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闘神都市のランス

 第01話 〜ケンカは酒場の華?〜
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 ランスとクミコが出会ってから数日後、目的地である闘神都市に向かう船上に二人はいた。船は河を登り昼前に着く予定である。

 途中、ランガシ村という所で休む事になった時、手付けを貰おうとしたランスに邪魔ばかりか腕試しだとばかりに闘神大会への参加を掛けて、その村の最強の戦士だと自称する戦闘大好きらしい戦士、カスタムという輩をしばき倒す等といった事もあったが、それも闘神都市に着くまでの些細な出来事の一つだ。

 クミコもこの数日、ランスと一緒にいてランスの腕前に信頼を募らせていた。その甲斐あってかクミコが闘神大会に出たい理由をランスに夕日を船べりで見ながら話した。

 その話によるとクミコの父は5年前の闘神大会に出場したまま帰って来ていない事。その時、病弱なクミコの母とまだ父恋しい時だった子供のクミコを残したままだった事。そのクミコの母も3ヶ月前についに病で倒れこの世の人で無くなった事。身寄りの無いクミコは家の財産を全てはたいて父を探しに闘神都市に向かう事にした事をランスに話した。

(ふふん。父親がいなければ身寄りが無いわけか・・・それに俺に人生を預けるといったからな。シィルに続く奴隷2号だな)

 クミコの話を聞いていたランスはしかし禄でもないことを考えていた。

「私の父は、人伝に聞いたところ闘神大会に参加した年に見事優勝して将軍になっていたんです。でも、闘神の館に入った後の父の行方は誰に聞いても分かりませんでした・・・」

 クミコは悲しそうな顔で河の流れを見詰めた。

「(そそられる横顔だぜ。何だかんだでここまで我慢したんだもう少し我慢しよう)ふーん、成る程。だから行方を探るためにも闘神にならなくちゃいけないわけだ。その闘神の館ってのは闘神や将軍そしてそれを世話する召使達しか出入りできないからって事だな」

 もう、辛抱できんななんて思いながらもランスは話に合いの手を入れた。

「そうです。ただ身内だけでは闘神の館には入れないんです。全ての手がかりは闘神の館にあるんです。ですから是が非でも闘神となれる戦士の人のパートナーになるしかなかったんです。私はどうしても父にあいたい・・・そして母と私を捨てた父に文句の一つでも言ってやりたいのです」

 少し涙ぐんでクミコは言った。

(たかが、それだけの理由で闘神大会に出るのか・・俺様にはよく理解できんな。まあ、そのお陰でこのかわい子ちゃんを俺様のものに出来るんだからいいか)

 クミコ、ランスの様々な思いを乗せ船は一路、闘神都市へと向かっていった。

 翌朝、無事に船は闘神都市に無事到着した。闘神都市は年に一度のイベント、闘神大会の開催が間近に迫った事もあり異様な賑わいを見せていた。

 所々に各地から腕に自身のある強者が訪れ、さらに富豪達は大会の観戦とそれの賭け事の為に集まってきていた。この異様な盛り上がりはそういった様々な人々の思惑が交じり合って出来たものであった。

「ついに闘神都市に到着したわ」

 クミコはこれ程の大都市に訪れたのは始めてなのか期待に満ちた明るい笑顔で言った。

「そうだな」

 ランスにとっては様々な冒険をしてこれぐらいの都市には何度と無く訪れたりしていたのでそれ程、驚く事も無かった。それよりもここがどういった場所に位置しているのかという情報を欲していた。

「ランスさん、賑やかな街ですね!」

 クミコはランスに笑いかけた。

「まあ、そうかもな」

 ランスとしてはこれよりも規模のでかい都市を知っていたので生返事した。

「??」

 クミコはランスの態度が分からずキョトンとした。

「ランスさん、疲れていませんか?そこの酒場で休みましょう」

 通りを歩いていた時に目に付いた近くの酒場を指さしながらクミコは言った。

「そうだな。少し旅の疲れをいやそうか(ついでに俺様のハイパー兵器もな・・くっ、くっ、くっ)」

 ランス達は酒場の中に入っていった。中に入るとそこには見るからに荒くれ共が多数たむろしており、酒とタバコのにおいが充満していた。

「あそこに座りましょう」

 クミコはそんな雰囲気に気にした風も無く酒場を見渡し、空いてそうな席を見つけると言った。これまでの数日間にランスが機会があれば酒場に連れて行ったので慣れてしまっていた。そこに向かおうとしたクミコの手をむさ苦しい男が握るとにやりといやらしい笑いを浮かべた。

「ぐわははははは、めんこいねぇちゃんだのぅ。そんな優男の相手なんかせず俺の女になりな」

 そう言って手に取っていたクミコを自分の方に引き寄せようとするむさ苦しい男。

「いやっ!はなしてっ!!」

 むさ苦しい男から逃れようとクミコは必死に抵抗した。

「威勢が良くてかわいいのぅ。ますます気に入ったぞ!」

 ますます調子に乗ってむさ苦しい男はクミコを引き寄せようとした。そんな男をランスが許すはずも無かった。

「おいっ、このブ男!!その子は俺様のだ。汚いてで触んなっ!」

 クミコは抵抗するのに夢中で聞いていなかったがランスはさりげなくクミコは自分の所有物である事を主張していた。

「なっ、なにぃぃぃぃぃぃぃ・・・!この俺を今大会優勝候補のド」

バキャ!

