理数系に強い生徒を育てます

苦手は些細なきっかけで変わります

教科別アドバイス

 小・中学の学習(だけとは限りませんが)では読解力と記憶力が大事になります。 読解力は国語力ということになりますが、普段の生活で人と会話できるから読解力があると勘違いしていませんか。 小さい頃から絵本を読んだり、文章を書いた経験のある人とそうでない人との差は大きなものがあります。 特に、そのような習慣が身についていない人は、小・中学校での授業についていけません。
 私が中学校の教師だった頃、幼稚園・小学校・中学校の交流の授業参観があり、 私は小学1年生の授業を見学しました。担任は若い女の先生でしたが、数名の生徒が立ち歩いて落ち着かない授業でした。 その時の生徒が7年後、中学校に入学してきた時、久々の荒れた学年になりました。
 私たちが学生の頃は、詰め込み教育といわれ、その反省から暗記が悪いもののようにマスコミにも取り上げられ、 思考力重視、なんでもかんでも「考えましょう」という言葉が、授業で幅を利かせ始めました。
 新任教師として神戸市の中学校に赴任した当時の高校入試問題は思考力テストといわれるものでした。 複数の教科が合併したような問題でしたが、結局は各教科の知識がなくても、 一般常識があれば解答できるものばかりでした。生徒の学力低下は明らかで、数年後、思考力テストは廃止され 普通の学力テストに戻りました。
 思考力が悪いわけではありません。ただ、「考える」ことは誰でもできることで、 その「考える」レベルが問題なのです。そして、そのレベルを決定するのが読解力と記憶力(記憶量といった方がいいかも)なのです。  「覚えなくてもいいですよ」という甘い言葉にダマされないでください。 「〇語で英会話は大丈夫」とか「〇週間で身につく英語」などの誘い文句は、商売上の言葉です。鵜呑みにしないように。

数学(算数)

 数学は (定義)→(例題)→(練習問題)→(復習)→(応用問題)→(復習) と進めます。
数学の成績が悪い人のほとんどは、最初の定義を覚えていません。 理科のように自然があって、それを解明するのではなく、人間が知恵で一から作り上げたものです。 ですから、その約束(定義)を理解し覚えた上で活用しないと、何も始まりません。
 公式の多くは、その定義を利用しやすくまとめたものです。「公式なんか覚えなくてもよい」と、 これも甘い言葉で誘惑してきますが、このように言う人は数学の本質がわかっていません。
 答えが見つかればいいのなら、確かに公式など知らなくても、頭のいい人なら小学校の算数力で中学数学の半分くらいは解いてしまいます。 しかし、これでは数学の能力はつきません。いずれ、高校へ行き大学入試問題にぶつかったとき、思い知らされることになります。
 何年も浪人できる経済力のある家庭なら、予備校の教師が直してくれるでしょうが、現役で合格したいのなら、公式・定義を理解し正しく覚え、 それらを使いこなす数学力を身につけてください。

英語

 英語教育が小学校から開始になって以降、中学の教科書内容が格段に難しくなりました。 塾では中1で基本からやり直しますが、2年間の差は大きいと思ってください。
 英語力の確認は簡単です。
① アルファベットの大文字・小文字が正しく書けるかどうか。
② 覚えている単語数(指導要領では、小学生…700語、中学生…1800語)はいくつか。
③ 声を出して英文が読めているか。

理科

 理科は対象物がはっきりしていますので、それに興味があるかないかで成績は大きく変わります。 四つの分野(生物・科学・地学・物理)に大きく分かれますが、まずは一番興味のある分野を得意にしましょう。
 他の教科でもそうですが、今はインターネット上で、無料教材が転がっています。 安全なところでは「NHK for School」に行けば、たいてい一つや二つ興味を引くものが見つかるはずです。 何も興味がわかないという人は、私は親ではないので「では、毎日ぶらぶらと無駄な時間を過ごしなさい」と言うしかありません。