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Pâte à Crêpe -ルノートル氏のクレープ生地- 記事登録日:2011/08/01
最終更新日:2012/08/30
 
最近ではちょっと厚め、モチモチ系のクレープ生地が流行っているようですが、フランスでは兎に角うすーいクレープが良品とされています。
今回は私のお気に入り、ルノートルさんのクレープ生地をご紹介します。
日本人の大好きなモチモチ食感も美味しいですが、簡単ですので、本場フランスのレシピも是非お試しを♪




Pâte à Crêpe de Gaston Lenôtre  ガストン・ルノートルのクレープ生地 出典はこちらの書籍です


  Pâte à Crêpe クレープ生地   (15cmのクレープ約15枚分、または、23cmのクレープ約12枚分)
材料  我が家で使用している材料詳細
  薄力粉  125g    我が家では北海道産小麦粉ドルチェを使用
   3個    我が家ではMサイズを使用
  バター  40g    明治バター(有塩)/可能であれば無塩バターの方が望ましいです
  サラダ油  40g    我が家ではオリーブオイルを使用/一般的なサラダ油で可
  グラニュー糖  30g    スプーン印のグラニュー糖
  グランマニエ酒  大さじ1    今回使用したのはこちらの商品
  オールド・ラム酒  大さじ1    今回はフランス・ルゴル社のダーク・ラムを使用
  オレンジの皮  1/2個分    皮はすりおろし、またはみじん切りをを使いますが、入れるかどうかはお好みで
  牛乳 375ml    ≒410g 卵の大きさなどで濃度が変化しますので、牛乳で濃さを加減します





 作り方  ※ 作り方については我流でアレンジを加えてあります。詳細については6.ルノートル氏のレシピについてをご覧ください
 1.材料を準備します
 
今回ポイントになるのはなんと言ってもグランマニエ。
バターを焦がして使用するのもこの生地の特徴ではありますが、バニラエッセンスでなくグランマニエで生地に香りを付けていることが一番のポイントです。
使用する油脂の量が多いことに驚かれる方も多いかもしれませんが、このおかげで鉄板でも最初の油引きのみでくっつくことなく生地を焼くことが可能になります。
さすがに多すぎる気もするので、私はバターを10g減らし30gで作っています。
ただ、バターを減らすと焦がしバターの風味も減ることになるので、サラダ油の方を減らす方法もあります。
これらはお好みでアレンジ可能です。

ポイントはグランマニエ!
ちょっと値がはりますが
あると香りが全然ちがいますよ!






 2.まずは焦がしバターを作ります
 
焦がしバターを作ります。
小鍋にバターを入れ弱火にかけます。

あまり大きな鍋でやると焦げ始めてからの加減が難しくなるので、出来るだけ小さい鍋の方がやりやすいと思います。
火にかけている間は手を加えないのが原則。
かき混ぜたりせず、見守ります。

焦げ始めると色づきが速く、「ここだ!!」と思うポイントをすぐに行き過ぎてしまうので、傍らには水を張ったボウルか、濡れタオルを用意しておいた方がいいかもしれません。
バターを火にかけます
出来れば小鍋でやる方が
失敗が少ないです




初めのうちはぶくぶくと
大きな泡が立っています


次第に泡が小さくなってきます


少し色づいてきました


出来ました・・・?
けど、若干いき過ぎかも・・・
 だいぶ濃い茶色になってますが
もう少し明るい茶色がベストです


バターの焦がし具合ですが、原文では「Faites bouillir le beurre jusqu'à ce qu'il prenne une odeur noisette et soit à peine coloré.(バターをノワゼットの香りがして、若干色づく程度まで沸騰させる)」となっています。
「若干色づく程度」ということから判断すると、左から3番目の写真くらいが指示に近いようにも思いますが、香りについてはこの時点ではあまりコウバシイ香りがありませんので、3番目と4番目の写真の間くらいの焦げ具合が理想だと思います。




