水路のある集落 竹野町轟地区

 4月に この水路のある景色を描いた。絵の場所はそのちょうどその反対で南向きになる。今回は4月に描いた時に座った橋の,もう片方の端に腰掛けてスケッチした。あれから3ヶ月近くの時が過ぎている。すっかり季節は移って,もう梅雨の終わりの頃だ。今の時期は紫陽花がきれいでたくさん色をつけている。左に見える紫陽花は赤紫で,緑の中にあってひときわ鮮やかだった。
 水路の水はこの先の山から流れてきていている。暑かったこの日は,透明で静かに流れる水が涼しそうな感じをボクに与えてくれた。

 スケッチしていたら,「スケッチご苦労さん。駄賃,駄賃。」と言って,よく知っている地区の人がもぎたてのキュウリを3本,ホイとボクにくれた。「ありがとうございます」とボクは受け取って自転車のかごに入れた。

 夕食で,そのキュウリを乱切りにして,紅塩をふりかけて食べた。紅塩は硫黄のにおいのするミネラル豊富な岩塩だが,太陽の日差しをたっぷり浴びた不揃いな3本の路地物のキュウリは,紅塩のその強烈な個性に負けていなかった。妻と二人で「やっぱり美味しいね」と言いながら食べた。

2008,7,15


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