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闘神都市のランス

 プロローグ 〜闘神都市への誘い〜
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強者の為の闘神大会

年一度の闘神大会に様々な勇者が集い戦いを繰り広げる
『闘神大会ルール』
闘神大会は闘神都市で毎年行われている戦士同士のトーナメント形式の大会である

【闘神大会の出場資格】
  1:ある程度の戦闘力のある戦士
  2:美しい女性がパートナーがいること
   (本人が女性の場合はパートナーを兼ねることも可)
  3:大会期間中の滞在費を自己負担できること

【一試合勝つことの褒賞】
  1:相手のパートナーを一晩自由にできる権利
  2:賞金1000Gold
  3:体力増強剤と気力増強剤を各一つづつ

【優勝した時の褒賞】
  1:将軍の地位がもらえる
  2:闘神の館でパートナーと共に生涯何不自由なく暮らせる
  3:GoldCardを貰える
  4:賞金10000Gold
  5:各種アイテム

【試合のルール】
  ・闘神大会の試合は一対一の対決
  ・武器は個人で携帯できる範囲で可能
  ・勝敗は相手が死ぬか降伏した時に決定する


−以上−




都市に人々が集う・・・ 闘神大会が始まったのだ
皆、様々な冒険を潜り抜けた強者達
彼等はその大会に優勝し「将軍」という地位を目指す
美しいパートナーと共に・・・
限界を超えた戦いが今始まろうとしている・・・


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「やれやれ、結局ここはどこなんだ?」

 緑色の甲冑を身に着けた戦士・・・ランスはあるダンジョンを一人で冒険していた途中に罠であるテレポーターに引っかかりどことも知れぬ場所に飛ばされてしまっていた。それから二日ほどかけて探索を行いやっと秘境とでも言うべき飛ばされた場所から脱出したのであった。調子に乗ってシィルを置いて探索したのは拙かったと後悔も一頻りだが後の祭りである。

 何時までもくよくよするのも性にあうはずも無いのでとっとと気分を切り替え帰ることのできるテレポーターが無いか調査もしたのだが結局、発見できなかった為、人里ある場所で情報を収集するという結論に達していた。

 そうして先程の台詞はランスは目の前に広がる草原を見てつぶやいた次第である。

「まあ、少なくとも見覚えの無い風景からすると結構、遠くに飛ばされたか」

 魔人領ではなさそうなのでそれなりに一息つけるだろうとランスは草原を進んだ。

「ん?」

 ランスが草原を進んでいると街道を発見した。それと共に街道の一方のほうから何か騒がしい音が聞こえてきた。そちらの方を見ると馬車がグリーンハニーの群れに追い立てられ襲われているのが見えた。

「馬車が襲われているのか。まあ、面倒くさいがハニーは嫌いだし町まで乗せてもらう足もできるし、助けたお礼も貰える一石三丁だな。ひい、ふう、みい・・大体12匹ぐらいか、楽勝だな」

 そう言ってランスはグリーンハニーに襲われている馬車の方向に向かった。ハニー種の中では最弱の部類に入るグリーンハニーとはいえ数も多く回避不可能とまで言われるハニーフラッシュを使用することにできるので標準的な戦士からすれば強敵である。それが12体もいながら楽勝と嘯くランス。その自信の源はどこからのものであるのか。

     *
     *
     *

 ランスの足元にはグリーンハニーが6匹転がっていた。残りはランスの強さに怯えたのか追い散らされ逃げていた。

 楽勝と言うだけあってランスにとってグリーンハニーは物の数ではなかった。

「ハニーの癖にこの俺様に歯向かおうと言うのが間違いなのだ。がははははっ!」

 ランスが高笑いをして勝利の余韻に浸っていると背後にあった馬車の方から気配を感じた。殺気は感じないが警戒の為、剣を構えながら振り返った。

 気配のあった方向に振り返ってみれば馬車から誰かが出てこようとしていた。体つきから若い女であるのがわかった。ランスの目がキラリと光った。

「助けて下さったのは、あなたですか?」

 そう言って馬車から出てきたのはピンクの髪にカチューシャに似たアクセサリをした可憐と表現していい美を持った少女であった。身に着けている装身具からしてどこか良い所の嬢ちゃんであることが分かる。

