若者使い捨てすすめる安倍内閣

「派遣」を永遠に…

  安倍政権は「成長戦略」すすめるために労働分野の規制緩和をすすめ、その要をなす労働者派遣法を改悪し、「若者使い捨て」を一層、すすめようとしています。

派遣法改悪素案の内容模式図1(3年で派遣労働者を入れ替えれば、企業は際限なく派遣を使える)、模式図2(労組に協議すれば同じ人をいつまでも派遣で使える) 派遣は「臨時的、一時的」な仕事に限る「常用代替防止」という現行制度の考え方について、全面的見直しをしようとしています。

 常用代替防止は、派遣という働き方があくまで例外的な制度のため、軸にすえられたものです。雇用責任を負わずに労働者を使えるなど、使用者企業(派遣先)にとってあまりに都合がよく、労働者にとっては無権利で不安定となる働き方です。戦後は禁止された働かせ方です。そのため、派遣法は、派遣が広がることを防止し、さまざまな規制を設けています。

 こうなると、派遣を恒常的な働き方にするということになります。

派遣先規制すりかえる

 派遣期間について、派遣先企業の職場単位による規制を、派遣労働者個人の「人」単位に変更すると主張しています。派遣先企業にたいする規制を、派遣労働者への規制にすりかえる重大な内容です(図1参照)。

 これが実施されると、派遣先企業は有期雇用派遣であっても、業務内容にしばられずに、派遣労働者を入れ替えるか労使の話し合いで、永続的に派遣を使うことができることになります。

 同時に、「業務」から「人」に規制が転換されることで、派遣先企業が派遣労働者を直接雇用する義務の変更もねらっています。

 一つは、現行法には、派遣先にたいする「労働契約申し込み義務」という規定があります(図2参照)。派遣を3年を超えて使いたい場合は、派遣労働者に直接雇用の申し込みをしなければならないというものです。派遣期間制限のない「専門26業務」でも、3年を超える派遣労働者がいる場合、同じ職場で労働者を雇う時は、当該派遣労働者にたいし、優先的に雇用申し込みすることが義務づけられています。これも見直されようとしています。

政府財界の要求に忠実

 もう一つは、2015年10月に施行される「労働契約申し込みみなし制度」についてです。これは、違法派遣であることを派遣先企業が知っていた場合は、当該派遣労働者を派遣先が直接雇用したとみなす制度です。これについても、「改正は必要」としています。

 これらの規定は、違法な派遣が後を絶たないことから、派遣労働者を守るためにつくられた規制です。素案は、派遣先企業の使い勝手の良さばかりを追求した内容となっています。

 政府の「成長戦略」や「規制改革会議」雇用ワーキング・グループ報告、経団連の派遣提言など、政府・財界の要求にまるごと応えた内容です。こんな大改悪がされたら、派遣労働者は限りなく増大し、保護されないまま固定化されることは明らかです。

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