コラム

社員の化学日記 −第113話 「無題」−

12月になった。 今年も寒い季節がやって来た。 年々この寒さが堪えるようになった。朝,寝床から出るのもひと苦労である。。

通勤時もコートのポケットに手を入れて歩きたいところではある。 しかし,以前に同世代の知人がポケットに手を入れた状態で転倒, 大怪我を負ったと聞いてからポケットに手を入れるのはやめて,手袋をしている。

その知人も転倒した場所が土の上ならば軽症で済んだかもしれないが,転んだのは段差のある固いコンクリートの上。 しかも動作が機敏な若者ではない。ちょっとした段差でも気をつけるよう自身も肝に命じている。

そういえば,市街地はもちろんのことちょっとした郊外でもアスファルト等で舗装,整備されていない道路を見なくなって久しい。 舗装された道路には水たまりもできず,雨の日に長靴履きで泥水の水たまりに入って遊ぶ子供もいない。

最近は,公園の砂場でさえも衛生面(野良犬,野良猫による糞尿汚染)を理由に親が子供を遊ばせることを避ける傾向にあり,自治体によっては新設の公園や学校から砂場そのものをなくす動きも出てきているとのこと。昔の子供は泥だらけになって遊ぶのが当たり前だったが,今ではその場所がなくて可哀想なかぎりだ。

そんなことを思いながら新聞を読んでいたら,こんなニュースが載っていた。 沖縄近海の水深1600m海底の熱水鉱床(海底火山で熱せられた海水が吹き出して海水中の金属が冷えて固まった場所,いわば金属の「寝床」)から約16トンの鉱石(この中には7〜8%程度の鉱物資源が含まれているとのこと)を引き上げることに成功したらしい。

海底の採掘機で粉砕した鉱石を海水ごと汲み上げて船上で粉砕した鉱石のみを濾しとる方法らしいが,陸上に比べコストがかかることは間違いなく,商業化できるかどうかはこれからの話らしい。難しいことはよくわからないが,高価な”泥遊び”で終わらないように願うばかりである。

【YS】

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