橋下「維新八策」どんな国めざす?

雇用・福祉 過激な新自由主義で破壊

 テレビや新聞は連日、民主党・自民党に代わる「第三極」などとして橋下徹大阪市長率いる「大阪維新の会」を大々的にもちあげます。8日にも「会」として国政進出を決定し、候補者擁立を本格化させようとしています。国民への背信と党略政治を続ける民主党・自民党に失望した国民の“期待”を集めますが、それに応える中身をもっているのでしょうか。

維新の会をめぐる人物相関図。「小泉・安倍」時代の顔ぶれが続々 「維新八策」の「経済政策」に並ぶのは「競争力強化」「国・自治体・都市の競争力強化」「競争力を重視する自由経済」など“競争力強化”一辺倒です。それしかないといっても過言ではありません。

 大企業向けには「競争力強化のためのインフラ整備」を掲げるとともに「徹底した規制改革」を打ち出し「産業の淘汰(とうた)を真正面から受け止める」産業構造への転換を主張。まさに弱者は去れという弱肉強食の社会づくりです。

 そのもとで、国民生活がどうなるかには、冷淡で無頓着です。大金持ちには、さらなる所得減税となる「超簡素な税制=フラットタックス化」を打ち出す一方で、労働者に対しては「解雇規制の緩和を含む労働市場の流動化」でいっそうの不安定雇用を強いる方向です。

 小泉「構造改革」のもと、製造業派遣の解禁などで貧困と格差が拡大したことから何一つ学ばず、今度は“首切り自由”(解雇規制の緩和)で国民をいっそう困窮に追いやろうというものです。まさに“過激な新自由主義”にほかなりません。

 その姿勢は社会保障にも貫かれています。

 「八策」は社会保障について「自助、共助、公助の範囲と役割を明確に」し、「真の弱者支援に徹する」と明記しています。本来、すべての国民が受ける権利をもつ社会保障を「真の弱者」だけに絞り込み、「合理化・効率化」の名で社会保障費を削減しようというのです。

 「真の弱者支援」というのは社会保障切り捨ての口実にすぎません。

 一つは、保険で受けられる医療を切り縮めようということです。「八策」では「公的医療保険給付の重症患者への重点化」を口実として「軽症患者の自己負担増」を方針化しています。橋下氏は「風邪とかばかりを扱う開業医がどんどん増えてくる」(8月30日)と地域医療を敵視し、「公的医療保険制度の範囲を見直す」としています。

 さらに、米国が求めている混合診療を「完全解禁」すると明記。混合診療は、保険のきかない医療を拡大して患者に重い負担を求めるもの。“命の沙汰も金次第”にしようとしています。

 また、生活保護について、今でも本来対象となる人の2割程度にしか利用されていない制度をさらに改悪し、保護の打ち切りにつながる「有期制」や、現在は無料で受けられる医療への「自己負担」導入などを盛り込み、給付をさらに絞り込もうとしています。

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