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Calcのデモンストレーション

本節では、いくつかの典型的な問題をCalcで解いて見せます。 説明よりも、デモンストレーションに重点を置きますが、 ここに出てくる例の全てはチュートリアルでより詳しくカバーされます。

最初に、必要なら Emacs を起動し(ふつうはmule2コマンドで起動します)、 M-# c(または ESC # c)と打って Calc を起動します。 (うまくいかなかったら(Calc の起動 参照 )。)

特に大文字と小文字に注意して、正確に入力してください。 RET, TAB, DEL, SPC はそれぞれ、 リターンキー、タブキー、デリートキー、スペースキーを示します。

逆ポーランド方式の計算

逆ポーランド方式では数(複数もあり)を先に入力し、 その数(複数もあり)に対する演算命令を後から入力します。

2 RET 3 + Q と入力すると、 2+3 の平方根(2.2360679775) を計算することになります。

P 2 ^と入力すると、 πの2乗, 9.86960440109 です。

TABを打つと、これら2つの結果の順序が交換されます。

- I H Sと打つと、引き算して差の逆ハイパボリック・サインを計算します。 答は 2.72996136574 となります。

DELを打つと、この結果を消去します。

代数的演算

伝統的な代数的表現を入力して計算することも可能です。 代数式を入力するには、アポストロフィ・キーを使います。

' sqrt(2+3) RETと入力すると、2+3 の平方根を計算します。

' pi^2 RETと打って πの2乗 を入力します。 この記号化された式を数値に評価するには、=を打ちます。

' arcsinh($ - $$) RETと打って、最後の結果から2番目の結果を減算し、 さらに逆ハイパボリック・サインを計算します。

キーパッド・モード

もしX windowシステムをお使いなら、 M-# kでキーパッド・モードに移行します。 (X windowシステムでなければ本節はとばしてください。)

マウスの左ボタンを使って、 順に、2, ENTER, 3, +, SQRT とクリックしてください。

PI, 2, y^x とクリックしてください。

上の2つの結果を入れ替えるために、 INV, ENTER とクリックしてください。

-, INV, HYP, SIN とクリックしてください。

<- をクリックして結果を消去し、 そして OFF をクリックしてキーパッドを終了します。

データをゲットする

訳注: バッファ中の複数のデータをまとめて再利用できる点は、 Calc の長所のひとつである。 このための超強力コマンド V MV R は 是非ものにしたい。リスト(並び)としてのベクトル(Vectors as Lists) 参照 .

Calcから出る必要があれば、M-# xと打ちます。 まず、下の数値群をリージョンとして選択 (データリスト先頭部でcontrol-SPCまたはcontrol-@を打って "マーク"した後、ポイントをデータリスト終端部に移動)します。 (このデータリストは、M-# iでオンラインマニュアルに入っても 良いし、単にスクラッチバッファに下の数値群を打ち込んでも良い。) そしてM-# gと打って、この数値群をCalc内部に取り込みます。

1.23  1.97
1.6   2
1.19  1.08

レジスタ内に得られた`[1.23, 1.97, 1.6, 2, 1.19, 1.08]'は、 Calc"ベクトル"です。 V R +と打つと、この数値群の合計が計算されます。

Uを打つと、先のコマンドがアンドゥされます。 次にV R *と打つと、数値群の積が計算されます。

数値群を行列として取り込むこともできます。 カーソルを数値群左上の`1'の上に置いてマークし、 カーソルを右下の`8'直後まで移動させ、 そしてM-# rと打つのです。

v tと打つと、この 3×2 行列が 2×3 行列に入れ替わります。 v uで行単位に解かれ、2つのベクトルに分かれます。 さて、V R + TAB V R +とすれば、 サンプルデータの2列それぞれの小計が得られます。 (この目的には特別の grab-and-sum-columns コマンド, M-# :もあります。)

単位系変換

単位は代数的入力方式で入力します。 43 miles-per-hour という物理量を入力するには、' 43 mi/hr RETとします。 u c km/hr RETと打ってみてください。 u c m/s RETと打ってみてください。

日付の計算

t N と打つと、今日の日付と時刻が取り込まれます。 90 + と打つと、今日から90日後がいつか判ります。 ' <25 dec 87> RET と、日付を入力し、 - 7 / でそれから何週間経ったか判ります。

代数学

代数的入力方式は、変数を使った式や方程式をも扱うことができます。 ' [x + y = a, x y = 1] RET と打つと、 3つの変数を使った1組の連立方程式が入力されます。 (この例の最初のアポストロフに注意。また、`x y' は間にスペースが必要。) a S x,y RET と打つと、 この方程式群を変数x,yについて解きます。

d Bと打つと、解がもっと読みやすい表記になります。 d C と打つと、C言語式の表記になり、 d TでTeX組版用の表現になります。 d Nで通常の表記に戻ります。

7.5と打って、次にs l a RETとすると 連立方程式にa = 7.5が代入されます。 (小文字のlです。数字の1ではありません。)

どのコマンドでも、オンラインマニュアルで説明を読むことができます。 (次に説明するコマンド群でオンラインマニュアル参照部分に飛んだ後、 ここに戻るには小文字 l を打ってから M-# c と打ってください。) h k t N と打てば、t N コマンドについて参照できます。 h f sqrt RETsqrt 関数について、 h s では Calc のサマリーを参照できます。

DEL を何回か押すことによって、 スタック上に残留した結果を消去する事ができます。 Calc から退出するには、q を押すか最初の M-# c を再度押します。


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