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数値接頭引数(Numeric Prefix Arguments)

Calc コマンドの多くは数値接頭引数が使えます。 d s (calc-sci-notation) のようないくつかのコマンドは あるパラメーターを接頭引数の値に設定しますが、 接頭引数が無ければデフォルトに設定します。 (d f (calc-fix-notation) のような)その他のコマンドは、 接頭引数が無ければ引数を要求し入力を促します。

原則として、 スタック操作コマンド群は数値接頭引数をスタック参照のポインタとして解釈します。 正の引数はスタック top の n 個の項に作用し、 負の引数は n 番目の項単独に作用します。 そしてゼロの引数はスタック全体に作用します。

(算術関数や科学関数のような)演算を行うコマンド群の多くでは、 その演算を数値接頭引数によって多くのスタック項にわたり作用させることができます。 単項演算(絶対値や複素共役のような 1変数関数のこと)においては、 正の引数はその関数をスタック top の n 個の項に同時に作用させ、 負の引数は n 番目の項のみに作用させます。 二項演算(足し算や最大公約数, リスト連結のような 2変数関数)においては、 正の引数はその関数をスタックの n 個の項に「まとめ作用」させ (例えば、C-u 5 + はスタック top の5つの項を合計します; Reducing and Mapping Vectors 参照 )、 負の引数はスタック初項を第一引数とし、 続く n 個の項を第二引数としてマッピングします (例えば、7 c-u -5 + は スタックの 5つの項にそれぞれ 7 を加えます。)。 この性質は数値接頭引数を他の目的に使用する演算には使えません。 (訳注: 例外があるということ。ややこしいが強力。)

数値接頭引数は Emacs でいつもやる方法で与えます。 META-数字キーを(2桁以上なら)連続して押すか、 ESC に続いて数字キーを押すか、 C-u に続いて数字キーを押すかします。 いくつかのコマンドは単独の(数字キーを伴わない) C-u を特別に扱います。

~ (calc-num-prefix) をタイプすると、 スタック top から整数を pop して 次のコマンドの数値接頭引数として設定することができます。 例えば、C-u 16 p は計算精度を16桁に設定しますが、 (ばかばかしい例ですが) 2 RET 4 ^ ~ p でも同じことができます。 つまり、2を4乗してその値に計算精度を設定しています。

反対に、数値接頭引数を入力してから ~ を押すと、 それが整数型式でスタックに push されます。


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