雨乞山
雨乞い神事と巨石信仰
当社の北東に雨乞山があります。淡路島は昔から水不足に悩まされており、特に江戸時代の享保から天明年間にかけての大飢饉は大きな被害をもたらしました。そのため、山の頂に水の神の「貴船の神」と火の神の「愛宕の神」を祀って雨乞祈願をしたところ、大雨が降ったので雨乞山と名付けたのがこの山の名の起こりとされています。
以降、干ばつの年には、山頂で松薪を焚き、地元生穂の里人たちが交代で数日間山に篭り、蓑笠の雨具をつけて「大雨たんもれ、じんぐいな、天に大雨ないかいな・・・」と唱えながら、鉦と太鼓を打ち鳴らして祈願を続けました。現在も、毎年5月初旬には地元雨乞町内会の人たちによって雨乞い祈願の神事が執り行われています。
- 巨大な石組みの間に貴船の神を祀る祠が見える
- 山頂から津名の丘陵地帯を望む
また、雨乞山は巨石信仰の山としても有名です。当社は神が宿る奥の院として往古よりこの山を遥拝してきました。山頂付近では、御社岩、焚火岩、龍越の岩、覗岩等の自然の巨岩が神秘的な姿を見せています。雨乞い祈願が始まる江戸時代よりはるか昔から磐座(いわくら―神が宿る巨石)として信仰されていたのです。
更には、山頂からの景観は淡路八景の一つにも選ばれていました。
山頂には望遠鏡を備えた広場があり、大阪湾を広く望み、また津名の地域が一望出来る景勝の地でもあります。
雨乞山公園のアクセス方法
国道28号線 生穂交差点より 1本北東の交差点より北へ進む。
主要な交差点には道標が建てられています。