「楽しく仕事が出来ているかい?」 | |
1.部下を伸ばす上司と部下を駄目にする上司 最後に 企業や組織において、部下や新人の教育はまさに「生もの」を扱う場合と同じであるので、ある意味で教えられる側には「賞味期限」のようなものがある。すなわち、基本的な技術や技能を習得する期間、実務のための業務や基本的な技術を習得する期間、そして自らが蓄積した知識や技術を活用して考えて創造していくなど、期間限定の段階的な重要なアクションが沢山ある。そして、その時々の段階で得られた経験や自信を「糧」として次々と自分自身を高めていくのである。 長い期間における「教育と育成」のノウハウは教育者自身のやり方と考え方に従って次の世代に応用していくものであろう。仮に教育のやり方は変わらなくても、その基本的なやり方に対しては個性を大きく出しても良いのである。 企業や研究所の将来の技術力は必ずしも最新鋭の装置や設備だけでは発揮できない。これらの装置や設備を効率よく稼働させて実際の業務や研究開発に活用するのはあくまでも人間である。画期的な研究開発に活用するための創造力は決して人間なしには出てこない。たとえ近い将来にAI技術がどんなに進歩しても人間の自由な想像力が必須となる。したがって、研究開発の革新に対しては、技術者の質を向上させなくては何の意味も持たない。装置や設備の更新は新しい創意のための単なるきっかけにすぎないのである。 だから、我々は何時でも何処でも、技術者である者は今までに蓄積した技術力を整理して磨き直し、そして新しい技術力を着実に貪欲に獲得していくことが求められる。 本書がこのための手引きの1つになれば幸いである。
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