 3.生地を合わせていきます
 
卵を割り入れ、泡立てないようにしながらしっかりとほぐします。
泡だて器で卵をほぐすと、嫌でも泡立ってしまうのですが、なるべく泡が出ないように、かき混ぜるような感じでほぐすとよいと思います。
卵をボウルに割り入れます


泡立てないように注意しながら
卵をほぐしていきます


ほぐした卵にまずは油脂を加えていきます。
一般にはクレープ生地を焼く直前に油分を入れるレシピの方が多いのですが、そうすると、バターが冷蔵後の冷たい生地に入ることで固化してしまったり、うまくなじまずに分離したりで均一な生地にならないので、私は卵をほぐした後に油分を加えるようにしています。
卵黄中のレシチンには油分と水分を乳化し、分離しないようになじませる働きがあるので、この時点で油脂を混ぜて乳化させておくことで滑らかな生地を得ることができます。

どちらが先でもよいのですが
油脂分を加えて
混ぜ合わせます


焦がしバターも
投入


次にグラニュー糖を加えます。
卵と油脂がなじんだらグラニュー糖を加えます。

卵と油脂をしっかりなじませます


次にグラニュー糖を加えます


更に薄力粉を一度に加えます。
薄力粉はキメが細かくダマになりやすいので、製菓ではふるってから使用するのが普通ですが、水分の少ないこの時点で混ぜ合わせればダマになることはありません。
薄力粉を豪快にバサッと一度に加え、粉の山を崩すように少しずつ卵液に練りこみながら混ぜ合わせていきます。
そして薄力粉
ふるわず
一度に加えても大丈夫


なるべく練らないように
ゆっくりとかき混ぜつつ
あわせていきます


白い粉が残らないようにしっかりと混ぜるます。
なるべく練らないように、ゆっくりとかき混ぜるようにして粉を合わせていきます。
この後冷蔵庫でしっかりと休みを取るので、混ぜすぎてグルテンが出て生地の粘りが強くなっても大丈夫なので、粉が残らないようにしっかりと混ぜておきます。

ぐーるぐーる、混ぜます
白い粉が残らないように
きちんと混ぜていきます


これが混ぜ終わりの状態
ダマはありません


最後に洋酒、牛乳を加えます。
まずは洋酒を加えて生地にしっかりと香りをつけ、次に牛乳を少しずつ加え、生地をのばしていきます。
お好みでオレンジの皮を入れることも出来ます。
その場合は牛乳を入れる前に入れるのがいいと思います。
個人的にはオレンジの匂いがきついのは苦手なので私は入れていません。

次に洋酒を加えます


牛乳を少しずつ加え
生地をのばしていきます


全体が均一になじんだら出来上がり。
冷蔵庫で1時間以上休ませます。

牛乳を全て加え、生地が均一になったら出来上がりです。
乾燥防止にカバーをかけ冷蔵庫で1時間以上休ませます。
牛乳を全て加え
生地が均一になったら
できあがり!


乾燥防止のため
カバーをかけて冷蔵庫へ


牛乳の量と生地の硬さについて
レシピ本によると、「生地に加える牛乳は200cc(今回のレシピでは半量の100ccに該当)を残しておき、焼く直前に生地の状態により加減して加える」となっているのですが、はっきり言って無理なので私は全量加えています。
プロならともかく、素人には「ベストな生地の状態」自体がわからないので・・・。
ただ、卵の大きさや薄力粉が含む水分により、生地のゆるさが変わってくることは事実なので、場合によっては加減を加える必要があるとは思います。
可能であれば生地の様子を見つつ牛乳を加え、好みの状態に加減をされてみてはいかがでしょうか?

