オゾン発生装置(オゾナイザー)


オゾンは分解する

 オゾンは室温でも不安定で、その半減期は乾燥空気中で12時間以上であるといわれている。このようなことから、オゾンボンベに充填されて市販されるようなものではなく、オゾンを利用する際は利用場所でその都度発生させなければならない。

オゾン発生装置の発明

 オゾンが酸素原子からなることが明らかになった後、1857年にドイツのSiemensによりオゾン発生装置(以下オゾナイザーと呼ぶ)が発明された。この装置は、絶縁物を挟んだ電極間に交流高電圧を印加して発生する無声放電中を、大気圧以上の乾燥空気または酸素を通過させることによりオゾンを生成する。これは製造原理などの点で現在のオゾナイザーとほぼ同じである。
 現在のところ純オゾンガス発生装置は市販されず、純酸素あるいは乾燥空気にオゾンを付加させる発生装置のみが高効率・高濃度発生器として利用されている。なお、極低温でのオゾンの飽和蒸気圧が酸素のそれよりも数桁低いため温度と圧力を調節し、オゾンのみを酸素との混合ガス中より液化し濃縮することは可能である。

オゾンは爆発する?

 温度および圧力の変化に対応して、液体オゾンが酸素に急激に分解、爆発の危険性があるため、高濃縮オゾンのハンドリングには細心の注意と特殊な装置が必要である。

 しかしながら、気体オゾン単体では燃焼する相手がないため爆発の危険はない。もっとも、わずかに有機物などがあれば急激な酸化反応が生じる恐れはある。その燃焼反応の伝播速度は水素などに比べて遅く、点火プラグを用いた実験でもなかなか着火しないと言う報告がある。

オゾン・エンジン?

 空気+ガソリンのエンジンの方が燃焼の伝播は早い。よって、エンジンの燃焼室にオゾンを吹き込み、反応熱を増大させ、ひいてはエンジン出力の向上を図る企ては現在の所思わしい成果を上げていない。


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