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★ 第7日目7/15(木) ダマスカス市内観光→ドーハ乗換→関西国際空港へ ★


午前6時起床、午前7時過ぎから朝食、今日はシリア・ヨルダン旅行の最終日、午前中ダマスカス市内観光後、午後はもうダマスカスを離れ乗継のドーハ空港行きだ。

シリアの首都ダマスカスは、旧約聖書が書かれた時代から約4000年続く、現在にいたるまで存在する最古の都市、世界一古くから人が住み続けている都市として知られ、旧約聖書に登場する通りの名前が今もそのまま残っているほどだ。現在はシリアの首都として、200万人を有する大都市に成長した。高層ビルや住宅街が続く都会の中に、巨大なスークと世界最古といわれるモスクが建つ旧市街が共存しており、今もなお悠久の歴史を刻み続けている。そしてダマスカス旧市街は世界遺産に登録されている。

午前8時45分バスにて近くの国立博物館の見学へ。シリアのユーフラテス川流域では世界で始めて農業が生まれ、アルファベットの原形を生み、宗教や建築技術など、ヨーロッパはもちろん世界中に有形無形の影響を与えてきた。それゆえ国中いたるところに遺跡が残り、この国立博物館にはシリア国内の遺跡から発掘された数々の歴史的に価値の高い貴重な出土品が展示されている。ただ博物館の中は撮影禁止で一枚も写真がないのが残念だ。

国立博物館見学後もう一度バスに乗り、ダマスカス旧市街を囲む城壁の近くで降りる。近くにはエルサレムを奪回した、あの有名なアラブの英雄サラディーンの騎馬像があった。ここから歩いてスーク(市場)・ハミディーエの中を通り最後にローマ時代の凱旋門をくぐると、ウマイヤド・モスクの西門は目の前にある。


国立博物館

国立博物館の前庭に置かれた遺跡の出土品の数々

アラブの英雄サラディーンの騎馬像

スーク(市場)・ハミディーエを通って

スーク・ハミディーエの出口はローマ時代の凱旋門

スーク・ハミディーエの突き当りがウマイヤドモスク西門

ウマイヤド・モスクは715年、ウマイヤ朝時代に建てられた現存する世界最古のモスク。メッカ、メディナ、エルサレムに次ぐイスラム教第4の聖地とされており、各国からの巡礼者が絶えない。
最初はジュピター宮殿、ビザンチン時代にヨハネの教会になり、705年モスクになった。モスクの中に洗礼者ヨハネの首が収められた霊廟があり、中庭には宝物殿がある。

モスクに入るには女性は皆、管理事務所でフードのついた無料貸出しのネズミ色のマントを着なくてはいけない。まるでネズミ女のような格好をして見学だ。最初は、十字軍に占領されていたエルサレムを奪い返したあのアラブの英雄、サラディーンのお墓があるサラディーン霊廟の見学。

そしてモスクへ、中庭には大理石が敷き詰められ靴を脱いで靴下のまま歩くが大理石のひんやりとした感触が気持ちいい。中に入ると、モスク全部に絨毯が敷き詰められ、130mもの長さの2列に並ぶコリント様式の円柱が目に飛び込んでくる。

洗礼者ヨハネの霊廟やメッカの方向を表すミフラーブがあり、窓にはステンドグラスなどもあって教会の雰囲気も残っている。中はイスラムの荘厳で厳粛な雰囲気かと思えば、ワイワイガヤガヤとやかましく、携帯電話で話に夢中の人もいたり、絨毯の上に座り込んだり寝転がったりと人々が思い思いの格好でくつろいでおりリラックスムードに満ちている。もちろん礼拝のときはもっと荘厳で厳粛な空気に包まれるのであろうとは思うが。


ウマイヤドモスク北側にあるサラデーン霊廟

アラブの英雄サラディーンの棺

大理石が敷き詰められたウマイヤドモスクの中庭

ウマイヤドモスク中庭・泉亭・ここで礼拝前に身を清めた


ウマイヤドモスク正面の見事な壁画・コーランに楽園と記されたダマスカスの様子が金のモザイクで描かれている


ウマイヤドモスク内部・中央のガラス張りの部屋は洗礼者ヨハネの霊廟


モスクの中でアラブのどこかの部族長と記念撮影

現地の親子らと記念撮影
ウマイヤド・モスクを見学後、スークの中にある美味しいと評判のアイスクリーム・ショップでアイスクリームを食べる。この店中々繁盛して混雑していたから人気があるのだろうが、私には特別美味しいとも思わなかったが。
この後、スークを抜け少し歩くと“Street called straight(まっすぐな道)”に出た。
新約聖書の“パウロの改心”に登場する有名な道が、東西1500mにわたってまっすぐ延びている。

エルサレムでキリスト教徒を迫害していたユダヤ人のサウロ(後の使徒パウロ)が、イエス・キリストの弟子を捕らえるためダマスカスに来た際落雷で失明した。天(イエス)からの「まっすぐな道に行け」という声に従ったところ、弟子のアナニアに出会い、彼がサウロに手を置くと、サウロの目からうろこ(鱗)の様なものが落ち、目が見えるようになった。この奇跡によってサウロは改心してキリスト教徒となり、パウロと改名した。パウロは迫害される立場となったが熱心に布教活動をし、伝道者として苦難の生涯を送ったという。
目からうろこ(鱗)が落ちる”この言葉の語源が聖書からだったとは正に目からうろこが落ちる思いだ。
多分日本や中国の故事から来た言葉と思い込んでいた。この言葉の語源を知っただけでも今回の旅行の意義は大きいとはチト大げさか?。

現在の“まっすぐな道”普通に車が走っている

“まっすぐな道”にあるローマ記念門

昼食後、ダマスカス空港へ、世界最古の都市の立派な空港かと思っていたら小さな貧弱な空港でトイレの数も少なく設備も古く壊れかけていたりと余り満足の出来るものではなかった。
ただこの空港のお土産店で買ったアーモンドをデーツで包んだアーモンドミルクチョコレートはなかなか美味しかった。デーツはナツメヤシの実で、中東では古くから“神の与えた食物”“エデンの園の果実”とも言われ鉄分、亜鉛、カリウム、食物繊維、ポリフェノールを多く含んでいる。本場ダマスカスのデーツは本当に美味しい。
ダマスカス空港16.40発のカタール航空でドーハへ19.15着約2時間半の飛行時間だ。ドーハ国際空港では約6時間の乗継時間を過ごしたが、外は暑いのに空港内はメチャメチャ冷房が効いていて震えているような状況だった。正確には翌日の7月16日午前1時10分発の関西国際空港行QR802に乗込む。


★ 第8日目7/16(金)  → 関西国際空港へ ★


約9時間40分の飛行時間後、日本時間の午後4時50ごろ無事関西国際空港に着陸。

                                 〜  The End  〜




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