ちなみに、生地は少しゆるめでしゃばしゃば状態くらいのほうが焼きやすく、薄くてきれいなクレープになります。
テキトーな表現で恐縮ですが、液体の生クリームよりもちょっと薄めくらいじゃないかと思います。




 4.焼いていきます
 

焼きあがったクレープを置く準備をしておきます
私はケーキトレーを使用
乾燥しないように
湿らせたガーゼをかぶせます
手前に見えるのはクレープ用スパトラ
日本ではあまり見かけませんが
フランスではほぼ全家庭にある
便利な調理道具です


我が家では焼き上げに
デバイヤーのクレープパンを使用しています
鉄パンを使う場合は
まず、煙が出るまでよく熱して
一度火を消します


その後、油をなじませ温度が下がった頃に
再び火をつけて焼き上げ開始です


生地を焼いていきます。
フライパンの用意が出来たら生地を焼いていきます。
左の写真は26cmクレープパン(底面23cm)の一回量の目安ですが、これについてはフライパン等の大きさによって加減してください。

生地の流し方には色々流儀があって、本職はトンボと呼ばれる道具を使います。
トンボで広げた方が生地の厚みが均一になりきれいに焼けるのですが、お家で焼くには道具無しでフライパンを回して生地を広げるやり方で十分だと思います。
この方法では生地の厚みに偏りが出てしまうのですが、そこはご愛嬌。

さて、焼いている生地の一部が浮き上がってきたら、生地をひっくり返します。

生地を扱うときにあると便利なのがクレープ用スパトラです。
生地のフチを、スパトラの先でつつきながら持ち上げていき、写真のように生地の端を引っ掛けたら、スパトラを回転させて生地の中心までゆっくりとはがしつつ持ち上げ、簡単に生地を返すことが出来ます。
26cmのクレープパンで焼く場合
一回の量はこのくらい
およそ80ccでした


右利きの人の場合
生地を丸の部分(フライパンの柄の辺り)
に流し込んだら
矢印の方向に生地を回すようにして
フライパンを動かし
生地を一周させます


生地の端をクレープ用スパトラで持ち上げ
手で持てるくらいに冷ましたら
今度は手で持ち上げて
スパトラに引っ掛けます


スパトラを回転させつつ
フライパンから生地をはがし
そのままゆっくり持ち上げたら
裏返して裏面を焼いていきます


ただ、普通のご家庭には無いと思うので、先日NHK今日の料理でマロンさんがやられていた方法をご紹介しておきます。

1.クレープが焼けてきたら端のほうを竹串でつついて少し持ち上げる
2.持ち上げた端を両手でつかみ直し、ぺりぺりとフライパンからはいだら一気にひっくり返す
3.裏面が焼けたらお皿の上に滑らせる

番組ではフッ素樹脂加工のフライパンを使用していたので、焼けたクレープはカンタンに動かせていました。


クレープとクレープの間には
ラップの切れ端をはさむようにすると
後で扱うときに
破れることなくはがすことが出来ます


次の生地を焼く間
焼きあがった生地には湿らせたガーゼなどをかぶせ
生地が乾燥しないように注意します


全ての生地が焼きあがったら
ラップで全体を覆うか
大き目のビニール袋に入れて
乾燥を防ぎます
まだ温かい生地を入れるときは
水滴防止にガーゼをかぶせてから
入れています


焼き上がった生地の取り扱いと保存について。
ルノートル氏のこのレシピはもともとクレープ・シュゼットを作るためのもので、生地は今回ご紹介したレシピの倍量が書かれていました。
直径15cmのクレープ30枚分のレシピです。
焼き上げの枚数が多く時間がかかることからだと思いますが、焼きあがったクレープを湯煎して温めた皿の上に重ねていき、乾燥に注意しつつ、次の作業までは常に保温しておくように指示されています。
焼いた後にケーキ風に仕立てたりする場合には、生地が温かい方が扱いが楽なので保温しておいた方が良いかもしれませんが、今回は焼き上げの枚数が半量ですし、すぐに次の作業へ移れるようならそこまで手をかける必要は無いと思います。
私は焼きあがった生地は大きめの皿かケーキトレーに重ねていますが、皿を湯煎で温める作業は省略しています。

