飛天像のお話
今月は「飛天像のお話」を記述いたします。洋の東西を問わず古代人にとって天空を自
「飛天」と言えば天使、天人、楽天、天男、天童、天衆、天女とも呼称され後の時代に |
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西洋では飛行するのに鳥のように翼を必要としたのであります。我々のお馴染みと言 |
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インドでは先月掲載いたしました「八部衆」の「乾闥婆(けんだつば・ガンダルヴァ)、
インドにも古来の神で弓と矢を手にした愛の神・カーマがおり西洋の愛の神・キュー |
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「飛天」は本尊が居られる天上の左右を雄飛し蓮弁を散らしながら仏を供養しており |
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「童子形有翼飛天」は中国に近いミ |
からエンジェル誕生より後の制作です。 |
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全裸に近い男女一対の「飛天」です |
睦ましい若者の憩い風景に見えます。男性は腰に女性は腰と胸に衣裳をつけております |
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中国ではインドのように何もなしで飛行することは考えられずインド伝来の天衣で飛 |
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中国には仏教伝来以前に民族宗教 |
には美貌の神仙になったとのことです。はるか東方には東王父(とうおうふ)という仙人 雲の種類では「霊芝雲(れいしうん)」が飛天だけでなく色んなところで用いられますが |
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「敦煌莫高窟」では撮影禁止でした |
く黒い飛天が多くその意味では多少不鮮明の方でが良かったのはないかと自己弁護して |
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「雲岡石窟」は飛天の天国で飛天の中に尊像があるくらいとにかく多いです。敦煌莫 |
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「龍門石窟」では賓陽中洞でも著 |
在の形に変わりました。仏教美術のホームページをもう少し早く開始しておれば多くの |
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「鞏県石窟」も内部は撮影禁止でしたので |
流れ行く風に立ち向かうため風をはらんだ天衣が舞い上がっております。飛行を手助け |
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この「梵鐘」は「聖徳大王神鐘」と言われ韓国最大の鐘であります。朝鮮鐘のなかでも最 |
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我が国では中国と同じように翼は好まなかったようであります。我が国では三保の松 |
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「玉虫厨子」は仏画では現存最古の |
それだけに、法隆寺に訪れられこの見応えのある玉虫厨子だけを拝観されてお帰りに |
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「飛天像」は金堂の長 |
外してありましたので無事でした。 |
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「飛天像」は金堂を荘厳するために3天蓋の上辺に付 |
顔貌は心が和む白鳳時代の童子の顔であります。 現存最古の「飛仙図」が法隆寺金堂に安置されております「薬師如来像」の台座内側に描 |
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音声菩薩像・竪笛(東大寺) |
「飛天」は大仏殿の前庭に設 |
き、端正な顔立ち、豊頬で無邪気な溌剌とした少年のようで爽やかな印象です。像全体 |
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「水煙」は天平創建の東塔を思いましたが映像が不鮮明なため昭和再建の西塔を掲載 |
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飛天壁画(法界寺) |
壁画の「飛天像」は鎌倉作で、霊芝雲に乗るのが原則でありますが雲があると煩わしく |
「飛天光(飛天光背)」は本尊の光背として設けられております。光背の見事な透彫の |
画 中西 雅子 |