1.炭の利用法
木炭、竹炭、燻炭の一般的な使用法をまとめました。
竹炭は固さに加え諸特性でも木炭より優れた面があり、
利用が広がってきました。
燻炭は低温で焼かれるため柔らかく主に農業・園芸で好まれて使用されています。
用途 |
使用例 |
木炭 |
竹炭 |
燻炭 |
燃料 |
料理、バーベキュー |
◎ |
○ |
ー |
防臭・防菌 |
食品・生ごみ処理 |
○ |
◎ |
ー |
調湿 |
押入れ、床下、下駄箱 |
○ |
◎ |
ー |
水質浄化 |
雨水、井戸水、水道水 |
○ |
◎ |
ー |
土壌改良 |
畑/庭土、プランター |
○ |
○ |
◎ |
微生物活性 |
野菜・花木作り |
○ |
○ |
◎ |
生育活性 |
野菜・花木作り |
○ |
○ |
◎ |
鮮度保持 |
野菜、魚介 |
◎ |
○ |
ー |
2.竹炭の特長と用途
炭化温度が高くなるほど固い炭が得られます。商業ベースでは電気窯を使い低温から高温にわたり 自在に温度管理して炭を作りますが、当クラブは手造りの窯で薪材燃料を使っている
ため400〜800℃で焼いた中程度の固さの炭となります。 用途目的により機械で細粒化したりサイズ揃えして利用されます。バーベキューなどの燃料用としての利用に加え、次の
ような用途があります。
農業用 |
@土壌の透水性、保水性の改善
A土壌の有用微生物の増殖
Bハウスの有害ガスの吸着
Cカリ、石灰、ホウ素など微量要素の補給
D地温上昇効果 |
調湿用 |
@700度以上で焼いた炭を顆粒状にして、40kg/坪当たり床下に敷く。 |
脱臭用 |
@食品から出るエチレン、アンモニアなど
ガスの臭い
A水道水の塩素臭、カルキの臭い |
入浴用 |
@湯100リットルに500g以上の高温タイプのものほど効果
*入浴剤と併用しない。 |
炊飯用 |
水1リットルに竹炭約20gで炊く。
竹炭は以下の要領で処理する。
@たわしを使い水道水で1本1本丁寧に洗う 洗剤は絶対に使用しない。
A竹炭を水から煮立てて沸騰させ弱火で5分煮立てる。
B竹炭を取り出し水切りして冷ましてから
陰干し乾燥させる。
C1晩汲み置いた水道水に竹炭を入れ
1昼夜置くと蒸留水の出来上がり。 |
水質浄化用 |
@家庭用排水
A魚介類の養殖場
B農畜産業の排水
C産業排水 |
鮮度保持用 |
@青果物
A花卉
B生鮮食品
*脱臭効果のため香りが消失するものは要注意。 |
3.竹酢液の成分と用途
炭焼き過程に生じる煙の一部が結露液化したものが竹酢液原液です。 この原液をある期間静置して熟成させ、上層部と下層部を除いた中層部の原液を蒸留して回収したものが透明度のある竹酢液となります。液はpH=3の強い酸性があり以下に成分概要を示します。
水分 |
約90% |
H2O |
繊維成分 |
0〜5% |
@セルロース
Aヘミセルロース
Bリグニン |
微量成分 |
0〜5%
|
@酢酸
A蟻酸(刺激臭)
Bメタノール
Cフェノール(殺虫殺菌)
Dクレゾール(殺虫殺菌) |
竹酢液の特長は殺菌力、殺虫力と独特な臭気ですが、使用後に時間経過すると分解され消失する 自然にやさしい物質と言えます。右上の表に具体的な用途をまとめました。
|
<竹酢液の使用目的>
殺菌、
殺虫、
害虫忌避 |
@蚊刺され予防
Aシロアリ予防
Bゴキブリ予防
C水虫予防
Dカラス予防 |
土壌改良 |
下記の用途別希釈濃度表参照 |
植物成長促進 |
下記の用途別希釈濃度表参照 |
消臭 |
@生ゴミ
A排水溝
B会所など |
スキンケア |
@水仕事後の手の肌荒れ
*保湿、保水、防菌の効果あり |
入浴 |
@皮膚のかゆみ防止
A皮膚病、アトピー
*浴槽にボトルキャップ2〜3杯
(10〜20CC) |
うがい |
蒸留タイプを250〜500倍に希釈 |
4.竹酢液の用途別希釈濃度表
希釈濃度
(倍) |
用途 |
目的・方法 |
処理方法 |
1~10 |
除草 |
草勢い強い |
ジョウロ撒水 |
20~30 |
土壌殺菌殺虫 |
作物が無い時、散水後10日間放置 |
散水・潅水3リットル/m2 |
30~200 |
根の障害処置 |
株周辺に約2リットル水やり |
土壌潅水 |
30~400 |
殺虫殺菌 |
単独使用で7日間隔 |
葉面散布 |
300~400 |
花芽分化促進 |
10日以内に
2回以上 |
葉面散布 |
300~400 |
有機物分解 |
堆肥、ぼかしに水分50%
水やり |
散水混合 |
300~400 |
果実着色 |
収穫前2〜3回単独使用 |
葉面散布 |
300~400 |
糖度向上 |
収穫前(アミノ海草と併用) |
葉面散布 |
300~400 |
窒素過多 |
10日以内に
2回以上 |
葉面散布 |
400~500 |
成長促進 |
病害虫を抑制しなが10日間隔 |
葉面散布 |
400~500 |
肥大促進 |
アミノ竹酢、
海草竹酢、
ブドウ糖500倍と混合 |
葉面散布 |
400~500 |
疲労回復 |
アミノ竹酢
500倍と混合 |
葉面散布 |
400~500 |
殺虫殺菌 |
各種植動物エキス400〜500倍と混合 |
葉面散布 |
500
~1500 |
活着促進 |
定植時に根を浸水、穴に潅水 |
瞬間浸水 |
500
~1500 |
発芽促進 |
固い種子は4時間浸水 |
浸水後軽く洗う |
1500
~2000 |
土壌活性 |
固い種子は4時間浸水 |
10日間隔で定期潅水 |
*希釈濃度10倍とは水10ml(10cc)に竹酢液1ml(1cc)を混ぜること。
以上

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