安倍内閣の成長戦略 デフレ不況を促進

解雇自由・保険外治療拡大で医者に行けない…

 規制改革会議という安倍首相に「ご意見」を述べる審議会が開かれています。

 メンバーは15人の委員のうち9人が、住友商事、野村総研、新日鉄住金など株式会社の役員や研究員です。

デフレ不況悪循環

 政府の規制改革会議(議長=岡素之・住友商事相談役)は15日、派遣労働・労働時間・解雇規制のいっそうの緩和や、公的な保険のきかない医療を広げる「混合診療」の拡大を打ち出しました。安倍内閣が経済対策の「三本の矢」の一つと位置づける「成長戦略」(6月をめどに策定)に盛り込むことをめざしています。「デフレ脱却」どころか、財界のもうけを優先して労働者の生活をいっそう不安定にし、「国民皆保険」を壊し、デフレ不況の悪循環に拍車をかける「規制改革」です。

解雇自由・残業代はゼロ

 重大なのは解雇規制の緩和です。「解雇が無効であった場合の救済を多様化すべき」だと主張。解雇無効の判決が出ても、企業が金さえ払えば職場復帰できなくなる「金銭解雇ルール」を狙います。

 日本航空の不法な解雇や電機大手の無法なリストラなどが横行するもとで、権利を主張したり労働組合に加入する労働者への「みせしめ解雇」も可能となります。

 事務・研究開発系の労働者の労働時間法制も見直すとしています。「残業代ゼロ法案」が検討されています。

 貧困と格差を拡大させた派遣・非正規労働についても、派遣期間の制限を3年から5年に延長することや、対象業務拡大など大幅緩和を主張しています。

お金のない人は医者にかかれない

 「混合診療」とは、保険診療と保険外診療(自費診療)を併用することで、現在は例外的にしか認められていません。保険外診療を混ぜた場合、原則として保険診療の部分も全額自費になります。

 「混合診療」を拡大すれば、安全性や有効性の不確かな医療が広がる危険と安全が確かめられた新たな医療が保険外のままにされ、お金持ちしか使えなくなることが懸念されます。

 米国は「混合診療」の拡大・全面解禁を求め、日本に環太平洋連携協定(TPP)参加を迫っており、日本医師会などからも「国民皆保険を崩壊させる」という強い批判が上がっています。

混合診療って

 混合診療とは、病気やけがを治療するとき、公的保険がきく診療(保険診療)と保険がきかない保険外診療(自由診療)を組み合わせることをいいます。法的にもいまは一部例外を除き原則禁止されています。

 混合診療が認められると、医療の中身は「保険」と「保険外」にわけられ、保険外診療をどんどん広げていくことにもなります。

 仮に風邪などで治療を受け、薬ももらって3割負担で3000円程度かかっていたら1万円も必要に…

安倍改革で派遣地獄がいっそう強化

派遣地獄が永遠と?
 通訳やアナウンサー、ソフトウエア開発など専門26業務には派遣期間の制限がありません。
 これら以外の業務には3年間という期間があり、この3年をこえて同じ業務に派遣社員として働いていたら、派遣先企業は派遣社員に直接雇用を申し込まなければなりません。これを5年に緩和して派遣地獄をいっそう作り出そうとしています。

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