 ランスはむさ苦しい男が大きな態度で言おうとしていたのが鬱陶しくなり蹴りを入れた。

「ぐ、ぐぞっ!ぎざま、俺がドギ様と」

バキャ!ゲシッ!ゲシッ!

「うるせぇ!このブ男が何時までもその不快な声を俺様に聞かすんじゃねえ。いい加減にしないと打ち殺すぞ?」

 ランスは再び何かを喋ろうとしたブ男を黙らせるために蹴りを入れ、踏みつけた。

「クミコ大丈夫だったか?」

「ええ、ランスさん」

 握られた所が赤くなっていたのかさすりながらクミコは答えた。

「大体、お前が優勝候補だなんて嘘だろ?弱っちいのに粋がるんじゃねぇよ。俺様に吹っかける前に身の程を知れ!」

ゲシッ!ゲシッ!ゲシッ!グシャッ!

「ぎゃぁーーーーー!」

 ランスはそう言ってむさ苦しい男をぼこぼこにしてクミコに手を出そうとした罰と言わんばかりに最後に股間を踏みつけた。むさ苦しい男は断末魔の声をあげうめき転げまわった。

「俺様は不快だ。クミコ、ここを出るぞ?」

 ランスはさも不快だと宣言した。

「は、はい」

 クミコはランスの所業にびっくりしたがそれが初めてというわけでもないのでランスについていく。ランスはクミコが着いて来るのを確認すると入り口に向かった。その時ふと歩を止めた。

