本エディタでは、任意のテキストを音声で読み上げることができます。 この読み上げは、Speak.mc という MikoScript が行ないます。 これは、次の種類のテキストの読み上げができます。
このうち、1. の読み上げ時には、現発声中のテキスト位置へ、カーソルが順次移動していきます。 いずれの種類の読み上げでも、途中で中断するには、ESC キーを押します。
初期環境では、1. と 2. の読み上げが、メインメニューの「ツール」下の「スクリプト集」から 起動できるようになっています。
3. と 4. の読み上げを行なうには、「スクリプトの実行」ダイアログボックスから、 引数を指定して、起動する必要があります。 もし、この操作を頻繁に行なう場合には、 ScriptList.ctx に、そのコマンドを追加して、 環境設定で、それを適当なキーやボタンに機能割り当てすれば、容易に起動できる ようになります。
表記 | 倍率 | N の範囲 | 表記例 | 例の倍率 | |
---|---|---|---|---|---|
音量 | /Nv | N % | 0 〜 100 | /75v | 0.75 |
速度 | /Nr | 3 N / 10 | -10 〜 +10 | /-2r | 0.803 |
音高 | /Np | 2 N / 24 | -10 〜 +10 | /+3p | 1.091 |
Speak.mc ・・・ 編集テキストを読み上げ(範囲選択に依存) Speak.mc /80v /-2r /+3p ・・・ 音量 80%, 速度 -2, 音高 +3 で読み上げ Speak.mc "hello world" /-1r ・・・ 速度 -1 で、"hello world" と発声 Speak.mc /clip ・・・ クリップボードの内容を読み上げ
本エディタで、読み上げを行なうには、Windows の SAPI 5 ( Speech API version 5 ) に 対応した音声合成エンジンがインストールされている必要があります。
Windows 7 以降では、日本語の音声合成エンジンが、標準で搭載されているPCが多いようです。 この場合、特に何もしなくても、そのままで、読み上げができます。 もし、搭載されていなければ、別途インストールする必要があります。 なお、英語の読み上げの場合は、英語の音声合成エンジンが必要です。
読み上げ対象の文字列内に、XML タグを入れることによって、 さまざまな指定ができます。主なものを以下に挙げます。 詳細は、SAPI のドキュメントをご覧ください。
種類 | 表記 | 備考 |
---|---|---|
音量倍率 | <volume level="N"> 〜 </volume> | N = 0〜100% |
速度倍率 | <rate absspeed="N"> 〜 </rate> | N = -10〜+10 |
速度倍率 | <rate speed="N"> 〜 </rate> | N: 相対値 |
音高倍率 | <pitch absmiddle="N"> 〜 </pitch> | N = -10〜+10 |
音高倍率 | <pitch middle="N"> 〜 </pitch> | N: 相対値 |
強調発声 | <emph> 〜 </emph> | |
綴り発声 | <spell> 〜 </spell> | |
無音区間 | <silence msec="N"/> | N: ミリ秒 |
発音指定 | <pron sym="・・・"/> | |
話者指定 | <voice required="・・・"> 〜 </voice> | |
言語指定 | <lang langid="N"> 〜 </lang> | N: 言語番号 |
読み上げには、MikoScript の Epsalyオブジェクト のメンバー関数を 使います。それは、次の2つです。
これらの関数を使えば、上述の Speak.mc のようなスクリプトだけでなく、 いろいろな読み上げのアプリケーションが作成できます。 初期環境では、スクリプトのサンプルフォルダー内に、次のスクリプトが、 入っています。
なお、WelcomeTTS_Jp.mc では、日本語の音声合成エンジンが、 WelcomeTTS_En.mc と QuizLRPron.mc では、英語の音声合成エンジンが、 有効になっている必要があります。
本エディタでは、MikoVoice というフリーの音声合成エンジンを標準で搭載しています。 MikoVoice の詳細は、MikoVoice のホームページ に書いていますが、主な特徴は、以下の通りです。
このように、MikoVoice は、漢字が読めなかったり、アクセントが自動で付かないなど、 不便なところもありますが、歌を歌えたり、アクセントを自由に設定したりできるので、 それなりの使い方(遊び方)ができると思います。
MikoVoice を使ったスクリプトの3例(下記)が、サンプルフォルダー内に入っています。
・MVoiceBox.mc | MikoVoice 発声確認用のダイアログボックスを表示 |
・MVoiceS1.mc | 「初めまして、よろしくお願いします・・・」と話す |
・MVoiceS2.mc | 「ドレミ・・・」の音階を歌う |
これらを実行すると、MikoVoice の発声を実際に聞くことができます。 この実行は、以下のどちらかで行なえます。
MikoVoice の音源は、現版では、「和音マコ」さんの音源を参考にさせて頂きました。ありがとうございます。
なお、MikoVoice の動作確認は、Windows 10, 8.1, 7, Vista で行なっています。それ以前の Windows では、 動かないかもしれません。