生地は冷めてくると互いにくっついて、特に冷蔵庫保存後の硬くなった生地は剥がす時に破れたりするので、間にラップなどを挟んでおくと後の扱いが楽になります。
ラップは全体にかける必要は無く、半円分くらいにかけてあれば十分です。
ただし、焼きあがってすぐの生地は熱すぎてラップが溶けるので、その点には注意して作業してください。

次の生地を焼く間、焼けた生地の上にはぬれたガーゼなどをかけて乾燥を防ぎます。

全ての生地を焼き終えたら、すぐ使わない生地については荒熱を取って冷蔵庫で保存します。
生地の乾燥には気をつけて、全体をラップで覆っておくなどしておきましょう。
保存には大き目のフリーザーバックやビニール袋なども便利です。
温かい生地の場合は、水滴防止に清潔なガーゼやキッチンタオルなどをかけてから袋をかぶせるようにしています。

このレシピのクレープは、焼きあがってしばらくの間はしっとりと美味しくいただけますが、冷蔵庫で保存すると硬くなって食感が悪くなります。
おそらくグラニュー糖の何%かをトレハロースに置き換えることで食感の変化を軽減できるとは思いますが・・・まだ試していません。
冷蔵保存後は一度焼き直してからお菓子に仕立てることをおすすめします。
また、ミルクレープなどケーキ風に仕上げる際には、焼いたその日に仕立て、その日のうちに食べきる方が良いと思います。

黒川愉子さんの著書クレープとガレットのとっておきレシピ によると、焼成後のクレープ生地はラップに包んで冷凍保存できるそうです。
ただし、解凍後には一度焼きなおした方が美味しくいただけると思います。
個人的には、かさばって場所を取りそうなのでやったことは無いですが・・・。

焼き色をつけるかつけないか、について。

最近では商品で売っているミルクレープの影響か、表面ツルツルで焼き色の付いていないギョーザの皮みたいなクレープが好まれたりもしていますが、そもそもクレープと言うのはラテン語に由来するフランス語で「シワの寄った」と言う意味だそうで、ある程度は表面が凸凹しているのが本来の姿です。
そして、世界地図みたいな不規則な焼き色が付いているのも、クレープ独特の美しさではないでしょうか?
パティシエの相原一吉氏は著書もっと知りたいお菓子作りのなぜ?がわかる本の中でクレープに独特の「クレープ模様」をつけるために極少量のイーストを入れるレシピを提案されていますし、フランスでもこの模様を出すために牛乳の一部をシードルやビールで仕込んだり、ベーキングパウダーを追加したりするレシピが大半です。

先のマロンさんが紹介されていたクレープでは、フライパンに生地を流したときに「ジュッ!!」と音がするくらいが丁度いいと言うお話でした。
クレープの凸凹はフライパンと生地の温度差が大きい時に出来るもので、この「ジュッ!!」のとき生地に凹凸が出来るわけです。
作業はマロンパンでされてましたが、出来上がったクレープにはきれいな焼き色がほぼ全面についてとってもおいしそうに焼けていましたよ。
ちなみに、鉄のフライパンで焼くと上の写真のようにコンロの火が当たっている部分に焼き色が片寄りがちです。

焼き上げの具合については個人の好みですので、焼き色や凸凹のないマットな仕上がりを目指したいと言う場合にはホットプレートやテフロン加工のフライパンを使い、超弱火でじわ~っと焼けば表面にシワの無いクレープが焼けるんじゃないかと思います。

個人的にも、ある程度は凸凹があって焼き色が付くくらいの方が小麦粉の生っぽい感じが消えて香りが良くなるように思います。
ただし、焼きすぎると生地が薄焼きせんべい状に乾いてしまい、扱っている最中に割れてしまいますので、程々を目指したほうがいいですね。




