コラム

社員の化学日記 −第105話 「空気」−

富士山の空気 1缶500円。

ご存知の方も多いと思いますが,あの富士山の空気を詰め込んだ缶詰が販売されております。 富士山(5合目)の空気―500円,富士山頂の空気―1000円。 誰でも無料で吸うことができる空気が売り物になるなんて,ナイスアイデアだと思いました。

私事ですが去年,奈良の山奥から大阪市内に引っ越しました。 山の木々に囲まれたところから都会の幹線道路沿いに引っ越してきたわけですから,空気は悪いです。

生駒山(大阪と奈良の間にある山)にある建物を見ると,大阪側がうっすら黒くなっています。 偏西風で東から西へ風が吹くことが多い影響もあると思いますが,幼い頃これを見た私は「大阪の空気ってこんなに汚れているんだ」と思ったことを覚えています。

そこで購入したのが空気清浄器です。窓を開けて換気しても空気がきれいになった気がしない,と感じたので購入しました。

空気清浄器にもいろいろ種類があり悩みました。 イオン放出タイプで脱臭に強いもの,フィルターなどのお手入れが簡単なもの,除湿加湿機能付き,空気の流れをコントロールするもの。最初はどれがいいのかわかりませんでした。

空気清浄器の空気浄化システムは簡単なもので,フィルターを通して除去する仕組みのものが一般です。 そのシステムに加湿機能を付けたり,イオン発生器を付けたり・・・。

結局,同居人の一声「空気が乾燥しているし,部屋のにおいが気になる」より,加湿器付きの脱臭機能が強いものを購入しました。 どれを買っても同じだとは思っていましたが,私が一番気にする空気=同居人との空気(雰囲気)が不味くならずにすんでよかったです。

空気清浄機で思い出しましたが,昔に一度,とあるマルチ商法なるメーカーの空気清浄器を紹介されたことがあります。 販売員曰く,「関東東北の大震災で原発がダメになり,アレが問題になっているが,この機械はアレを90%以上除去できる」「私たちは,これを家に8台設置している。 リビング,寝室,玄関,通路等,家のどこにいてもきれいな空気を吸いたいから。」とのこと。

「アレってなんだよ!具体的に言えないってことは検証されてないてことやな」」

「台数がそんなに必要なら業務用の高機能のやつ買った方が省スペースですむだろうしお金もかからないんじゃ・・・」

なんてことは言わず,今後の話のネタとしてにこにこしながら黙って聞いていました。 聞かずに帰ればいいじゃないかと思われるでしょうが,(元)友達の紹介の手前,そこは空気を読みました。

空気はとても大事です。 いや,’’きれいな’’空気も大事ですが,’’読める’’空気はとても大事です。 家庭の空気,職場の空気,デート中の空気,等。 人と人の繋がりに存在する空気のことです。

空気が読めない人(いわゆるKY(古))は,常識がない,自我が強い人,というイメージが強いですが, だからといって反対に空気を読んだ行動ばかりしている人は,自分の意見,意思を述べることができない人とおもわれてしまいます。 場の空気を読んで,その空気を変えるくらいの行動(空気を読めてないと思われない程度に)をとるのも重要なのだと思います。

空気読まずつらつらと好きなことばっかり書いてきましたが,今回はここで終了します。

そろそろ家に帰って同居人(嫁)の空気を読む行動に移らないといけないので。。。

【栗林正樹】

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