「こころ」は遺伝子でどこまで決まるのか">「こころ」は遺伝子でどこまできまるのか NHK出版新書 342 宮川剛 NHK出版 ISBN:9784140883426 ASIN:4140883421 

パーソナルゲノム時代の脳科学

「こころ」とは 「こころ」は遺伝子でどこまできまるのか p22


一卵性双生児の遺伝率 「こころ」は遺伝子でどこまできまるのか p39



 内容

知能と遺伝の関係 「こころ」は遺伝子でどこまできまるのか p40-41

知能と遺伝の関係
関係同居 / 別居知能テストの相関
(実測値)
一卵性双生児同居0.85
一卵性双生児別居0.74
二卵性双生児同居0.59
きょうだい同居0.46
きょうだい別居0.24
親子同居0.24
親子別居0.24
義理の親子同居0.2


別居しているきょうだい、別居している親子の相関性は0.24と、それほど高くなく、同居している義理の親子の相関とあまり変わらないのです。
これは「氏も育ちも」関係があるということがわかるデータと言えるでしょう

 内容

パーソナルゲノム(遺伝子解析)サービスを受ける前に 「こころ」は遺伝子でどこまできまるのか p152


rs53576 「こころ」は遺伝子でどこまできまるのか p173-176

オキシトシンの受容体の遺伝子の1つであるrs53576が、「どれくらい人に共感するか」と関連することがカリフォルニア大学バークレー校心理学科のグループによって報告されました。
この研究によると、GGタイプの人は、AAまたはAGのタイプの人に比べて、「共感テスト」の成績が高いというのです。

さらに米国国立精神衛生研究所(NIMH)の研究グループによって、rs53576がGGのタイプの人は、AAタイプの人より社会的報酬への依存性が高い、ということが報告されました。
「社会的報酬の依存性」の得点が高い人というのは、他の人に認められたり誉められたりことへの依存度が高いという意味で、この種の人は社交性が高く、社会的承認を求める気持ちも強い。また、他の人からの意見に耳を傾けて自分の行動や態度を変えたりする傾向が強い。

さらにこの研究グループが脳内の活動について調べた所、rs53576がGGのタイプの人はAAタイプの人に比べ、他の人の顔の表情を見た時に、扁桃体がより活発に活動するという事もわかりました。

ちなみに、このテストでは、「社会的報酬の依存性」について、男女の性差の影響のほうがrs53576スニップの影響よりも大きいことがわかりました。

 rs53576



もくじに戻る