに HDDのマスターとスレーブを入れ替えて、ついでにケーブルをスマートケーブルに取り替えて設定FDDを起動。はじめはHDDがすべて認識されず。ケーブルを元のフラットケーブルに戻したらbiosを抜けてOK。接触不良か。ところがCDROMが認識されない。今度はこっちをスマートケーブルに取り替えて、何回かクリックし、HDDとCDROM.のDMAにチェックを入れたらOKになった。あとFDD再起動でG:\が認識されたので「setup」入力。ものの見事に動き出した。途中でadaptecではないとか、サードパーティのなんとか等のメッセージが出たが、継続してインストールしてくれた。延延と40分近くインストールが行われた。

modemのドライバはDLアップグレード版の実行の途中でオリジナルCDを要求してきた。

AWE64のほうはアプリケーションソフトのインストールで最適化されたりした様子。しかし決定版はIRQ=5をdisable設定することだった。IE5.01の設定はメール関係の登録値(popとか)が忘れられやすいので要注意。

BIOS設定が記憶されないのはM/Bの電池切れと思い、新品と入れ替えたがだめだった。三菱SCに問い合わせるも、「M/B交換ですね、¥6−7万かかります」、とつれない回答。PCを起動するごとにBIOSへ入って設定するのも味があるか等と、負け惜しみ。

Creative-IDEコントローラは不要との事で、この環境では使用しないというボックスにチェックを入れて赤X印にした。ついでにCom2も切断。

さていよいよ、Win98環境の元で再度グラフィックボードの切り替えをトライ。 

ネット上での下記のアドバイスも力強い支えとなった。

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 こんばんは、橋元庵敦 さん

 オンボードのGD5436は無効にしてWHP-PSを取りつけているのでしょうか、(オンボード上に無効にするピンがあります。)しているとしたらセーフモードで立ち上げてデバイスマネージャで、ディスプレイアダプターのところがWHP-PSのみになっているか確認してみてください。WHP-PSの使用しているIRQ11は、ステアリングされていませんよね?それと、オンボードのSB16はデバイスマネージャから削除してくださいリソースの無駄づかいになりますから。

 

結果は見事に成功、祝!、WHP-PS4稼動。多謝!。

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 HDDケーブルをCDROM.のスマートケーブルをはずして付け替え、CDROM.には「すだれケーブル」

装着。問題無く作動。ただし毎回BIOSへ入ってF1セットアップスタートは当然変わらず。

出張の帰り、いつものジャンク屋へ寄ってみると、AWE64Goldがバルクで1枚あった。思い切って購入し、AWE64を抜いて、AWE64Goldに差し替えて立ち上げると、Vjoyd.vxdとか言うドライバを求めてwin98のdiskを要求してきた。ところがCDROM.が効かなくなっていたことを失念していて使えない。スキップで抜けたがWevファイルが鳴らない。AWE64Goldドライバを再インストールして立ち上げると、IRQ=5がリザーブされ、メモリエリアも3箇所ほどdisableされている。再起動させると、不思議なことにBios再設定なしでWin開始サウンドが再現した。ついでにCDROM.も40倍速のものに取り替え、CDも問題無く鳴る。あとはWevだけ。ところがFDDが使えなくなっている。アクセスするとランプがつきっぱなしでリズミカルな作動が無い。(あとで関連サイトの記事を読むと、AWE64Gで同様事例有り。)

コントパネルのハードウェアの追加を始動。要求されるまま、Win98やらAWE64ドライバdiskを入れる。しかし、Wevだけ鳴らないのは、個別ドライバの不足かも知れぬとシステム設定を見ていくと、Creative16/32のドライバがIRQ=5となっていたため、そこのドライバを再インストールしたところ無事、鳴り出した。

