第七話

 武男が運転するレジアスに、戦ったメンバー全員が乗っていた。国道8号線を
京都方面へと走るレジアスの車内一応に暗い。何故ならあの車は有る意味、被
害者でも有ったからだ。一人の若者の無謀な運転が引き起こした事故が引きが
ねとなり、自分の妻を殺された男の余りにも強い怒り、憎しみ、憎悪が集まって、
あの車の妖怪を生んだのだから・・・
無論、だからと言って無差別に違反者を襲って良いと言う理由は無い。解っては
いるのだが、やはり釈然としない。
 「これで本当に良かったのかよ・・・」
リンが呟く様に言う。
 「仕方が無かったのさ。あのままほっておけば被害が広がって最終的には、我
々のような存在が明るみ出るかもしれない。それがどんな結果を生むかは解る
だろ?」
 シンシアがさとすように言う。ハクそれを聞いて応える
 「身勝手ですね・・・我々も・・・」
(身勝手か・・・)リンは思う。無理な割り込み、追い越し、そう言った行為が事故
を生む。少し余裕を持って運転すれば事故は防げる。バイクを運転してるときつ
くづくそう思う。リンは武男に訪ねる。
 「あのー武男さん。バイクの教習を受けてるとき、教習所の人が日本では年
間、一万人前後が、交通事故で亡くなっていると聞きましたけど本当ですか?」
 「悲しいがそのとうりだよ。」
 「そうですか・・・」
妖怪は、人の想いから生まれる。その存在を強く信じれば、それは生を受ける。
そして、妖怪は人々がその存在を忘れない限り何度でも蘇る・・・
 「年間、一万人前後の交通事故死亡者か・・・」
 全員が思った。又、あの車と再び戦う事が来るだろう。その時は・・・





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