大企業のため込み利益(内部留保)の1%で

7割の従業員の1万円賃上げ可能

日本共産党「内部留保活用で賃上げを!」 首相「経営者に要請する」

 「内部留保のほんの一部を使えば、賃上げは可能だ」―。日本共産党の笠井亮議員は8日の衆院予算委員会で基本的質疑に立ち、“企業の収益が上がれば賃金もやがて上がる”という「アベノミクス」の論拠を突き崩しました。

大企業の利益・配当金・内部留保と給与の増減比グラフ。1997年を100とした場合、2011年は経常利益が159、配当金が284、内部留保が185、平均給与が85。 笠井氏は、働く人の平均給与年額が1997年をピークに66万円も減る一方、企業の経常利益は1.6倍に跳ね上がり、内部留保、株主配当も急増していることを指摘。「企業の収益が上がっても働く人の所得につながっていないではないか」と強調しました。

 麻生太郎副総理は「企業の巨大な内部留保になっている」「企業マインドが一番問題」と答弁。安倍晋三首相も「金利が上がってキャッシュ(現金)を持ちたい、それが内部留保になっている」と認めました。

 笠井氏は、働く人の所得減の原因は企業の賃下げとリストラにあると指摘。経団連が“物価が下がっているから、働く人の所得をもっと下げていい”との理屈まで持ち出して「賃下げ宣言」をしていることをあげ、「この財界の姿勢はおかしいと思わないのか」と追及しました。

 安倍首相は、「経営者に“収益が上がれば賃上げ要請をする”という形で協力していただきたい」と答弁。一方で、経団連の姿勢については「いいとか、悪いとかコメントするつもりはない」と述べました。

大企業の内部留保1%で可能な賃上げグラフ(本文参照) 笠井氏は、大企業が260兆円も内部留保をため込んでいることをあげ、「賃上げの原資はすでにある」と強調。その1%程度を使うだけで8割の企業、7割の従業員に月額1万円以上の賃上げができることを示しました。

 麻生氏は「(賃上げ)できる条件に企業側があることはたしかだ」と認めました。笠井氏は、

  1. 労働者派遣法改正で正規雇用を原則に
  2. 最低賃金を1000円以上に引き上げ
  3. 公正取引、適正な下請け・納入単価の実現

―の、人間らしいくらしを保障するための三つの具体策を提示。「それぞれの会社が労働者や下請けの給料を上げるために内部留保を使うよう政治がルールをつくることこそ大切だ」と強調しました。

内部留保って?

 内部留保とはひとことで言えば企業がさまざまな名目でため込んでいる利益のことです。日本の大企業は、商法や法人税法、租税特別措置法などで、さまざまな合法的なため込みの項目がみとめられ、欧米にくらべても異常に多いことが指摘されています。

主要企業・持ち株会社の連結内部留保についての試算
企業名 内部留保額 月1万円の賃上げに
要する取り崩し率
内部留保1%の活用による
雇用増の人数
(年収300万円・1年)
新日本製鐵 1兆8500億円 0.60% 6167人
日立製作所 2兆7492億円 2.08% 9165人
パナソニック 3兆3043億円 1.60% 11014人
ソニー 2兆6249億円 0.99% 8750人
キヤノン 4兆4390億円 0.71% 14797人
日産自動車 4兆2175億円 0.70% 14058人
トヨタ自動車 14兆1684億円 0.43% 47228人
本田技研工業(ホンダ) 7兆9279億円 0.42% 26426人
東日本旅客鉄道(JR東日本) 2兆3634億円 0.63% 7878人
三菱商事 3兆7845億円 0.33% 12615人
三菱UFJ 9兆3644億円 0.18% 31215人
三井住友 4兆3692億円 0.29% 14564人
日本電信電話(NTT) 9兆5461億円 0.49% 31820人

(注)三菱UFJ=三菱UFJフィナンシャルグループ、三井住友=三井住友フィナンシャルグループ、日本電信電話の3社はいずれも持ち株会社です。(国公労連の内部留保活用による雇用増、賃上げ試算から)

身を削るなら 政党助成金廃止を!

 国民には自立を求めているのに政党は税金で運営するのか!(怒)

 1995年の制度実施から昨年までの18年間で5677億4177万円もの政党助成金が配られました。

 昨年末には新党日本、太陽の党、新党きづな、新党大地の4党が、総務省に解散届けを提出しながら政党助成金を受け取りました。政党助成金は、国家から独立した自主組織としての政党本来のあり方をゆがめ、政党を堕落・腐敗させています。

 日本共産党は、支持政党にかかわらず国民の税金が各党に配分される政党助成金制度は、憲法が定めた思想・信条の自由を侵すとして一貫して受け取りを拒否し、同制度の撤廃を求めています。

2013年分の政党助成金(試算)
政党名 13年の交付予定額(試算) 12年の交付額
自民党 145億5000万円 101億5400万円
民主党 85億3400万円 165億430万円
日本維新の会 27億1500万円
公明党 25億5700万円 22億7916万円
みんなの党 17億8900万円 11億1829万円
生活の党 8億1600万円
社民党 5億4100万円 7億6369万円
国民新党 2億4600万円 4億4254万円
みどりの風 1億3800万円
新党改革 1億2400万円 1億1961万円
日本共産党 政党助成金の撤廃を主張し、受け取らず

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