21MHz CW トランシーバ MFJ-9315K の製作

海のかざり

2016/4/23
Last update : 2017/8/15

English page is here.

花のアニメMFJ-9315K の概要

21MHz CW トランシーバ 「MFJ-9315K」を製作しました(2015年9月完成)。MFJ のこの機種のページはこちらで、マニュアルのダウンロードも可能です(と言いますか、MFJ-9315K の場合はダウンロードする必要がありました)。出力は 1W です。
なお、同時期に 3.5MHz CW トランシーバ MFJ-9380K も製作しました。

MFJ-9315K(上) と MFJ-9380K(下)

MFJ-9315K(上) と MFJ-9380K(下)
(「PHONES」の上のプッシュスイッチ、LED、天板のスピーカの穴などは改造によるもの)

手のひらサイズの 21MHz CW トランシーバのキットを作りたかったのですが、知っている機種は限られていました。
MFJ-93xx シリーズの特徴としては、全バンド共通と思われる、表面実装部品があらかじめ実装された基板が提供され、ユーザがバンドに依存する部品(表面実装ではなく従来のリード線タイプ)や、ボリウムやコネクタなどの大きい部品をハンダ付けすることにより、組み立てるのですが、これにより、手のひらサイズの小型化と、初心者にも作りやすいことを実現しているようです。
表面実装部品がもともと実装されている点は、好みが分かれるところだと思います。

組み立て前の MFJ-9315K 基板

組み立て前の MFJ-9315K 基板
(表面実装部品はもともと実装されている)

MFJ-9315K 基板

MFJ-9315K 基板
(一部の部品は一時的に交換している)

MFJ-9315K リアパネル

MFJ-9315K リアパネル
(標準のアンテナコネクタは、下の穴に通す RCA ピンジャック。上の穴に手持ちの BNC レセプタクルを設置し、下の穴は黒のアクリル板で塞いだ)
(左上のビスは 'FREQ-mite' 取り付け用)


花のアニメ今回の製作概要(改造点)

MFJ-9315K 内部

MFJ-9315K 内部
(右下が増設した 'FREQ-mite'、スピーカも増設したもの)

以下の改造を行いました(主な点のみ記載)。

MFJ-9315K フロントパネル

MFJ-9315K フロントパネル
(「PHONES」の上のプッシュスイッチは周波数表示用。LED の改造は本文参照)
(「9315」、「JN3DMJ」の文字は、私がレタリングしたもの)


花のアニメ周波数可変範囲拡大について

MFJ-9315K の局発は VFO であり、C9 を交換することにより、表のように周波数可変範囲を拡大することができます。

C9 周波数可変範囲(例) 備考
オリジナル(10pF) 21.000〜21.059MHz
15pF 21.000〜21.092MHz ←現状

周波数可変範囲に影響する C9

周波数可変範囲に影響する C9 (中央の 15pF)
(交換が容易なように、端子ピンを使用)

90kHz 以上可変しているので、チューニングはやや難しいです。70〜75kHz にしようと思います。


花のアニメ周波数表示について

周波数表示は、私の SST40 にも採用している 'FREQ-mite' を採用し、フロントパネルに追加したプッシュスイッチを押すと送信周波数の100/10/1kHzの桁がモールス音声で出力されるようにしました。
'FREQ-mite' は元々 Small Wonder Labs の製品でしたが、販売終了になり、その後、Four State QRP Group から購入可能 になりました。
'FREQ-mite' の出力には、半固定抵抗を設置し、音量が調整できるようにしました(上の方の写真参照)。

'FREQ-mite' AF信号取り込み部
'FREQ-mite'(左)と、AF信号(モールス音)取り込み部(右)
('FREQ-mite'の周波数のオフセット設定は右下の10組のピンにジャンパーを挿すことにより行う。実際の設定と写真とは異なる)
(AF信号取り込み部の抵抗器は、基板上の表面実装部品の端子にハンダ付けするので難しかった)


花のアニメローパスフィルタ増強

ファイナルの後のローパスフィルタは、オリジナルは2段なのですが、基板とアンテナコネクタ( BNC レセプタクル)との間にもう1段追加しました。

MFJ-9315K ファイナルの後のローパスフィルタ

MFJ-9315K ファイナルの後のローパスフィルタ


花のアニメファイナルトランジスタ交換は断念

説明書に ファイナルトランジスタを 2N5109 から 2N3553 に交換すると出力がアップできると書いてあったので、アメリカのお店から 2N3553 を購入し、交換してみました。
しかし、作り方が悪かったのか(?)、残念ながら、出力が出なくなったので(別の 2N3553 に交換しても同じ)、元の 2N5109 に戻し、最終形としました(その 2N3553 の hFE を測定したところ 140 だったので、不良品ではないと思うのですが)。

2N5109 2N3553

オリジナルの 2N5109 (左)と交換候補だった 2N3553 (右)


花のアニメ交信状況など

以下の国・地域と交信できました(2017/8/15 現在、大陸別、交信順)。

North America Asia Oceania Europe South America
United States of America Asiatic Russia
Taiwan
Thailand
Republic of Korea
China
East Malaysia - -

21MHz CW 1W の 交信実績は QP-21R が豊富なので、そちらもご覧ください。

電源 ON 後の周波数変動が大きいようなので、早めに電源 ON しています。


BACK   TOP   NEXT

Copyright (C) 2016-2017 by MATSUMOTO Koichi, JN3DMJ