子守唄墓守虫 第三章 フンコロガシ
楠さんの仇を取り逃がした自分のふがいなさに我慢できず、僕は千林に期末考査の成績勝負を挑む。
葺合と住之江もまきこんで、数学の特訓教室を始めた。
追試で好成績をあげた頃から、葺合は僕を友達と認めてくれたらしい。
お互いの間だけで通じる名前を求められ、僕は葺合を「キア」と、葺合は僕を「ラス」と呼ぶことになった。
成績対決は僕の思惑を越えて同級生達の関心を引き寄せた。
調子にのった常盤がTOTOを開催するにいたって、金もうけにつられた高井田たちが僕に八百長を強要してきた。
キアが転校してくる以前、僕は長居を恐喝からかばったことで集団リンチにあった。恥辱を口外されない代償に「グループ」に逆らわないことを約束してしまっていたのだった。
僕は今回の脅迫をはねのけた代償に、キアの前でみっともない過去を告白するはめになる。
身も心も疲労困憊しながら、僕はキアや御影、大宮らの助けを借りてなんとか期末考査に臨み、学年トップの成績をあげて千林に圧勝する。
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