子守唄墓守虫 第二章 ヒラタクワガタ
小学時代に暴力事件を起こしたと噂される葺合。
年下の女の子にはとても優しい葺合。
放課後、青池で黙々と空き缶拾いをする葺合。
弁当を持ってこず、昼休みに学校をぬけだして正味期限切れのサンドイッチをかじる葺合。
僕は毎朝、青池の祠に寄り道して果物やチーズをお供えした。
葺合に食べてもらうつもりだったが、実際には自称竜神様の神主・ホームレスの楠さんがお下がりを片づけていたことがわかる。
それでも楠さんの仲立ちのおかげで、僕は葺合と弁当のおかずを交換するところまでこぎつけた。
葺合は僕と住之江をヒラタクワガタの採集にさそってくれた。
僕が葺合と仲良くするのをやっかんだ千林が、教室で住之江に攻撃をしかける。住之江は葺合に守られたが、数日後にはゴルフ場で楠さんが襲撃される。楠さんは大けがをして救急搬送されてしまう。
僕と葺合は千林を追いつめながら、わずかな躊躇のせいで警察に引き渡し損なってしまう。
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