スクリプトとは、所定のスクリプト言語で記述されたプログラムのことです。 スクリプトを使えば、各種の編集操作だけでなく、 さまざまな処理を自動で行なわせることができます。 「スクリプト」という用語は、他のテキストエディタ等では、 「マクロ」といっている場合もありますが、 本エディタでは、「マクロ」という用語は、C言語等での「マクロ」の意味で使います。
本エディタでは、次のスクリプト言語を、標準で使用できます。
また、Perl や Ruby 等でも、ActiveX Scripting Engine として、 Windows にインストールされていれば、使用できます。
どのスクリプト言語を使う場合でも、そのソースプログラムは、通常、 テキストエディタで作成して、ファイルに保存します。 ( なお、MikoScript の場合、短いプログラムなら、ファイルに保存しなくても、 実行コマンド に直接記述して 実行することもできます。⇒参照 )
スクリプトファイルの拡張子は、各スクリプト言語の種類に応じて、次のように 決まっています。
.mc | MikoScript |
.js | JScript |
.vbs | VBScript |
Perl や Ruby 等でも、ActiveX Scripting Engine として登録されていれば、 決まった拡張子があるので、それを使う必要があります。
MikoScript のソースファイルは、現状、Shift-JIS の文字コードで保存する 必要があります。一方、ActiveX スクリプトのソースファイルは、UTF-16LE、または、 Shift-JIS で保存する必要があります。UTF-16LE の場合、BOM は付加しておく ほうが確実です。
スクリプトファイルは、 どこのフォルダに格納されていても、本エディタから実行できます。しかし、とりあえず、 本エディタがインストールされているフォルダ内の「Scripts」というサブフォルダ が、「スクリプト標準フォルダ」になります。
スクリプトは、「スクリプトの実行」ダイアログボックスから 任意に選択して実行できます。 また、スクリプトを本エディタに登録しておけば、 キーやメニュー等に、機能割り当てして実行することもできます。 いずれの場合でも、スクリプトを起動した編集ウィンドウが、デフォールトで、 その「スクリプトの操作対象の編集ウィンドウ」に なります。
スクリプトを本エディタに登録するには、スクリプト コマンドの入力リストファイルを編集します。 このファイルは、「スクリプトコマンドの 入力リスト」ダイアログボックスで、「編集」ボタンを 押すと、開かれます。なお、登録個数に制限はありません。
登録されたスクリプトを、キーやメニュー等に機能割り当てするには、 その関連の環境設定を行なう必要があります。これに関しては、環境設定の「機能設定」で説明しています。 ( ⇒参照 )
MikoScript の言語仕様は、本言語のホームページをご覧ください。 本エディタ固有の仕様に関しては、「MikoScript 言語仕様( Apsaly関連 )」で説明しています。
ActiveX スクリプトの言語仕様は、それぞれのマニュアル等をご覧ください。 本エディタ固有の仕様に関しては、「ActiveX スクリプト言語仕様( Apsaly関連 )」で説明しています。
本エディタでは、次のようなスクリプトの実行制御が行なえます。
これらの機能のうちのいくつかは、初期環境では、ツールバーボタンに 割り当てられています。 強制終了は、常に、Break(Ctrl+Pause)キー押下で行なえるようになっています。 ただ、キーボードによっては、このキーが使えない場合があるかもしれません。 強制終了は、常用するのではなく、やむを得ない時にのみ行なってください。 なお、ActiveX スクリプトでは、現状、「一時停止」と「再開」はできません。
スクリプトは、スクリプト専用のスレッドで実行されます。 そのため、スクリプトの実行中でも、編集ウィンドウ等の手動操作は、ほとんど通常通りに 行なえます。しかし、現状、スクリプトの実行中に、他のスクリプトを 起動することはできません。但し、MikoScript では、実行中のスクリプトから、 他のスクリプトファイルを読み出して、それを実行することができます。
「スクリプトコンソールウィンドウ」が、 スクリプトのデバッグや動作確認のために、表示できるようになっています。 このウィンドウへは、スクリプトから任意の文字列を出力できます。 このウィンドウは、スクリプトの操作対象の編集ウィンドウとは独立しています。 このウィンドウでは、通常の編集ウィンドウと同様に、 キー入力やテキストの切り貼り等の操作が行なえます。 また、このウィンドウ専用の環境設定(特殊グループ:Script) も行なえるようになっています。 なお、現状、このウィンドウ上からのコンソール入力はできません。
文字コード符号化方式は、本エディタが内部処理で使用しているのと同じ方式を、 スクリプトでも扱います。これは必ずしも、編集テキストがファイルに保存される時の 文字コード符号化方式と同じではありません。
改行コードは、本エディタでは、CR+LF, LF, CR の3種類をサポートしていますが、
スクリプトの実行では、現状、環境設定の改行コード種別に応じて、
特別な処理をしているわけではありません。そのため、
例えば、MikoScript や JScript 等で、"\r\n", "\n", "\r" の文字列を、
編集テキストに挿入すると、それぞれ、CR+LF, LF, CR になります。
スクリプトの実行時に、環境設定に応じた改行コードを挿入するには、
本エディタの「改行」コマンドを実行する必要があります。
ちなみに、MikoScript では、これは、#InsertNewLine というマクロで記述できます。
( ⇒参考 )
「実用スクリプト集」が、スクリプト標準フォルダに入っています。
「サンプルスクリプト集」が、 スクリプト標準フォルダ内の Samples という フォルダに入っています。これらの多くは、そのままでは、実用的ではありませんが、 実用的なスクリプトを作成する時の参考になります。
「インクルードフォルダ」には、MikoScript で使用するインクルードファイルが入ります。 通常、このファイルには、共通に使用するマクロやライブラリーのソース等を格納しておきます。 初期環境では、次のファイルが入っています。
EditCmds.h | テキスト編集コマンド定義 |
Event.h | イベント入力関連定義 |
GkLib\*.* | GUI関連クラスライブラリー |
MkLib\*.* | マルチメディア関連クラスライブラリー |
「ライブラリーフォルダ」には、MikoScript で使用するライブラリーファイルが 入ります。現状、このフォルダに入っているのは、GKライブラリーのモジュールファイル ( GkLibrary.mx )と、MKライブラリーのモジュールファイル( MkLibrary.mx )だけです。 これらのファイルは、当ライブラリーを使用する各種の実用スクリプトから、 インクルードされています。このインクルードによって、 そのスクリプトの実行コード(上述の中間コード)のサイズが大幅に縮小されます。