アベノミクス 2%物価上昇で9万円負担増

株は上がっても給料あがらん…

 安倍晋三政権が掲げる「大胆な金融緩和」で仮に「2%の物価目標」が実現した場合、家計には毎年9万円の負担増がのしかかります。

 平均的な勤労者世帯(世帯人員3.42人、年間収入685万円)の消費支出は2012年の家計調査によれば376万6485円です。物価上昇率が2%になったときの負担増は単純計算で7万5330円です。

 しかし、消費者物価指数は、実際に価格が下がってない場合でも、商品の「性能の向上」がある場合「価格が下落」したとして、指数に反映させています。この「品質調整」による消費者物価指数の下落幅が大きいのは、電気冷蔵庫、電気洗濯機、ルームエアコン、テレビ、ビデオレコーダー、パソコン(デスクトップ型)、パソコン(ノート型)の7品目です。

 そこで、7品目について、販売価格が変わらないものと仮定し、品目ごとの物価上昇率が異なることを考慮して全品目の支出増を計算すると、家計負担は合計で8万9699円の増額となります。内訳は、食料品費が1万7756円、交通・通信費1万7535円、光熱・水道費1万5668円などです。

消費税の増税が追い打ちかける

 この負担増はあくまで「物価上昇」分だけです。安倍政権は消費税の税率を14年4月に8%、15年10月には10%への引き上げを狙っています。この増税分がさらに消費支出に上乗せされることになります。

2%の物価上昇による平均的勤労世帯の家計負担額
品網分類 年間消費支出 物価上昇率(※) 負担増
食料(外食・酒をふくむ) 88万7792円 2.00% 1万7756円
住居 24万5901円 1.90% 4672円
光熱・水道 27万0146円 5.80% 1万5668円
家具・家事用品(冷蔵庫など3品目は除く) 11万5412円 0.30% 347円
 冷蔵庫、洗濯機、エアコン 1万4367円   0円
被服および履物 17万0214円 2.00% 3404円
保険医療 14万1727円 1.40% 1984円
交通・通信 60万4665円 2.90% 1万7535円
教育 21万5926円 1.25% 2699円
教養娯楽(テレビなど4品目は除く) 36万3807円 1.62% 5895円
 テレビ、ビデオ、パソコン 1万6588円 0円
諸雑費 28万2061円 3.90% 1万1000円
その他の消費支出 43万7879円 2.00% 8738円
消費支出合計 376万6485円   8万9699円
総務省「家計調査」「消費者物価指数」から作成

(※)2011〜12年の平均物価上昇率が総合で−0.15%なので2%物価上昇のためには2.15ポイント上昇する必要がある。11〜12年平均の物価上昇率は品目ごとに異なるが、すべて11〜12年平均より2.15ポイント上昇したとして計算。

バナースペース

上原けんさく事務所

〒577-0816
東大阪市友井2-9-21

TEL 06-6730-5840
FAX 06-6730-5850