オゾンの物理、生化学


オゾンの原子結合

 オゾンは酸素原子3個結合してできた分子式 O3 であらわされる。分子の形は H2O や SO2 等と同型で、マイクロ波分光法から3個の酸素原子が頂角 116.49±0.3°、等しい辺の長さが 0.1278±0.0003nm の二等辺三角形を形成している。
 従って、オゾンの結合は単結合と二重結合の中間であると考えられ、その共鳴構造は4つの極限構造の混成状態と考えられる。この構造のうち二つは求核的、残りの二つは求電子的または1,3双極子として反応する。

オゾンの色

 常温で厚い層を成す場合には、やや青みを帯びた不安定な気体であるが、通常は無色に見える。沸点は 161.3±0.3K である。

オゾンは毒ガスか?

 濃度の高いオゾン含有ガスは特有の刺激臭を持ち、人間の目、鼻、喉の粘膜を刺激する有毒な気体である。オゾンは水に対する溶解度が大きい SO2 などと異なり気道の深部に到達し、細気管支や肺胞などに影響が顕れ、肺気腫を引き起こす。ただし、オゾンが毒性を示し始める濃度は 0.01 程度から 20ppm まで様々あり統一された見解はない。
 なお、我が国の労働環境の作業環境基準としては 0.1ppm が与えられている。

オゾンは臭いので・・

 実際にオゾンを取り扱う場合、幸運なことに、オゾンが毒性を発揮する濃度では強烈な臭気のため、不本意にその危険な状態に長時間さらされる危険性は少ない。


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