輸入のお魚が増えています。

続・輸入のお魚が増えています。  続〃・輸入のお魚が増えています。

輸入のお魚が増えています。冷凍魚はもちろんですが、生魚も増えています。
京都の市場でも、中国産の生魚がすごく多く、これがなければ「セリ場」の3分の1は、お魚が並ばないという状況です。
いろいろな、輸入のお魚を紹介していきます。(加工品の原料も含みます。)

いわし
日本で、通常、食用とされる「イワシ」は3種類です。「知ってますか?「いわし」は3種類あることを。」を参照してください。
生で出荷される「イワシ」は、鮮度落ちが早いため「輸入品」というのは見たことがありません。
しかし、加工品では「輸入原料」を使っているものがあります。
日本人が「イワシ」を大量に食べるのは「節分」の時です。
大羽イワシの脂ののったのを塩焼きにして食べるのは、大変美味しいのですが、ここ数年「大羽イワシ」の漁が極端に少なく、毎年「節分イワシ」の原料確保に苦労しています。
今年の「節分」では、多くの量販店が「カリフォルニアイワシ」を原料にした「塩イワシ」を売られたようです。
消費者は、知らぬ間に、輸入の「イワシ」を食べているのですね。
私も、一昨年、境港から送ってもらった「塩イワシ」を見て、「えらい、ズングリムックリしてるなあ。」と思ったことがあるのですが、これはモロッコ産の「イワシ」でした。
なお、「イワシ」を原料にした代表的な加工品としては「チリメンジャコ」がありますが、これも「低価格」のものは「インドネシア」からの輸入品です。(中国ものもあります。97年12月17日加筆)
輸入された時は「黄色い」のですが、漂白剤で漂白し、青色の着色料を使って、ちょっと味をつければ「美味しいチリメン」に化けます。
まあ、あれの原料を見たら、ちょっと食べようという気がしません。したがって、京都生協では扱っていません。
さば
国内の「サバ」が獲れなくなって久しいです。
代替え品としてノルウェーなどから輸入されている、通称「ノルウェーサバ」が、今やスーパーの売場の定番商品になっています。
この「サバ」の特徴は、寒い海にすんでいるため、非常に脂がのっていること、背の青い部分のシマ模様がはっきりしていることの2点です。
今や「塩サバ」の安いものの大半が「ノルウェーサバ」になりました。
(昨年末に、九州で大量に小型のサバが水揚げされたので、今年はこれを材料にした加工品も出回っています。)
「ノルウェーサバ」は、焼いたり炊いたりすると美味しいのですが、キズシや鯖寿司にはできません。
あの、強烈な脂っぽさが、酢に合わないようです。
また、キズシや鯖寿司は「薄皮」をむかなければなりませんが、「ノルウェーサバ」はむきにくいのです。
やはり、キズシや鯖寿司は「焼津の塩鯖」を原料にするのが一番良いようです。
あじ
「アジ」は、周年、日本のどこかで獲れています。
獲れなくても、「養殖あじ」もありますので、輸入する必要はあまりありません。
しかし、あじ開きなどの加工品の原料としては、安くてウマイものであれば輸入品でも良いということで、「ドーバー産」の「アジ」などが使われています。
あじ開きの大きなので安いのは、「ドーバー産」の「アジ」が原料と思って間違いないでしょう。
また、韓国産や中国産もあるようです。
「あじ開き」の産地といえば「沼津」が有名ですが、前浜のアジを使ったあじ開きは、数えるほどしかありません。
国内原料の大半が、九州産のアジです。九州のアジが冷凍で保管され、「沼津」で開き加工されて「沼津名産・あじ開き」になるのです。
注意しなければならないのは、「沼津」のあじ開きでも、外国産原料を使っている製品もあるという事です。
安いのは、外国産原料を使ったものだと思っておけば、ほぼ間違いはないでしょう。
うなぎ
ウナギについては、まず今年(97年)の鰻はフランス生まれ?を見てください。
ウナギは、製品化されているものや近い将来される見込みのあるものとしては、次の4種類があります。
1.アンギラ・ジャポニカ(和種−−日本種)昔から、日本人が食べてきた種類です。日本人の口に合った味がします。
2.アンギラ・アンギラ(フランス種−−ヨーロッパ種)最近、量販店中心に取り扱いが増えています。皮が堅く、脂肪が多い。あまり大きくならない。
3.アンギラ・ロストラータ(アメリカ種)−−製品(冷凍蒲焼き)として少しあるようですが、私は食べたことがありません。性質が獰猛で、養殖がしにくいといいます。
4.アンギラ・オーストラリス(オーストラリア種)−−日本の醤油メーカーと九州のウナギ業者が合同で、オーストラリアでウナギの養殖を始めました。現在は、まだ製品は出荷されていないようです。来年あたり、でてくるかもしれません。

種類としては、上記の4種類です。鰻蒲焼の生産地としては、下記の国があります。
1.日本 活鰻・冷凍とも、国内消費100%です。
2.中国 最近、国内消費が増加しているといわれていますが、大半を日本に輸出しています。
3.台湾 最近、台湾資本がコスト問題で中国に移動しているため、さびれてきています。大半を日本へ輸出しています。
4.マレーシア 台湾資本が進出していたのですが、最近はどうなったのか??
これらの国以外では、ヨーロッパやアメリカで蒲焼きを作るという動きもあるようです。当然、売り先は日本です。

お魚情報館
.
Copyright(C) june 22,1997 by Toshio Yabe. All rights reserved