コラム

社員の化学日記 −第163話 「ダーツ」−

結構前の話です。ダーツにはまっていました。

夜な夜なダーツ店に行ったり、次の日が休みの日には明け方まで投げていた時期もありました。

ダーツのお店に行くと大概ハウスダーツが置いてあるので、自前のダーツ矢がなくても遊ぶことは可能ですが、 お店のダーツはチップが曲がっていたり、ボロボロになっていたりするので、だんだん自分のダーツ矢、マイダーツが 欲しくなります。

ダーツの矢は4つのパーツから成っています。
・チップ←先っちょにある、弓矢でいう矢じり部分、
・バレル←金属でできた手で持つ部分、
・シャフト←バレルの後ろにつける長い部分
・フライト←羽
これらを組み合わせて1本のダーツ矢にします。

ダーツ矢は大抵3本1セットで売られています。1回のゲームで投げるのが3本だからです。 売り方も様々で、4つのパーツがセットになって売られていたり、1パーツずつ売られていたりします。 チップやフライトは消耗品で壊れやすく、特にチップは50個や100個単位で売られていたりします。

ダーツ矢にこだわってくると、この4つのパーツをいろいろ組み合わせて、自分の投げやすいダーツ矢に仕上げていきます。 シャフトの長さや、フライトの形、大きさ、バレルの重さなど、組み合わせは無限大にあります。

ダーツ矢の心臓部と言えるのがバレルです。 安いダーツ矢、高いダーツ矢の違いは、このバレルの値段で変わってきます。 高いバレルになると、セットで3万円以上したりします。 べつにダイヤモンドで装飾していたり、スワロフスキーでデコられいないのに、です。

バレルは金属でできているのですが、その金属の素材で価格が変わります。 金属素材はブラス(真鍮)やステンレス、チタン、何かの合金(忘れた)などがあります。 バレルの素材で一番高いのがタングステン製のものです。

タングステンは重い金属で金とほぼ同じくらいの比重があります。 また、タングステンは硬い金属なので、細くて強く、程よい重さのバレルができます。

硬い金属ということは、切削するのが大変です。バレルは、表面がつるつるしたものもありますが、たいていカット(削り)を入れています。 タングステンバレルが高いのは、レアメタルであるタングステン自体が高いことの他に、この切削加工賃に依ることも理由の一つです。

私が初めてダーツ矢を購入した時、(ダーツの腕と口が)上手いダーツショップの店員さんに 「上手くなりたかったら良いダーツ(タングステン)にしたほうが良いよ!」と勧められました。 まぁ、万年初心者の私はステンレスや安い合金製で満足しておりましたが(違いが分からない男)。

でもやっぱりかっこよかったなぁ。 タングステンバレルを使っていたら今でもダーツをやり続けていたかもしれません。もったいなくて。

【栗林正樹】

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