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そば包丁(そば切り包丁)

 そば包丁は本格的なものになると1キログラム前後の重量があって、普通の家庭ではほとんど馴染みがない形状の包丁である。種類も多く初心者用からプロ用まであって、寸法が刃渡りで24センチ(8寸)・27センチ(9寸)・30センチ(尺)・33センチ(尺1)などが一般的である。
素人の段階では27センチ〜30センチ、重さでは700g〜1kg程度が使いやすいが上級の域に達してくると33センチを使う人も少なくない。
肝心なのは自分のそばを打つ力量でもある打つそばの量と、自分にあった使いやすさ(体力 性別 年令・・などもあるし)と適度な重量感、使い勝手を大切にして選びたいのであるが、なかなかそれがむつかしい。
なお、包丁の持つ握り部分にも種類があることを知ったうえで自分の包丁を選ぶようにしたい。柄付き、柄なし、ひも巻き、反り柄など種類も多い。
 
 

上左二つは27cm 右二つは30cmで一つは左利き用 
下は柄に自分で紐を蒔いた33cmと30cm

そば打ち初心者用 そば打ちを初めた人がまず最初に買う道具で、しかも、少し経験を積むと後悔することになる可能性の高い道具の代表は「小さすぎて使い勝手の悪い木鉢(捏ね鉢)」と「そば包丁」である。

 始めたばかりなのに道具だけを早々と買うのはお奨めできない。すこしそば打ちに慣れるまでは、参加しているそば打ち教室や同好会の道具を使わして貰いながらそば打ち包丁に多少は慣れて特性などを理解してからのほうがいいと思う。(アドバイスや相談に乗ってくれるそば打ちをよく心得た先輩がいる場合は別であるが)
とくに、そば切り包丁と菜切り包丁の中間のような包丁や24センチの短く小形の包丁もあって一見手頃で使いやすそうでもあるが、いろんな意味で使い勝手が悪くお薦めできない。
どうしてもこの段階で専用のそば切り包丁を買うのであれば、値段的にもさほど違わないのでむしろ27センチ(九寸)あたりが初級用と考えて検討したらよいと思う。27センチだと1万円前後から探すことが出来るし、使い慣れればかなりの量(1000g:10人前程度)のそば打ちにも使えるから女性にも人気がある。
ただ、もうすこしそば打ちに深入りする可能性のある場合にはその度合いによって30センチや33センチを買っておく方が結果的に良かったということになるのかも知れない。

そば打ち中級の段階
 包丁の材質・種類や形、それらに伴う値段も幅が広く格差も大きい。自分の技量とそば打ちの目標にあった包丁を、大きさ、重さ、値段なども含めて背伸びをせずに品定めをすればいいと思う。30センチの包丁は種類も多くうまく探せば満足のいく包丁に巡り会える。
価格的には、例えば二万円前後とか、三万円までとかいろいろだが、高いから良いということではないと思う。(通常は片刃。)
両刃、左用(左利き用)もあるが特に左用は高い。右用片刃の約倍ほどの値段設定になっているようであるが根気よく探せば案外掘り出し物にも出会える。

 材質からみると、鋼鉄製(鋼の鍛造)はずっしりとして風格があり、ステンレス、モリブデン製は比較的軽く価格的にも割安で手入れが簡単など、案外種類が多く選別の幅もあるのでじっくり包丁選びをするようにしたい。 
なお、包丁購入の際に店の人に話せば、氏名とか同好会名などを包丁に彫ってくれる場合があるので確かめることをお奨めする。

 そば打ちを趣味として長く続けることが前提で、良きアドバイザーがいて親身に相談に乗ってくれるなら、初めから30センチ(または33センチ)のサイズにこだわってみるのもひとつの方法であろう。
素人のなかでも上級者になると長さ33センチ、重さ1キログラムくらいを使う人も多い。一度に多くの量を打つプロの場合は36センチの長いのを使っている場合も珍しくない。柄に白鮫の皮を巻いたものが極上とされると聞いたことがある。

【諸先輩の知恵拝借】
「付属品として」 切ったそばがこびりついた刃先をきれいにしようとして、気が付かずに刃先に触れただけで指先を切るケースがある。
これを防ぐための小道具として百円ショップなどの竹べら状の小物を常備すると便利である。
愛用していると手になじんでくるし道具としての風格も出てくる。
 例:もんじゃ焼きの竹べら(テコ)・竹製アイススプーン・竹製バターナイフなど。