 5.とりあえず超カンタンなレシピを♪
 
超簡単!とろけるチーズのクレープ巻き
何のことは無い、クレープの真ん中にとろけるチーズを乗せて焼いただけ、というもの。
味にパンチが足りないようならケチャップを塗ってからチーズを置いてピザ風にしても。
生地が少し硬くなるくらいしっかり目に焼いた方が、子どもが大好きなパリパリ食感になって美味しいです。
超簡単スピードメニュー♪子どもの軽食にはもってこいです。
焼き上がった生地を
再度フライパンに乗せて温めます
そこにとろけるチーズを
半分に切ったものを乗せます


端から適当に巻き込み完成!
単純ですが
ウマイです
お好みでケチャップを敷いても可


フランスの家庭で楽しまれるクレープはバターやジャム、蜂蜜、チョコレートスプレッドを塗っただけ、とか、レモン汁をかけてグラニュー糖をふったりする程度の、非常に気軽で簡単な頂き方が主流です。

フランスにはCrêperie(クレープリー)という前菜からメイン、デザートまで全てクレープ料理と言う(料理の方は正確にはGalette(ガレット)が出されます)クレープ料理専門のレストランがたくさんありますが、そういったお店のデザートですらジャムを塗ったりする程度。
日本のクレープ屋さんで見るような生クリームやフルーツをたっぷりな具沢山のクレープについて、フランスのブログでは「Crêpe sucrée à la japonaise」(日本風の甘いクレープ)と言うタイトルの元に驚きをもって紹介されていたりします。
ちなみに「甘いクレープ」とされているのは、フランスで”Crêpe à la japonaise”または”Crêpe japonaise”が「お好み焼き」を指すからだと思います。




 6.ルノートル氏のレシピについて
 
今回ご紹介したルノートルさんのレシピは先にも記したとおりクレープ・シュゼット(Les crêpes Suzette)用の生地でした。
 → Wikipedia クレープ・シュゼット
この「クレープ・シュゼット」は専用の給仕パンもあるくらい伝統的なフランス料理の一品ではありますが、それこそ星付きレストランのデザートとして出されるような高級品で、よほど気取ったお家でないと普段の食卓には上らないものです。
(おそらく、食べたことがないって言うフランス人も相当数いるハズ!)
ルノートル氏のクレープ・シュゼットはオレンジソースとカスタードクリームを塗ったクレープを巻いてシュゼット・パンに並べたものを給仕し、ゲストの目の前で熱したグランマニエに火をつけたものをふりかけてフランベを演出するというものです。
ポイントになるのがオレンジソースだと思いますが、こちらについてはまた後日ご紹介したいと思っています。

こちらがレシピ本に掲載されていた
ルノートル氏の
クレープ・シュゼット



上でご紹介した作り方は私が作りやすいようにアレンジしたものなので、一応こちらにルノートル氏の本に書かれていた作り方を簡単にご説明しておきます。

1.焦がしバターを作る。
2.泡だて器かミキサーで薄力粉・油・砂糖・卵・アルコール類・オレンジの皮のみじん切り・焦がしバター・100ccの牛乳、以上を(一度に)混ぜ合わせ、滑らかな生地を作る。
3.更に牛乳を加えていく。そのうち100ccは残しておき、焼く直前に生地の様子を見て追加する。
4.フライパンを2枚用意し、生地を各面1分ほど焼いていく。
ちなみに、この焼き上げの際には、50gのバターもしくは50mlのサラダ油を用意し、フライパンに引くように指示があります。どひゃー!!
たしかに適量の油はきれいな焼き色をつけるのに有効ですから、否定するつもりはありませんが、カロリーのことを考えるとちょっと躊躇してしまいます・・・。

以上が本に記載されていた作り方です。
「簡単にご説明」というか、本当にこの程度のことしか書いていなくて、こんなんでちゃんと作れるのか?って感じなんですけど・・・。

