コラム

社員の化学日記 −第144話 「元素名」−

前回星からついた元素名の由来を書きました。

今回は他の元素名の由来について書いてみたいと思います。

あくまで化学辞典をパラパラとめくって調べた程度です。もしかしたら間違っている可能性もありますのでご勘弁を。

調べてみると、元素名はいろいろなものから名づけられてました。

■星
前回のコラムで書きました。U(ウラン)、Np(ネプツリウム)、Pu(プルトニウム)等が星由来の元素です。

■色
鉱石の色やスペクトルの色などから名付けられたものがあります。B(ほう素)は白色、I(よう素)は紫(スミレ)色、In(インジウム)は濃い藍色等があります。興味があったのがAu(金=aurum)です。暁の輝きという意味から名づけられました。キンキラキンというイメージですね。

■地名(国名)
地名から名づけられた元素も多いです。日本で発見された元素、Nh(ニホニウム)がありますし、ヨーロッパが由来のEu(ユウロピウム)、アメリカが由来のAm(アメリシウム)などは国名から名付けられております。地方の名前由来のものとしてはSc(スカンジウム)→スカンジナビア、Yb(イッテルビウム)→イッテルビー村などがあります。初めて元素が発見された、ヨーロッパの地名由来の元素が多いです。意外だったのがCu(銅=copper)です。cyprus(キプロス)島から名づけられました。キプロス島で銅がよく採れたことが名前の由来だそうです。銅の様に色がついた金属元素は少ないので色が由来の元素だと思っていましたが違いました。

■神(神話)
神様の名前から名づけられた元素もあります。たとえばTi(チタン)、チタンは皆さんもご存知だと思います。硬い金属というイメージですが、チタンは神話の神様タイタンが由来です。巨人(神?)族のタイタン、硬い金属のチタンとイメージがマッチします。 他にも、V(バナジウム)→愛と美の神ヴィーナス、Pm(プロメチウム)→プロメテウスなどがあります。

■鉱石
特定の鉱石から採れたことが由来で名付けられた元素もあります。Al(アルミニウム)はミョウバン=英名alumが由来です。ミョウバン=硫酸カリウムアルミニウムですから昔の人が名付けたのも当然です。他にはMo(モリブデン)→輝水鉛鉱、Sb(アンチモン)→硫化鉱物(キアン鉱)などがあります。

その他にも人名や元素の特徴から名づけられた元素もあります。

たくさんあり過ぎて書ききれませんが、化学が嫌いな人も由来を調べたりすることで少しは興味を持てるかもしれませんよ。

【栗林】

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