「残念ながらあんたの出番はなかったぞ?」

 ランスはそう言って魔法使いに多く見られるローブを着たものに声を掛けた。

「そのようですね。心配するまでもなかったようです。それにしても素晴らしい動きでした」

 魔法使いはそう言ってランスの動きを賛辞した。

「褒めても何も出んぞ?」

 どうって事で褒められても嬉しくないとランスは眉を顰めた。

「いえいえ、貴方ほどの戦士にはお目にかかった事がありませんから。私はラグナスター。あなたは?」

 ラグナスターと名乗った魔法使いはマイペースで言った。

「男に名乗る趣味はないんだが・・・ランスだ」

 そう言ってランスは酒場を出ようとした。

「ランスさんですか。縁がありましたらまた会いましょう」

 出ようとするランスの背後より声が掛けられた。ランスは何も答えずにその場を後にした。

「ランスさん!どうしたんですか」

 クミコが心配そうにランスに話しかけた。

「ああ、あのラグナスターというやつは多分、大会出場者なんだろうなと思ってな」

「そうなんですか?」

「ああ、あのむさ苦しい男なんぞよりよっぽどの強敵だ」

「・・・ランスさんそろそろ闘神大会の出場申請をした方がいいと思うんです。コロシアムに行きませんか?」

「さっきので余計に疲れたから嫌だ」

「でも、早く出場申請しないと・・・」

「ちぇ、面倒くさいが行ってやるか」

 仕方ないといった調子でランスは言った。

「はい、お願いします」

 ランスの言葉にクミコはニッコリと笑った。だがランスは受付のあるコロシアムに向かう途中、ある場所を目にするとクミコの手を引いてそこに向かった。

「ちょ、一寸、ランスさん?方向が違うんですけど・・コロシアムは左の道ですよ」

「・・・(何事も先ずは我慢していたお楽しみをしてからだ。さっきは不快な思いをしたからな、気分直しには一番だ!さあ、宿屋で楽しい事をするぞ、でへへ)」

 ランスは無言で内心ではクミコにあんな事やこんな事を想像しつつクミコをぐいぐいと引っ張った。そんなランスの様子にクミコは戸惑うばかりであった。

「あのぅ、ランスさん?」

 クミコは怪訝な表情でランスに尋ねた。

「俺様は先程、大変不快な思いをした。その気分転換も兼ねてエッチだ。Hをする」

 ランスは至極大真面目な表情で答えた。

「へつ・・あのぅ・・Hって??」

 クミコは余りのランスのストレートな物言いに問うた。

「知らないのか?SEXの事だ、SEX」

 ふと、足を止めランスはクミコに振り向いて言った。

「誰となされるんですか??」

 クミコはまさかと思いながらも聞いた。聞かざる終えなかった。

「ここまで来て分からんか?お前だ、クミコ、お前意外にいないじゃないか。腰が抜けるまでかわいがってやるから楽しみにしていろ」

 ニヤリとランスは笑った。

「えっ!えぇーーーー」

 ランスはびっくりしているクミコをお姫様抱っこをするとすばやく宿屋に連れ込んだ。それは見事というほどの手際の良さだった。

「きゃっ!」

 クミコがランスの発言に動転している間の出来事でありクミコが少し落ち着いたときには宿屋のベッドに放り投げられかわいい悲鳴をあげた。

「・・・ああ・・・そんな・・」

 状況を理解したクミコはベッドの上で震え始めた。特に急に態度を変えた(別にランスが変えているわけではなく偶然手をつけるのがここまで伸びただけである。船では個室でもなかったしランスは人前でするような露出狂でもなかったので)ランスに戸惑いも覚えていた。

「どうしたんだ?もしかして初めてなのか??もしそうなら大丈夫だ。俺様はうまいから安心していいぞ?」

 ランスに取りクミコを抱くのはもう当然の権利であると思っていたので何を今更見たいに言った。

「そ、そういう問題じゃありません。私がいつ、その・・ランスさんと・・そのぅ・・えっと・・だから・・するなんて言いました??」

 クミコは何とかこの危機から脱しようとランスに問うた。

「何を言うか、それでは約束が違うぞ?」

 ランスはその反応を予想していたので切り返した。

「や、約束??」

「そうだ、確か闘神大会に出て欲しいと言った時に君は自分で出来る事は何でもするといったぞ。忘れたなんて言わせないぞ」

 ニヤリとランスは笑い言った。

「あっ・・・」

 クミコもようやく合点がいった。

「そうだ、思い出したようだな。命を掛けて君の為に闘神大会に出る俺様に君は何をしてくれるのかなぁ?明日は対戦相手に・・いやモンスター相手に殺されてしまうかもしれないかわいそうな俺様・・・そんな俺にクミコちゃんは何をしてくれるのかなぁ・・・かなぁ・・」

 モンスター等にやられるつもりなんてさらさら無いくせにランスはのたまった。

「わ・・わかりました」

 クミコは覚悟を決めた。もともとランスに対してはこの数日で仄かな好意を持っていたこともそれを即した。

「(でへへ、思惑通りだな・・・まさにかもねぎ。ラッキー!!)では、さっそくいただきます」

 ランスはベッドの上にいるクミコを押し倒すと服を脱がしにかかった。

「わ、私・・初めてなんです」

「・・態度で分かっている・・」

     *
     *
     *

「ひ、ひどい・・・あんまりだわ」

 クミコはランスの仕打ちにそう言った。

「痛かったか?」

「ひりひりしています」

 クミコは頬を膨らませ言った。

「じゃ、今度はもっとやさしくしてやる」

 ランスはニヤリと笑っていった。

「そう言う意味じゃありません」

「まあ、初めてのときは誰でもそうなんだ。続けていれば気持ちよくなる。これは実証済みだから安心しろ」

実証済みってどういうことですか?という言葉をクミコは飲み込んでランスを軽く睨んだ。よくよくクミコは考えるとランスのことを殆どといっていいほど知らないことに気がついた。肌まで重ねたというのに。

 何も言わず睨みつけるクミコがかわいいとランスは思った。

「さて、気分も(下半身も)すっきりした所で大会の申請にいこうか」

 ランスはそう言ってまだ睨みつけているクミコを引き寄せて唇を奪うと言った。

「・・・・」

 そんなランスの行為にクミコは真っ赤になって突いていけずフリーズしてしまった。

「行くぞ?クミコ」

 ランスは再度、問いかける。

「えっ・・あっ・・はい」

 クミコは問いかけに何とか反応した。

「そんなに思い出さなくてもまだまだこれからなんだからな」

「えっ?」

「ふふ、楽しみにしてろってことだ」

「なにがですか?」

「今わから無くてもその内分かるさ、行こうか?」

 そう言ってランスとクミコは連れ立って宿をでてコロシアムに向かうのであった。


 <続く>


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(後書き)

 えーまあ、元が18禁ゲームですからねえそれなりの展開があるわけで。とりあえず、ヒロイン・クミコ早々にランスに食べられるでした。
 ちなみに闘神都市本編ではカスタム君がむさ苦しい男にケンカを売ってぼこぼこにやられちゃったりします。丁度、逆ですね。ランスでしたらそのままサクっと殺っちまいそうですが、一応街中という事でそこまではしませんでした。だいたい一回戦の相手だし。
 大体がランスとカスタムを比べても初期状態が全然違いすぎるんですよね。
 ランスはやっぱり強いです。
 むむ、題名と内容があまりあってないような気がするが気にしにで置こう。

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