FDDを交換してみようと思い、ためしに立ち上げて空のFDDにアクセスをかけた所、ガチャガチャと鳴った後、FDを入れたらちゃんと読み取り書き取りができるようになっていた。FDDの物理的故障ではなくAWEインストールによる一時的誤動作。これですべての懸案が解決して、とりあえず終了。しかしなぜ修復されたのだろう。

 HDDはスレーブの1.7GBのセクター異常で,立ち上げるごとにスキャンディスクモードに入るようになったので、3.2GBをもうひとつ購入して、交換した。BIOSで認識されたことを確認してから、Fdiskで認識させて,領域設定し、Win98上からフォーマットコマンドで整備。  

 いよいよ最後の大物。CPUの乗せ換えを敢行。I/Oボード,通称「ゲタ」を探すオプションもあったが、もういい加減くたびれたのでネット上で既製品を探して、軟弱ながらユニテック電子のアクセラレータに決定。電源ライン拡張コネクタ結線もなじんでいるし、放熱フィンとCPUの取り外しも、説明書どおりさしたることなく済んで、差し替えも機械的に終了。すべて配線をつなぎなおしてスイッチオン。当然のように何事も無くスタートした。メディアプレイヤでのmp3ファイル再生にノイズがやたら入るようになったほかは問題なし。体感速度はさして速いとは感じられないが、ベンチマークを採ると3倍くらいは早くなっている様子。取敢えず、これにて一件落着。その間にもメモリの増設は128MBまでは拡張した。

 

 時は流れて、2004年7月9日。W2Kマシン2号機「侍の偶然」の電源ユニットを交換して、余ってきたATX電源ユニットがATマザボードにも変換ケーブルを使って使用可能なことは調査済み。思いついてツクモへ行ってみると一つだけ棚に目的のケーブルが残っている。秋葉原の鉄則「迷った時は買う!」に従って購入。サウンドカードもメモリーもあったのだが、こちらにはお金と気力の総和が臨界点に達せず。帰って「杏」のケースを開け、各パーツへの電源ケーブルをはずし、定法どおり電源ユニットの交換。マザボードへの接続とメインスイッチの付けかえにちょっと神経を使ったが、電子系ではないので、ケーブルの抜き差し作業とねじ回しだけの作業。メインスイッチは前面パネルを外さないとダメなので、初めてオープン。吸気ファンのフィルター部分に綿埃がフェルト状に分厚く堆積している。こうした大掃除はPCが順調に動いている時はなかなか出来ないもの。あちこち掃除して、内部配線が増えてしまったなどと一人ゴチつつ、完了してスイッチONするも、画面が出ない。ボードやら、コネクタやらをいじって、ふとメモリボードを押さえたらザスッとCRTに通電し、見覚えのあるW98画面が描画されて、無事落着。取り外した146w-AT電源の中を見てみると、実にスカスカでこれでは良質のパワーは供給出来まいと感じた次第。

 

 それに続いて今回はLANカードの導入。ジャンク屋の山積みから拾い出したIntel82557 10/100Baseボードを、一つだけ残っているPCIスロットに挿入。ドライバーはIntelサイトからダウンロードしつつもWin98常備ドライバーにも期待。考えてみたら、こうした得体の知れないカードは、まず装着してOSに機種認識させて、表示された型番名からWebサーチしてドライバーを落とすというワークフローが効率よいと言うことになる。再起動して、OS上でダイアルアップの情報をすべてLAN接続環境に引き移したところ、緑のアクセスインジケータがしっかり点滅し、なじみのサイトが画面に現れた。こうした瞬間の快感のみがドライビングフォースになっているのも少し淋しい気もするが、壊れていたSlaveのHDDも、同じスペックのジャンク品に入れ替えて、FDISKしてこちらも無事に再稼動。トータル6.4GBのウサギ小屋なので、LAN経由でのWin98やIEのアップデートは快適な速度で進行するのだが、メモリサイズを気にしながらのビクビク・ワーク。OSもOffice2000も軽快にバージョンアップが終了した。

 

我がApricotMS540