衆院予算委、志位委員長が基本的質疑

派遣法改悪、「残業代ゼロ」雇用大改悪の根幹突き崩す
日本共産党“残業時間規制の法制化を”

 人間らしく働く権利を奪う歴史的改悪だ―。日本共産党の志位和夫委員長は20日の衆院予算委員会で、非正規雇用、長時間労働、最低賃金という雇用問題の核心を取り上げました。安倍政権が「岩盤規制」打破の名で進めている労働者派遣法改悪と「残業代ゼロ制度」の導入は、今でも弱い雇用のルールをさらに壊すものだと批判し、雇用大改悪の根幹を完全に突き崩しました。

 派遣労働は「臨時的・一時的業務」に限って認められたもので、「原則1年、最長3年の期間制限」がその担保となってきました。志位氏は、改悪案では、派遣先の過半数労働組合などから意見を聞きさえすれば、無期限に派遣労働者を使用することができる仕組みになっていると指摘し、派遣への置き換えを防ぐ担保はあるのかとただしました。

 塩崎恭久厚労相は「(派遣労働者の)キャリアアップを義務化している」と繰り返すだけ。志位氏は、現行法のもとでも大企業は違法・脱法な手口で規制逃れをしていると告発し、「期間制限が撤廃されたら、大規模な派遣社員への置き換えが進むことは明らかだ」と批判しました。

年鑑残業時間の国際比較グラフ。日本182時間、イギリス78時間、フランス55時間、ドイツ53時間、オランダ22時間。 さらに、志位氏は、日本の異常な長時間労働の実態(左のグラフ参照)を指摘。1998年に残業の限度を「週15時間、月45時間」とした「大臣告示」が出されたにもかかわらず、経団連・経済同友会の役員の大企業が「月80時間の過労死ライン」を超える協定を平然と結んでいることを告発し、「『大臣告示』も『過労死ライン』も眼中にない。放っておくのか」とただしました。

 安倍晋三首相は「実際、こんなにしょっちゅう残業しているわけではない。(三六協定は)念のため結んでいるもの」などと擁護。「(『大臣告示』の)法定化は慎重に検討すべき課題」と背を向けました。志位氏は「労働者の命と健康よりも財界・大企業のもうけを上に置くものだ」と批判しました。

 さらに志位氏は、安倍政権が「時間でなく成果で評価する新たな労働制度」などといって、労働時間規制を撤廃する「残業代ゼロ制度」を創設しようとしていることを指摘。「異常な長時間労働が横行している日本で労働時間規制の適用除外制度を導入したら、過労死がまん延する」と追及しました。

 厚労相は、対象者を平均給与の3倍以上とする根拠について「交渉力がある」などと非現実的な説明しかできず、首相は「(制度では)健康が損なわれることのないよう一定の休日を与えるなどの措置を求めることにしている」などと答えました。志位氏は、首相のいう「措置」は、わずかな休日のかわりに24時間無制限に働かせる仕組みにほかならないと指摘。「これでどうして『健康・福祉確保措置』になるのか。『過労死促進措置』ではないか」と批判しました。

日本共産党の提案

  • 派遣労働を臨時的・一時的業務に厳しく限定、均等待遇のルールをつくり、非正規から正社員の流れをつくる
  • 残業時間の上限を法律化し、法的拘束力をもったものにする
  • 全国一律で中小企業への支援と一体で最低賃金の大幅引き上げ

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