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マルセル・デュシャン
お前は私を

 
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マルセル・デュシャン 《 Tu m'(お前は私を) 》 1918
 
「お前」と「私」は、対話中にそれぞれの指示対象を反転させる。 影像を凝視すると、二つの奥行きが交互に反転する「ネッカー・キューブ」の現象を知覚する。 「コルク栓抜き」の場合、スクリューが前進すると、コルクが後退する。 日常的機能を無にした「コルク栓抜き」のアナモルフォーズは、「反転運動」の指標となる。
    ⇒ 石川虚舟《コルク栓抜き》2013
無から生ずる陰・陽の「反転運動」が太極図。《自転車の車輪》は動と静(陽と陰)の繰返し。 左の「停止原基」は三爻からなる「八卦」を、 右のスクリーン背後の曲線は気の流れによる「易」(change)を表象する。 その気流に、《帽子掛け》の
「浮雲」(rack) が乗る。
 
極端な横長画面とその構成は、E ・メニャン 《アナモルフォーズ制作図》 (1648)に似る。
 
以指喩指之非指、 不若以非指喩指之非指也、
指を以て指の指に非ざるを喩(さと)すは、
指に非ざるものを以て指の指に非ざるを喩すには若(し)かざるなり。
『荘子』斉物論篇
指不至、至不絶、
指は至らず、至れば絶たず。             to ENGLISH
『荘子』天下篇
 
真理は、虚・陽(Lichtung)と蔽固・陰(Verbergung)からなる反転運動(das Gegenwendige)である。     ⇒ 陳摶の太極図  
マーティン・ハイデガー『芸術作品の根源』1935/36
cf. Martin Heidegger, Holzwege, S.49.