(くっくっくっ、どこぞに飛ばされてついていないと思ったがどうやらそんな事は無かったようだな。なかなかGOODだ。お礼もかねてたっぷりといただこう)

 お礼が何なのかはランスを知るものならば誰でも思いつき、少女にしてみればランスに助けられた方がより災難ではなかったかと思えるようなことをランスは思考した。

「助けていただいてありがとうございます。私はクミコといいます。助けていただいたばかりですのにお願いがあるのですが・・・」

 クミコと名乗った女の子は申し訳無さそうに申し出た。

「(これはかもねぎかもな、くっ、くっ、くっ)・・話だけは聞こうか」

 ランスは内心では小躍りしながらも平静な顔で受け答えをした。ランスは黙って真面目にしていれば美形なのである。そんな様子のランスに見詰められクミコは頬を染めて俯いた。

「あの、戦士様、お願いです。あなたの腕を見込んで私と一緒に闘神大会に出てください!」

 クミコは決心した表情でランスに請うた。

「闘神大会・・?何だ?それは?」

 唐突なお願いにランスは眉を顰めた。それに耳慣れない闘神大会というのも分からなかった。名前からすると以前にリーザスという国で成り行きで参加する事になったトーナメントのようなものである事が推測できた。

「闘神大会というのは戦士の中の戦士、”闘神”を決める年に一度のものなんです。そして・・・」

 クミコは闘神大会について掻い摘んで説明した。

「ほーう(やっぱりそうか。でも、ああいう大会って面倒くさい奴ばっかりなんだよな・・・)なぜ、出る必要があるんだ?」

 ランスとしてはトーナメントのようなものは非常に面倒で乗り気がしなかったがかといってこのままお礼をいただいて分かれた後、どうするかという問題もあって話をもう少し聞いてみる気になって質問した。

「理由は、今は話せません。大会に出場する為の全ての用意はこちらでさせて頂きます。もちろん、私で出来る限りの事なら何でもお礼をさせて頂きます」

 クミコは真剣な表情で手を胸の前で組み合わせて懇願した。

「(くっ、くっ、くっ、出来る限りは何でもか)わははははは、俺様に任せておきたまえ。もう、何も心配する事は無いぞっ!!」

 ランスは言質をとった瞬間、高笑いと共にクミコの願いを聞き届け請け負った。

「あ、ありがとうございますっ!!不束者ですがよろしくお願いします。貴方に私の人生を預けます」

 クミコは物凄く嬉しかったのか少し涙ぐんでいた。だが、知らないのだっ!クミコが願いを請うた人物がいかなるものかを。はっきりいって悪魔と契約するよりも酷いかもしれない。直ぐにもその涙は別のものになるのはランスという人物を知る者がいれば明白であった。

 不幸な少女クミコ・・・彼女はとんでもない男に声を掛けた事がこれからどんな運命をもたらすのかは誰も知らない・・・。何せ、この男に限ってはクミコが言った文字通りのものを頂こうとするのだから。


 <続く>


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(後書き)

 み、短いっ!! まあ、出だしだからいいよね。第1話も同時アップだし。

 HP3000HIT記念SSというにはちと遅いですが事で闘神都市HINT・DISKを題材としたものを書いてみました。
闘神都市HINT・DISKには闘神都市の主人公が鬼畜戦士ランスだったらというものがあったんですね。
本来の闘神都市の主人公カスタム君であればヒロインのクミコは最後の方で結ばれますがランスですからね・・いきなり犯られちゃってます。ランスですからやりたい放題やっちゃうでしょう。

HINT・DISKでは途中まででしたがこのSSでは最後まで?やるかどうかは謎です。とりあえず目標はHINT・DISKの内容まででしょうか。
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