東洋医学とは

「東洋医学」とは、アジアを中心に東洋独自に発達した医学です。 日本では、古代中国で発達した医学が6世紀ごろに伝わり、のちに「漢方」とよばれ、長き伝統により受け継がれてきました。今日の日本では、鍼灸・漢方などの中国系の医療をおもに「東洋医学」とよびます。

鍼灸治療の特色

鍼灸治療とは、東洋医学の診察により、経穴(ツボ)を選穴し、鍼や灸で刺激を与えることで、 鎮痛作用、自律神経や内分泌ホルモンの調整作用、筋緊張緩和作用、免疫力強化作用、抗炎症作用などを促し、 病気を治す治療です。
人間本来もっている自然治癒力(治そうとする力)を向上させる治療となりますので、 副作用がなく、身体にやさしい治療といえます。鍼灸治療は、肩凝り、腰痛までの運動器系の疾患だけでなく、 さまざまな疾患に効果があります。今日では、ストレス社会による自律神経の乱れや不妊治療による効果、 西洋医学の治療に対しての補完医療としての効果なども認められており、鍼灸治療は注目をあびています。

鍼灸治療は安全、安心です

鍼治療に用いる鍼は、髪の毛一本ほどの太さで、施術時に痛みを感じません。 さらにディスポ鍼(使い捨て鍼)を使用しており、使い終わった鍼は必ず処分しますので、 感染などは絶対に起こりませんのでご安心下さい。
灸治療は、米粒ほどのモグサを用いたお灸や、直接皮膚に据えず、あまり温度の上がらない 温灸などを使用しています。そのため、やけどや灸跡が残ることはほとんどありませんのでご安心ください。

治療後の養生法は?

鍼灸治療をした後は、身体が大変リラックスした状態となっています。 その状態を維持し、治療効果をあげるためには、過激な運動はもちろんのこと、 直後の入浴や食事もできるだけひかえ、ゆっくりと休養をとることをおすすめします。
治療の後2時間程度はお食事も入浴もお控え下さい。

子供に鍼治療は大丈夫ですか?

大丈夫です。小児の場合、基本的には刺さない鍼を使います。 接触鍼といい、皮膚に触れるだけの鍼です。 夜泣き、かんむし、夜尿症などの小児の病気には小児鍼が最適です。 痛みはまったくないので、注射を恐れる子どもでも、安心して治療を受けられます。

妊婦に鍼治療は大丈夫ですか?

大丈夫です。刺す鍼をお腹にすることはありません。 接触鍼を上腹部(みぞおちあたり)にするか、手・足・背中などに刺す鍼をします。
妊婦は心身ともに不安定な状態になっておりますので、副作用がなく、身体の状態を整える 鍼治療はおすすめです。

鍼灸治療は何に効きますか?

鍼灸治療は多くの症状や病気に効果があります。
近年、NIH(米国国立衛生研究所)の見解として、鍼灸治療の病気に対する効果と科学的根拠、西洋医学の代替治療としての効果についての有効性を発表しました。
WHO(世界保健機構)では、次に掲げる疾患に対して鍼灸治療の有効性を認めています(鍼灸適応症)

[運動器疾患]
腰痛・五十肩・関節炎・リウマチ・筋違え・こむら返り・打撲・捻挫・スポーツ障害
[神経系疾患]
神経痛・神経麻痺・脳卒中後遺症・自律神経失調症
[消化器疾患]
胃腸炎(胃炎、消化不良、胃下垂、胃酸過多、下痢、便秘)・肝炎・肝機能障害・潰瘍・痔
[代謝内分泌系疾患]
バセドウ氏病・糖尿病・痛風・脚気
[循環器疾患]
動悸・息切れ・貧血・むくみ・高血圧症・低血圧症
[呼吸器疾患]
風邪・気管支炎・気管支喘息
[耳鼻咽喉器疾患]
耳鳴・難聴・メニエル氏病・中耳炎・鼻炎・蓄膿症・へんとう炎
[眼科疾患]
眠精疲労(疲れ目、かすみ目)・近視・結膜炎
[泌尿器疾患]
膀胱炎・尿道炎・尿閉・腎炎・前立腺肥大・性機能障害
[婦人科疾患]
生理痛・月経不順・冷え性・更年期障害・不妊・逆子・出産後の体力低下
[小児科疾患]
小児神経症(夜泣き、かんむし、夜驚、消化不良、食欲不振、不眠)・小児喘息・アトピー性皮膚炎・夜尿症・虚弱体質の改善