京都市中央卸売市場(水産部)紹介(1) 


1998年1月6日、まだ松の内で入荷量が少ない京都中央市場に、子供を連れて社会見学がてらに「取材」?に行ってきました。ご紹介します。
子供達は、朝4時に起こされ、2時間ほど市場の中を連れ回されたのですが、パンやオヤツをもらったりして、楽しかったようです。「また行こう。」と行っています。

京都には、魚の荷受会社は2社あります。この2社が、全国の産地から魚を仕入れて、セリ場に並べるのです。(セリではなく、「予約相対」で売る事も多くなっています。)
  1. 京都魚市場株式会社・・・・独立系の会社です。もともと、鮮魚主体の荷受会社だったのですが、20年ほど前に「カネジョウ」という塩干中心の荷受会社と合併し、現在の総合荷受けになりました。シェアは55%くらいです。
  2. 大京魚類株式会社・・・・・水産総合商社の「マルハ」の子会社です。したがって、「マルハ」系列の商品の入荷は早いです。会社の性格からして、京都という地域の「独自性」を出しにくいようなところがあるようです。(私の勝手な見方です。違ってたらごめんなさい。)
京都市中央卸売市場(水産部)紹介(2)

青物売り場の図
青物売り場です。
ここでは、全国各地の漁港から送られてきた「さば」「あじ」「するめいか」「さんま」「にぎす」「いわし」「とびうお」などが売られます。
セリが始まる時間は、朝5時20分。
まだ、始まっていませんが、今日の荷物の量はこのとおり少ないです。
1月15日を過ぎなければ、荷物の量は増えません。
ハマグリ売り場の図 ハマグリの売り場です。
中国産と北朝鮮産が中心で、内地物はあまりありません。
内地物は、輸入物に比べると50%〜100%ほど高いです。
冬場は鍋物に使うので、ハマグリの需要は多く、2月いっぱいは入荷量も多いです。
生ウニの図 北海道産の生ウニです。
今、ウニは、「チリ」「ボストン」「カナダ」「韓国」「中国」「北朝鮮」等々、世界各国から輸入されています。
北海道産といっても、「地物」(北海道の近海でとれたもの)と、輸入物を北海道のウニ屋さんが加工したものとがあります。
原産地がどこなのかをはっきりさせて買うことが大事です。まあ、「地物」は、絶対的に高いし、チリ産は安いですから、だいたい価格でわかりますが。
なお、普通、木箱かカップトレーに入れており、卵の表側を上に向けて並べてあるのですが、淡路島産だけは裏向けに並べてあります。
産地表示をしていないウニは気をつけたほうが良いでしょう。
ウニは、添加物としてミョウバンを使ってあります。これを使わなければ、すぐ流れてしまうのです。
さごしの図 中国産(と思われる)サゴシがたくさん入荷していました。このところ、サゴシはたくさん取れているようで、12月中旬から安値相場になっています。
いっぽう、サゴシの成魚であるサワラは、中国産の鮮度の良くないものでも、kg2000円を越えており、超高値です。鮮度の良いものをさがすとkg3000円以上します。
サゴシをたくさん取ると、当然サワラは少なくなるわけで、漁場の渤海湾や東シナ海での、なんらかの「漁獲規制」が必要ではないかと思われます。
今の状態で放置すれば、サワラ資源は、枯渇してしまうでしょう。
アマダイの図 中国産のアマダイです。
アマダイは、色目で売れる魚です。
赤い色が、どれだけ鮮やかに出ているかによって、売れ方が違うのです。
それで、いつからか、パーチ(魚の上に敷く、乾燥防止のためのセロファン)の色を「赤く」したようです。
これは、中国の漁民の知恵か、日本側の入れ知恵か、どちらかわかりませんが、姑息な手段だなあと思っています。

上の写真の「サゴシ」「サワラ」や「アマダイ」「マナガツオ」などは、ほとんどが輸入物です。
中国ものが多いのですが、「マナガツオ」は最近インドからも入っているようです。
マグロの図 太物売り場(マグロ)です。
京都は、キハダマグロが主体です。
詳しくは、下記を見てください。
生マグロについて マグロについて

この日は、インドマグロも入っていました。
マグロのセリ マグロのセリ風景です。

京都市場でのセリは、手に持った小さな黒い板に価格を書くようになっているのですが、マグロのセリだけは「手の形」での符丁でセリをしています。

他のセリ場では、各仲買さんの黒い板を見ていると、相場がいくらなのかわかるのですが、マグロだけはわかりません。
それで、相場が知りたいときは、知り合いの仲買さんに教えてもらいます。

お魚情報館
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