コラム

社員の化学日記 −第21話 「環境問題?」−

最近,CO2削減,地球温暖化など環境危機をあおるような報道が目に付く。

エコポイントにCO2排出権取引など,地球温暖化対策はまさに空前ブームといった感じである。

しかし,私個人としては現在の環境危機の流れはなんだかおかしいと思う。 環境に目を向ける事は良い事だが,まるでCO2だけが諸悪の根源ような認識持たせるのには少々無理があるようにも思う。

CO2には温室効果の役割はたしかに存在する。 しかし大気中で温室効果を有するガスのうち97%が水蒸気であり(大気中に存在する量も,赤外線の吸収量共に桁違いに多い),CO2の占める割合はほんのわずかなものである。 CO2だけが温室効果ガスのような報道は,なんだか疑問を感じる。 (実際には,水蒸気は蒸発による放熱,雲による太陽光の遮断などプラスの効果もあり,亜酸化窒素,フロンガスなどの人為的に排出された温室効果ガスのうちCO2がその6割を超えるようだ)

現在は,ソーラーパネル等の新技術によるモノ作りが景気対策を絡めての環境対策メインになっている(その技術革新おかげで試薬も売れるのですが,,,)。しかしモノ作りがメインである以上環境破壊は止まらないのではないか。確かに化石燃料を燃やしてCO2を排出し続ければ良いわけではない。化石燃料の奪い合いから戦争が始る可能性も考えられるわけだから化石燃料に頼っての生活では環境保護以外の観点からも問題ではある。

地球温暖化対策自体は良い事だとおもうが,CO2削減ばかり叫び他の環境負荷の考慮をおろそかにしている一種のブームのような状況はなんだか不安である。

【白色林檎(ペンネーム)】

次のコラムへ>>

<<前のコラムへ

▲このページのtopへ