クレープについてはすでに知っているお菓子ですし、たまたま完成品の写真もありましたので、出来上がりのイメージはつかみやすかったですが、それ以外のレシピについて、この本には詳しいコツとか写真とか一切書いていないので、知らないお菓子の作り方は読んでてもちんぷんかんぷんなことがしばしばあります。
こちらの本が古いせいもありますが、日本のレシピ本の親切さは、世界にも類を見ないレベルの高さなんじゃないかと思います。




 7.クレープ作りの便利な道具
 
クレープはその気になれば特別な道具が無くても十分きれいに仕上げることが可能です。
ただ、やっぱりあると便利なのがクレープ・パン!
→ポイント&雑感 焼き上げ用のフライパンについて
そして、クレープ用スパトラでしょうか。

スパトラは木製のものはマトファー取り扱いのこの商品しか見つかりませんでしたが、金属製の一般的なパレットナイフで十分代用可能です。
(ただし、ノンスティック加工商品への使用は注意してくださいね)

奥は今回使用した
デバイヤークレープパン26cm
手前はストウブの鋳鉄製32cmクレープパン
上にのっているのは奥がクレープ用スパトラ
手前がトンボ


ストウブの鋳鉄製パンは
とにかく重い!!
このような
重たくて大きいクレープパンで焼く場合
トンボが上手に使えないと
クレープになりません・・・
ただ、焼き色はとってもきれいにつきます


うちには一応トンボもありますが(しかも丸と角の2種類・・・)、私は使い方が非常にヘタクソで、何度やってもうまくいかないのでもうあきらめました。
今ではまったく使っていません。
トンボの上手下手はセンスのようで、うちの実妹は初めてでもさらっときれいなクレープを焼いてました。


ところで、我が家にあるスパトラはフランスから買って帰ったものです。
色の濃い方はマトファーショップで紹介されているものと同様に西洋ツゲ製でサマリテーヌで買ったもの。
色の薄い方は何の材質かわかりませんが、アビタで買ったものです。
マトファーショップのスパトラは3,307円とお高いので「え??」と思われた方も多いと思いますが、ツゲは高級材のようで、15年近く前にサマリテーヌで購入したときにもこのくらいのお値段(もうちょっとは安かったケド)でした。
この木製クレープ用スパトラはフランスではわりとポピュラーなキッチンツールなので、安いものはスーパーで400円くらいからあります。
興味のある方、フランスに行かれることがったら、是非チェックしてみてください。










ポイント&雑感

  • このレシピについて
    このレシピはGaston Lenôtre氏の「FAITES VOTRE PATISSERIE」(1975年に初版出版)に載っていたレシピをお借りし、作りやすい分量にアレンジしたものです。
    現在日本で日本語訳のルノートル氏のレシピ本を購入できないことや、この「FAITES VOTRE PATISSERIE」がフランスでも絶版となっていることから転用させていただきましたが、問題があるようでしたらすぐに削除いたします。

    古いレシピ本の作り方ではありますが、焦がしバターを入れたり、バニラエッセンスでなくグランマニエで香りをつけるなど、非常にフランス的なレシピだと思います。
    本来はクレープ・シュゼットを作るためのレシピなのでとかくオレンジの香りを強調する配合ではありますが、オレンジの皮のすりおろしを除けば普通にクレープ生地として利用可能ですので、ぜひ作ってみていただきたいオススメレシピです。

    クレープ・シュゼットについては前述のとおりですが、YouTubeでフランス人シェフが作るクレープ・シュゼットの動画を見つけましたので興味のある方は是非参考にしてみてください。
    解説はフランス語ですが、動作で大体のところはおわかりいただけると思います。







  • 焦がしバターについて
    レシピの中の「焦がしバター」とはフランス語で「beurre noisette」(ブール・ノワゼット)または「beurre roux」(ブール・ル)と呼ばれるもので、「ノワゼット(はしばみ)の香りがしてくるまで赤みがかったブロンズ色に焦がしたバター」というのが定義になります。
    日本人には「ノワゼットの香り」というのはイメージし難いと思うので(かく言う私もよくわかっていない・・・)色づきで判断する方がわかりやすいと思います。
    よく、「ノワゼット色のバター」と勘違いされるのですが、一応定義どおりに解釈するとノワゼットよりはもう少し濃い色になるかと思います。
    ちなみにノワゼットとはこんな実です。 → Wikipedia France "noisette"

    焦がしバターにはこのほかに、更に焦がした「beurre noir」(ブール・ノワール)その名もブラック・バターが存在しますが、製菓で「焦がしバター」という場合にはブール・ノワゼットを指します。
    このブール・ノワールは主にムニエルのソース作りに使われてきたようですが、最近では健康上の理由から倦厭されているようです。

    この焦がしバターを作る時には、色の変化が見やすいように色の薄い鍋でやる方がよいのですが、焦がしバター作りに慣れてきたらクレープを焼くフライパンで作るようにすると、その後生地を焼く際に油を引かなくてよくなるので一石二鳥です。(私も普段はそうやっています)


  • 焼き上げ用のフライパンについて
    私はクレープ好きなのでデバイヤーの鉄クレープパンをクレープ専用に購入しましたが、普通のご家庭では日常使いのフライパンで十分事足りると思います。
    クレープパンとフライパンの使用感の違いは、クレープパンのほうがフチの立ち上がりが低いので生地の扱いが簡単であること、また、フチの立ち上がり部分が鋭角になっていてそこで生地が止まるので同じ大きさのクレープが焼きやすいこと、底の平らな面が広く取ってあるので大きなクレープを焼くことが出来ること、でしょうか。

    ノンスティック加工(こびりつき防止加工)のフライパンで焼き上げる場合には、フライパンへの生地のこびりつきを心配しなくてよいので、レシピにある油脂分をもう少し減らせると思います。(油脂はこびりつき防止のためだけに入れてあるわけではないですが、カロリーは気になりますよね・・・)
    最近ではデバイヤーからもアルミノンスティックのクレープパンがでており、値は張りますが使いやすそうです。
    ただ、ノンスティック加工が効きすぎていると、液体の生地を回している最中に焼けた生地がつるんと滑ってくることがあるのでこの点には注意してくださいね。

    鉄クレープパンで焼き上げると火のとおりが速いので余計な水分が飛ばないという利点はありますが、焼き色についてはコンロの火が当たっている部分に片寄って付く傾向があります。
    一方、ノンスティック加工のアルミパンでは火のとおりは遅いものの、全体がほぼ均一に熱せられるので焼き色がおおむね均等に入るようです。

    パンのサイズですが、お食事クレープも楽しみたいなら少し大きめ(底面20cm以上)がオススメですが、デザートが中心、特にミルクレープを作りたいということなら少し小さめのクレープ・パンの方がいいと思います。
    お食事クレープとはガレット・コンプレットに代表されるようなピザ感覚でいただけるクレープのことです。
    具にはハムやチーズ、卵などのかさばる食材が使われますので、小さいクレープだと包みづらい為、大きいサイズが向いています。
    逆にデザートクレープの場合はクレープが小さい方がデザートに仕立てやすいです。
    それにミルクレープはご存知のとおり、クレープの間に生クリームもしくはカスタードクリームを塗り、何層も重ねたものですが、これが結構な量のクリームを使うので大きなクレープで作ってしまうと収拾が付かなくなりかねません。(経験者なもので・・・)

    さて、最近ではお手頃価格のクレープパンもありますね。
    また、クロア社のクレープメーカーのようにテクニックいらずでプロ並みの薄いクレープがバンバン出来ちゃう便利な調理家電もあるようなので要チェックです♪
    クロア社クレープメーカーの使用感はメーカーホームページの商品説明で詳しく紹介されています。







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ミルクレープもラクラクですね

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お菓子によって薄力粉を使い分けるほど
こってはいないけど、
味にはこだわりたい、という方にオススメ!










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